tecktom.com

この章のまとめ

2026年10月17日10分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第4部 第4章 熱平衡と量子統計

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第4部 第4章 §4.4.7 ★★★ 熱平衡は密度行列の構成で ρ^β=e−βH^/Z\hat\rho_\beta=\mathrm{e}^{-\beta\hat H}/Z という1つの状態として書け、熱浴の部分トレースと Gibbs の変分原理の2通りで選ばれる。調和振動子では固有値が等比数列で、位置表示は虚時間の Mehler 核になり、混合した Gauss 波束の固有値の問題もこれで閉じる

熱平衡の系は熱浴とエネルギーをやり取りしているので、その状態はエネルギーの固有状態の混合で、1本の状態ベクトルでは書くことができない。密度行列の構成では熱平衡は ρ^β=e−βH^/Z\hat\rho_\beta=\mathrm{e}^{-\beta\hat H}/Z という1つの状態で、それを選ぶ道が2つある。1つは、熱浴と合わせた全体のエネルギーを決め、熱浴を部分トレースで捨てる道で、熱浴の状態数の対数を1次まで展開すると e−βH^\mathrm{e}^{-\beta\hat H} が出て、全体を純粋状態にしても結果はほとんど変わらない(正準典型性)。もう1つは、エネルギーの期待値を決めてエントロピーを最大にする(温度を決めて自由エネルギーを最小にする)道で、Klein の不等式から F[ρ^]−F=kBT D(ρ^ ∥ ρ^β)≥0F[\hat\rho]-F= k_{\mathrm B} T\,D(\hat\rho\,\|\,\hat\rho_\beta)\ge0 が出る。von Neumann エントロピーは、同じ ρ^\hat\rho を作るアンサンブルの重みの Shannon エントロピーの最小値で、熱平衡では熱力学のエントロピーの 1/kB1/ k_{\mathrm B} 倍に等しい。

共通例題①では、等間隔のスペクトルから固有値が等比数列 (1−q)qn(1-q)q^n になり、正答表の Z=1/(2sinh⁡(βℏω/2))Z=1/(2\sinh(\beta\hbar\omega/2)) と ⟨n⟩=1/(eβℏω−1)\langle n \rangle =1/(\mathrm{e}^{\beta\hbar\omega}-1) を得た。同じ答えを、Mehler 核を虚時間 t=−iβℏt=-\mathrm{i}\beta\hbar で読んで位置表示の Gauss 核から、固有値を使わずに出した。重心と差で書いた熱平衡の核は第4部第2章の混合した Gauss 波束と同じ形で、どの混合した Gauss 波束も振動数 Ω=Δp/(mσ0)\Omega=\Delta p/(m\sigma_0)、tanh⁡(β′ℏΩ/2)=μ\tanh(\beta'\hbar\Omega/2)=\mu の振動子の熱平衡に等しい。これで第4部第2章の固有値 (1−q)qn(1-q)q^n、q=(1−μ)/(1+μ)q=(1-\mu)/(1+\mu) が証明された。高温では等分配と Wigner–Kirkwood の ℏ2\hbar^2 補正、低温では零点振動と第三法則が現れる。橋の節では、同じ ρ^β\hat\rho_\beta が熱場二重状態の一部分・周期 βℏ\beta\hbar の虚時間の経路の和・Gauss 型の Wigner 関数・モードごとの占有数・KMS 条件を満たす状態として書けることを並べ、有限次元では KMS 条件と Gibbs 状態が同値であることを示した。熱浴との接触で状態が ρ^β\hat\rho_\beta へ近づいていく過程そのものは、第4部第5章(第4部第5章)の Lindblad 方程式で扱う。

総合問題 混合した Gauss 波束を熱平衡として読み、冷たい熱浴での余りを測る ★★★

オリジナル質量 mm の自由粒子が、第4部第2章の混合した Gauss 波束 ρ(x,x′)\rho(x,x') の状態にあり、σ0\sigma_0 と Δp=3ℏ/(2σ0)\Delta p=3\hbar/(2\sigma_0) が与えられている(純粋度 μ=13\mu=\tfrac13)。

