この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部 第11章 §5.11.7 ★★★ の Euclid 作用を粗視化すると係数が流れ、固定点の固有値から臨界指数が、固定点への流れから走る結合が決まる。統計力学と場の量子論は同じ流れを2つの向きから読んでいた
この章では、第3部第10章の Ginzburg–Landau 汎関数 が、場を と規格化し直すとEuclid の 理論の作用 と同じになることから出発した。次元を数えると で、 では無次元の結合 が臨界点で発散する。これは Ginzburg の判定条件を次元だけで言い直したものであった。
当てた道具は Wilson の粗視化で、波数の殻の揺らぎを積分して消し、長さと場の尺度を戻す。この変換で作用の係数は流れ、固定点のまわりの流れの固有値が長い距離の振る舞いを決める。Hamilton の流れと違い、この流れは情報を捨てるので逆にたどることはできず、そのために多くの出発点が同じ固定点に近づいていく。
殻の積分を1ループで行うと、 と の流れが閉じた形 (5.11.12) で書ける。 では Gauss 固定点は不安定になり、 の Wilson–Fisher 固定点が臨界点を支配して、 が出た。同じ流れを と読み替えると、第5部第10章のカウンター項から出した場の量子論の と係数まで一致した。 では結合は長い距離で対数的に へ、短い距離で大きくなり、QED では が短い距離ほど大きく見える。固定点のまわりでは自由エネルギーの特異部分が同次関数になり、6つの臨界指数が2つの固有値 で決まり、4つのスケーリング則が恒等式として出た。
統計力学では、長い距離(臨界点)の振る舞いを知りたくて短い波長を積分した。場の量子論では、切断 を無限に大きくしても低いエネルギーの物理が決まるように係数を調整した。前者は流れを の増える向きに、後者は の増える向きにたどったもので、同じ流れの方程式を逆の向きから読んでいる。統計力学と場の量子論は、作用を1つ選び、 をすべての配置について積分するという同じ理論の2つの使い方であった。
この章の道具
- 、、、。
- 次元 、、 の係数 。正なら relevant、負なら irrelevant。
- 粗視化:殻を積分 → → 。固定点の固有値 から 。
- 1ループ:、。ドットを として 、。
- Wilson–Fisher:、、、、。
- 、。QED は 、。
- 同次性 → 式 (5.11.21) と4つのスケーリング則。
総合問題 成分の秩序変数: 模型の臨界指数 ★★★
オリジナル秩序変数が 成分のベクトル で、自由エネルギーが回転 について不変な系を考える( が Ising、 が平面の磁性体や超流動、 が等方的な磁性体)。作用を 、 とする。
- (1) (使う道具:第3部第10章の Landau 理論)Landau 関数 ()の最小点 を求め、そこでの の2階微分(曲率)を に平行な方向と垂直な方向で求めよ。平均場の指数 は によるか。
- (2) (使う道具:この章の5.11.3節、第5部第7章の Wick の定理) と分け、 として、1ループの と が、 になることを示せ。
- (3) (使う道具:この章の5.11.2節・5.11.3節)流れの方程式を書き、非自明な固定点 と、 の1次の を求めよ。
- (4) (使う道具:この章の5.11.4節、第5部第10章)場の量子論の を書き、固定点の を求めよ。
- (5) (使う道具:この章の5.11.5節) で の を求めよ。 の極限の を、球形模型の厳密な結果 と の1次で比べよ。
解答
(1) は だけの関数で、 から 。最小点を に取ると、平行な方向の曲率は 、垂直な方向は である。垂直な方向に曲率が無いのは、最小点が球面上に連続的に並んでいて、その上を動いても が変わらないためである(回転対称性の破れに伴う Goldstone のモード)。、平行な方向の感受率 は と同じなので、平均場の 、 は によらない。
(2) のうち について2次の項は である。期待値は 、 なので 。 から ( で )。
2次の項では、上の2次の部分を 、 と書き、 と の を を2本ずつつなぐ。、、()を使い、 を局所近似で同じ点に置くと
から ( で )。
(3) 式 (5.11.12) と同じ手順で
の1次で 、。行列 の左上は 、右下は 、左下は なので
で に戻る。
(4) Wilson の流れを 、 で読み替えて( で )。零点は ( で )。次元正則化でカウンター項から出しても、同じ組み合わせの数 が泡の3つのチャネルから出る。
(5) で は でそれぞれ 、、。成分の数が増えるほど揺らぎの自由度が増え、平均場の値 からのずれが大きくなる。 では で、球形模型の厳密な結果(T. H. Berlin, M. Kac (1952), Phys. Rev. 86, 821) と1次で一致する。 展開が、 が大きい極限という別の近似と同じ答えを出すことは、展開の係数が正しいことの1つの確かめになる。
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