この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第3部 第6章 §3.6.7 ★★★ 2次の項1つあたり (部分積分1回)。座標の揺らぎは 、エネルギーの揺らぎは 。量子では のモードが凍る
この章では、平衡の近くの Hamiltonian を と の2次式として選んだ。質量で重みを付けた変数への変換と、座標と運動量に同じ直交行列を当てる変換はどちらも正準変換で、2次式の は独立な調和振動子の和 に分かれる。正準変換なので相空間の体積は変わらず、統計力学の積分を基準座標で行ってよい。カノニカル分布に相空間での部分積分を1回当てると、 の形によらずに が出る。2次式の では、2次の項1つあたり平均 のエネルギーが入る(等分配則)。これを数えると、単原子の気体で 、二原子分子で 、固体で (Dulong–Petit)の比熱が出る。座標と壁に当てると も出る。座標の揺らぎは で質量によらず、全エネルギーの揺らぎは で、 個の振動子では相対的に になる。エネルギーを固定したミクロカノニカル分布でも同じ等分配則が出る。振動子を量子力学で扱うと、平均エネルギーは で、 で等分配則に戻り、 ではそのモードが凍って比熱が指数関数的に になる。二原子分子の気体が に近いこと、低温の固体の比熱が下がること(Einstein のモデル)、空洞の放射が Rayleigh–Jeans の式のように発散せず Planck の式に従うことは、どれもこの凍結で説明される。
この章の結果
- 2次式の は、線形の正準変換で に分かれる( は の固有値)。
- 一般化された等分配定理 。 では 。
- 等分配則:2次の項 個で 、。理想気体の壁から 。
- 揺らぎ:、。
- 量子:、、()。
総合問題 直線3原子分子の振動と熱 ★★★
オリジナル質量 , , の3つの原子が直線上に並び、隣どうしがばね定数 のばねでつながっている(1次元の運動だけを考える)。原子の位置を , , とし、結合の伸びを , ( は自然長)とする。分子は温度 の熱浴に接している。
- (1) (使う道具:3.6.1節/第2部第1章 の基準振動)基準角振動数を求めよ。, , の単位では、それぞれいくらか。
- (2) (使う道具:3.6.3節)古典の等分配則で、分子1つの平均エネルギー(重心の並進を含む)と比熱を求めよ。
- (3) (使う道具:3.6.4節/第3部第3章)結合の伸びの揺らぎ , と、両端の原子の距離の揺らぎ を求めよ。結果は質量によるか。
- (4) (使う道具:3.6.5節/第1部第14章)振動を量子力学で扱い、, , , , のとき、振動の比熱と平均エネルギーを求めて古典の値と比べよ。
- (5) (使う道具:3.6.4節の式 (3.6.19))(4) の条件で振動のエネルギーの揺らぎ を、準位の分布から直接求め、 と一致することを確かめよ。
解答
(1) で、 である。基準振動は3つある。全体が同じだけずれる並進は 。両端が逆向きに動き中央が止まる対称伸縮(, )では中央の原子に力がかからず、端の原子が1本のばねで引かれるので 。両端が同じ向きに動き中央が逆に動く逆対称伸縮(, 。重心を止める条件)では、ばねの伸びが なので 。 の固有値を計算しても , , が出る。, , では , , 。
(2) 基準座標で 。2次の項は の1つと振動の4つで 。重心の座標 は に現れないので、その方向の積分は分子が動ける長さの因子になるだけで、温度によらない。、。質量とばね定数によらない。
(3) カノニカル分布の座標の部分は で、座標 から(重心, , )への変換は線形で Jacobi 行列式が定数なので、 と は独立な正規分布に従う。したがって、、。式 (3.6.17) のとおり質量によらない。基準座標から計算すると、 を , の線形結合で書いて ( は の中の の係数)で、 と の両方に質量が入るが、和を取ると になる(, でも , でも同じ値)。並進と回転が無い1次元の分子では、2本の結合は熱的に無関係に揺れる。
(4) 振動の2つのモードは独立な量子の振動子で、 は , 。式 (3.6.24) から。並進 を足すと で、古典の より小さい。平均エネルギーは式 (3.6.23) の から で、古典の より大きい。このうち零点エネルギー を引いた熱の分は で、古典の のほぼ半分しかない。第1部第14章の言葉では、作用変数 が の整数倍(+)に限られ、 の大きさの が と同じくらいなので、古典の連続な の分布との差が見えている。
(5) モード の励起の数 は確率 の幾何分布で、、。エネルギーは なので、モードの揺らぎは 。2つのモードは独立なので足して、。(4) の から で一致する。古典では で揺らぎは 、熱の平均エネルギー に対する相対揺らぎは である。量子では熱の分 に対して で、相対揺らぎは と古典より大きい。凍りかけたモードは、ほとんどの時間を基底状態で過ごし、ときどき の単位で励起されるので、平均に比べて揺らぎが大きくなる。
木下の勉強ステータス
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