  1. (1) 定理 4.4.5 の Ω\Omega と β′ℏΩ\beta'\hbar\Omega を求め、σ02\sigma_0^2 が (4.4.20) の ⟨x^2⟩β′\langle \hat x^2 \rangle _{\beta'} に一致することを確かめよ。H^Ω\hat H_\Omega の分配関数 ZZ を求めよ。(使う道具:この章の第4.4.4節・第4部第2章)
  2. (2) ρ\rho の固有値・nˉ\bar n・S(ρ^)S(\hat\rho)・Tr⁡(ρ^H^Ω)\operatorname{Tr}(\hat\rho\hat H_\Omega) を求め、第4部第2章の浄化のもつれのエントロピーと比べよ。(使う道具:この章の第4.4.2節・第4.4.3節)
  3. (3) この状態の Wigner 関数を書き、原点での値 W(0,0)W(0,0) と純粋度の関係を述べよ。(使う道具:この章の第4.4.6節・第5部第2章)
  4. (4) 粒子を振動数 Ω\Omega の調和トラップに入れ、βℏΩ=ln⁡3\beta\hbar\Omega=\ln3 の熱浴((1) より冷たい)に触れさせる。初めの状態の自由エネルギーの余り F[ρ^]−FF[\hat\rho]-F を kBTk_{\mathrm B} T 単位で求めよ。(使う道具:この章の第4.4.2節)
  5. (5) (4) の代わりにトラップを外して自由に発展させる。時刻 tt の位置の分散と、S(ρ^(t))S(\hat\rho(t)) を求めよ。ρ^(t)\hat\rho(t) はどのハミルトニアンの熱平衡と読めるか。(使う道具:第4部第2章 の共通例題③・第4部第1章 の (D3)・この章の第4.4.4節)
解答

(1) (4.4.22) から Ω=Δp/(mσ0)=3ℏ/(2mσ02)\Omega=\Delta p/(m\sigma_0)=3\hbar/(2m\sigma_0^2)、tanh⁡(β′ℏΩ/2)=13\tanh(\beta'\hbar\Omega/2)=\tfrac13。q=(1−μ)/(1+μ)=12q=(1-\mu)/(1+\mu)=\tfrac12 なので β′ℏΩ=ln⁡2\beta'\hbar\Omega=\ln2。(4.4.20) は coth⁡(ln⁡2/2)=(1+q)/(1−q)=3\coth(\ln2/2)=(1+q)/(1-q)=3 を使って ⟨x^2⟩β′=3ℏ/(2mΩ)=3ℏ⋅2mσ02/(2m⋅3ℏ)=σ02\langle \hat x^2 \rangle _{\beta'}=3\hbar/(2m\Omega)=3\hbar\cdot2m\sigma_0^2/(2m\cdot3\hbar)=\sigma_0^2 で一致する。Z=1/(2sinh⁡(ln⁡2/2))=1/(2−1/2)=2Z=1/(2\sinh(\ln2/2))=1/(\sqrt2-1/\sqrt2)=\sqrt2。

(2) 固有値は (1−q)qn=2−(n+1)(1-q)q^n=2^{-(n+1)}、nˉ=q/(1−q)=1\bar n=q/(1-q)=1、S(ρ^)=2ln⁡2=1.386S(\hat\rho)=2\ln2=1.386(例題 4.4.3 と同じ)。Tr⁡(ρ^H^Ω)=ℏΩ(nˉ+12)=32ℏΩ\operatorname{Tr}(\hat\rho\hat H_\Omega)=\hbar\Omega(\bar n+\tfrac12)=\tfrac32\hbar\Omega で、直接 Δp2/(2m)+mΩ2σ02/2=34ℏΩ+34ℏΩ\Delta p^2/(2m)+m\Omega^2\sigma_0^2/2=\tfrac34\hbar\Omega+\tfrac34\hbar\Omega と計算しても同じである。第4部第2章の浄化 ψ(x)χ(y)eigxy/ℏ\psi(x)\chi(y)\mathrm{e}^{\mathrm{i} gxy/\hbar} の Schmidt 係数の2乗はこの固有値なので、もつれのエントロピーも 2ln⁡22\ln2 で、第4部第2章の μ=13\mu=\tfrac13 の数値の結果(第4部第2章の Schmidt 係数の図)と一致する。

(3) (4.4.26) で ω→Ω\omega\to\Omega、tanh⁡(β′ℏΩ/2)=13\tanh(\beta'\hbar\Omega/2)=\tfrac13 として

W(x,p)=13πℏexp⁡(−23ℏΩ(p22m+mΩ2x22))=13πℏexp⁡(−x22σ02−p22Δp2).W(x,p)=\frac{1}{3\pi\hbar}\exp\Big(-\frac{2}{3\hbar\Omega}\Big(\frac{p^2}{2m}+\frac{m\Omega^2x^2}{2}\Big)\Big)=\frac{1}{3\pi\hbar}\exp\Big(-\frac{x^2}{2\sigma_0^2}-\frac{p^2}{2\Delta p^2}\Big).

