この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
量子力学の様々な構成方法 第4部 第3章 §4.3.7 ★★★ 同じ のアンサンブルはユニタリ行列で移り合うものに限り(HJW)、どれも浄化の相手の測定で作れ、どれを作ったかは記録なしには観測できない。最後の性質は線形性と信号が光より速く送れないことと結びついている
密度演算子の構成で「状態」とは のことで、 を作ったアンサンブルは状態に含まれない。この章はその内容を3つの結果に分けて示した。第1に、同じ を与えるアンサンブルは、規格化しないベクトルの組 がユニタリ行列で移り合うものに限られ、それで全部である(Schrödinger–HJW の定理)。量子ビットでは Bloch 球の内部の点を通る弦や、点を囲む三角形がそれぞれ1つのアンサンブルになる。状態 を混ぜられる重みの上限は で、重みの Shannon エントロピーは 以上、等号は固有アンサンブルに限る。古典の確率分布では純粋な状態への分解が1通りで、ここが量子と古典の分かれ目になる。
第2に、 の浄化を用意すれば、どのアンサンブルも浄化の相手での測定(一般には POVM)と結果の記録で実際に作れる。第3に、相手の側でどの測定を選んでも手元の は変わらないので、記録を受け取らない限りアンサンブルの違いは観測できない。もし複製や状態に非線形に依存する時間発展があれば、アンサンブルの違いが見え、光より速い通信ができてしまう。
共通例題①では、熱平衡の振動子がエネルギー固有状態の Boltzmann 混合とも、P 表示 のコヒーレント状態の混合とも書け、どちらでも 、、 が出ることを確かめた。橋の節では、アンサンブルの選び方が基準の側の測定の選び方、位相空間の側の P 表示、代数と一般確率論の側の凸分解に当たることを並べた。熱平衡そのものは第4部第4章、環境との相互作用で混合状態が生まれる過程は第4部第5章で扱う。
総合問題 熱平衡の2準位原子のアンサンブルを相手の測定で選ぶ ★★★
オリジナル2準位原子 A(、、遷移の角周波数 、)が、 の状態 にある。
- (1) の Bloch ベクトルと を求めよ。これが の熱平衡になる を求め、2準位の補助系 R を使った浄化を1つ書け。(使う道具:第4部第1章 の Bloch ベクトル・第4部第2章 の浄化・第4部第4章 の熱平衡)
- (2) R で を測ると、A にどのアンサンブルが残るか。固有アンサンブルとそのアンサンブルを結ぶユニタリ行列を求めよ。(使う道具:この章の第4.3.2節・第4.3.3節)
- (3) を のアンサンブルに混ぜられる最大の重みを求め、その重みで を含む2点アンサンブルを具体的に作れ。その重みの Shannon エントロピーと を比べよ。(使う道具:この章の第4.3.2節)
- (4) R の側の人が と のどちらを測るかを選び、A の側の人は A の を測る。R の結果ごとの A の と、R の結果を知らないときの を両方の選択について求め、R の選択が A の統計に現れないことを確かめよ。 も求めよ。(使う道具:この章の第4.3.4節・第1部第2章 の信号を送れない式)
- (5) (2) のアンサンブルの各要素を のもとで時間 だけ発展させたときの Bloch ベクトルを求め、各要素が動いているのにアンサンブルの平均が定常であることを示せ。第4.3.5節の振動子の2つのアンサンブルとの対応を述べよ。(使う道具:第4部第1章 の Bloch 方程式・この章の第4.3.5節)
解答
(1) 、 なので 。。熱平衡では で、これが になるので 。浄化は (4.3.11) から
で、。
(2) の固有状態 は実係数なので、(4.3.13) は
結果 は確率 ずつ出て、A は になる。Bloch ベクトルは で、 を通る横の弦の両端である。固有アンサンブル 、 と比べると なので、結ぶユニタリは Hadamard 行列 で、これは R の測定基底を から へ取り替える行列そのものである。
(3) 、、 なので、(4.3.8) から 。((4.3.7) でも 、 で同じ。)残りは
で、行列式が (階数1)なので1つの純粋状態になる。上限の重みで混ぜると残りが半正定値の境目に来る、という命題 4.3.2 の十分性の証明のとおりである。アンサンブルは 。重みのエントロピーは で、 より大きく、(4.3.10) と合う。
(4) R が を選んだとき:結果 のあと A は で、。結果を知らなければ平均は 。R が を選んだとき:結果のあと A は か で、どちらも 。平均も 。結果を知らない A の側の統計は、どちらの選択でも で同じである((4.3.14))。相関は ( は を入れ替える)で、R の結果と A の結果を突き合わせたときにだけ、R が を選んだことが分かる。
(5) 、 なので、Bloch 方程式 は 軸まわりの角速度 の回転である。 の Bloch ベクトルは
と横成分が回る。平均 は時間によらず、 は定常である。固有アンサンブルの要素 は の固有状態で動かない。振動子の熱平衡で、止まっているエネルギー固有状態の混合と、振動するコヒーレント状態の混合が同じ を与えたのと同じ構図で、「要素が動いているか」はアンサンブルの読み方の違いにすぎず、 にも、どの測定の統計にも現れない。
木下の勉強ステータス
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