2つ目の形は mΩ/(3ℏ)=1/(2σ02)m\Omega/(3\hbar)=1/(2\sigma_0^2)、1/(3mℏΩ)=1/(2Δp2)1/(3m\hbar\Omega)=1/(2\Delta p^2) から出る。WW は位置 σ0\sigma_0・運動量 Δp\Delta p の独立な Gauss 分布で、どこでも正である。W(0,0)=1/(3πℏ)=μ/(πℏ)W(0,0)=1/(3\pi\hbar)=\mu/(\pi\hbar) で、原点での値の πℏ\pi\hbar 倍が純粋度に等しい(Gauss 型の WW では Tr⁡ρ^2=2πℏ∫W2dx dp\operatorname{Tr}\hat\rho^2=2\pi\hbar\int W^2\mathrm{d} x\,\mathrm{d} p が πℏ W(0,0)\pi\hbar\,W(0,0) になる)。

(4) 熱浴の状態は qb=e−ln⁡3=13q_{\mathrm b}=\mathrm{e}^{-\ln3}=\tfrac13 の熱平衡 ρ^β\hat\rho_\beta で、初めの状態 ρ^\hat\rho(q=12q=\tfrac12)と同じ H^Ω\hat H_\Omega の固有基底で対角である。DD は固有値の分布の古典の相対エントロピーになり

D(ρ^ ∥ ρ^β)=∑n(1−q)qnln⁡(1−q)qn(1−qb)qbn=ln⁡1−q1−qb+nˉln⁡qqb=ln⁡34+ln⁡32=ln⁡98=0.118.D(\hat\rho\,\|\,\hat\rho_\beta)=\sum_n(1-q)q^n\ln\frac{(1-q)q^n}{(1-q_{\mathrm b})q_{\mathrm b}^n}=\ln\frac{1-q}{1-q_{\mathrm b}}+\bar n\ln\frac q{q_{\mathrm b}}=\ln\frac34+\ln\frac32=\ln\frac98=0.118.

(4.4.9) から F[ρ^]−F=kBTln⁡(9/8)=0.118 kBTF[\hat\rho]-F= k_{\mathrm B} T\ln(9/8)=0.118\, k_{\mathrm B} T。別の道で、D=−S(ρ^)+βTr⁡(ρ^H^Ω)+ln⁡Zβ=−2ln⁡2+32ln⁡3+ln⁡(3/2)=−1.386+1.648−0.144=0.118D=-S(\hat\rho)+\beta\operatorname{Tr}(\hat\rho\hat H_\Omega)+\ln Z_\beta=-2\ln2+\tfrac32\ln3+\ln(\sqrt3/2)=-1.386+1.648-0.144=0.118 でも同じ値になる。(1) の補助の温度で読めば熱平衡だった状態も、より冷たい熱浴の前では自由エネルギーの余りを持ち、その量が DD で測られる。

(5) 自由粒子の Heisenberg 描像 x^H(t)=x^+p^t/m\hat x_{\mathrm H}(t)=\hat x+\hat pt/m から、第4部第2章の広がりの式のとおりσ(t)2=σ02+(Δp t/m)2=σ02(1+Ω2t2)\sigma(t)^2=\sigma_0^2+(\Delta p\,t/m)^2=\sigma_0^2(1+\Omega^2t^2)(Δp/m=Ωσ0\Delta p/m=\Omega\sigma_0)。(D3) により ρ^(t)=U^(t)ρ^U^(t)†\hat\rho(t)=\hat U(t)\hat\rho\hat U(t)^\dagger で、ユニタリな変換は固有値を変えないので S(ρ^(t))=2ln⁡2S(\hat\rho(t))=2\ln2 のまま一定である。ρ^(t)\hat\rho(t) は e−β′U^H^ΩU^†/Z\mathrm{e}^{-\beta'\hat U\hat H_\Omega\hat U^\dagger}/Z と書けるので、時間発展させたハミルトニアン U^(t)H^ΩU^(t)†\hat U(t)\hat H_\Omega\hat U(t)^\dagger(モジュラー・ハミルトニアンを β′\beta' で割ったもの)の同じ逆温度 β′\beta' での熱平衡と読むことができる。U^H^ΩU^†\hat U\hat H_\Omega\hat U^\dagger は x^\hat x と p^\hat p の2次式で x^p^+p^x^\hat x\hat p+\hat p\hat x の項を持ち、位置と運動量の相関が生まれることを表す。自由粒子の p^2/(2m)\hat p^2/(2m) そのものの熱平衡は存在しない(第4.4.1節)ので、ρ^(t)\hat\rho(t) はどの時刻でも、粒子の本当のハミルトニアンの熱平衡ではない。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『虎の巻』の記事一覧へ