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この章のまとめ

2026年10月17日8分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第4部 第5章 開放系:CPTP 写像・Kraus 表示・Lindblad 方程式

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第4部 第5章 §4.5.7 ★★★ 開いた系の時間発展は CPTP 写像で、Kraus 表示・Choi 行列・Stinespring 表示の3つが同じものを指す。Markov なら Lindblad 方程式で、共通例題②では T1=1/ΓT_1=1/\Gamma、T2=2/ΓT_2=2/\Gamma、共通例題①では熱浴の中で ρ^β\hat\rho_\beta へ近づく

開いた系の時間発展は、系と環境の全体をユニタリに発展させ、環境を部分トレースで捨てることで得られる。そうして得た系の状態の写像は、いつも Kraus 表示 ∑kK^kρ^K^k†\sum_k\hat K_k\hat\rho\hat K_k^\dagger、∑kK^k†K^k=1\sum_k\hat K_k^\dagger\hat K_k=\mathbf 1 を持つ。物理的な写像の条件は正値性でなく完全正値性で、手を触れない参照系を付けても正値が保たれることを要求する。転置は正値だが完全正値でない例である。有限次元では、完全正値性は Choi 行列が半正定値であることと同じで、その固有値分解から Kraus 演算子が取り出せる。逆にどの CPTP 写像も環境とのユニタリな相互作用で作れる(Stinespring)。これは第4部第2章の浄化を時間発展へ広げたもので、基準と密度行列の構成の橋が時間発展についても両向きに架かった。

環境を捨てずに測ると、系には確率 Tr⁡(ρ^E^k)\operatorname{Tr}(\hat\rho\hat E_k)、E^k=K^k†K^k\hat E_k=\hat K_k^\dagger\hat K_k の測定が起き、射影測定はその特別な場合になる。POVM は大きな系の射影測定として必ず作れ、直交しない状態の曖昧さのない識別のように、射影測定ではできない測定を与える。環境が過去を覚えていない Markov な場合、短い時間の写像の展開から Lindblad 方程式が出る。衝突模型ではこれが厳密で、現実の環境では弱結合の極限で成り立つ近似である。共通例題②では、自然放出と位相緩和から緩和つきの Bloch 方程式が出て、T1=1/ΓT_1=1/\Gamma、1/T2=1/(2T1)+1/Tϕ1/T_2=1/(2T_1)+1/T_\phi、完全正値性から T2≤2T1T_2\le2T_1 を得た。エコーで戻る T2∗T_2^* と戻らない T2T_2 の違いは、位相の情報が原子ごとの古典的な値として残っているか、環境へ移ったかの違いである。共通例題①の振動子は熱浴の中で詳細つり合いにより Gibbs 状態へ近づき、温度 00 ではコヒーレント状態が純粋なまま減衰する一方、猫状態の干渉は山の間隔の2乗に比例する速さで消える。

総合問題 光子を1個逃がす量子ビットを、写像・環境・測定・熱浴の4つの見方で読む ★★★

オリジナル2準位原子が初めに ∣+⟩=(∣e⟩+∣g⟩)/2| + \rangle =(| e \rangle +| g \rangle )/\sqrt2 にあり、回転座標で H^=0\hat H=0、温度 00 の自然放出 L^=Γσ−\hat L=\sqrt\Gamma\sigma_- だけを受ける。時刻は Γt=ln⁡2\Gamma t=\ln2 とする。

  1. (1) Bloch 方程式 (4.5.11) から r(t)\bm{r}(t) を求め、同じ時刻の写像を振幅減衰の Kraus 表示(例題 4.5.1)で書いて同じ答えになることを確かめよ。(使う道具:この章の第4.5.5節・第4.5.1節)
  2. (2) この時刻の純粋度と von Neumann エントロピー S(ρ^)S(\hat\rho) を求めよ。(使う道具:第4部第1章 の Bloch ベクトル・第4部第4章 のエントロピー)
  3. (3) Stinespring 表示で原子と環境(光子が出たか出ないか)の全体の状態を書き、環境のエントロピーが (2) の S(ρ^)S(\hat\rho) に等しいことを説明せよ。光子が出ている確率を求めよ。(使う道具:この章の第4.5.2節・第4部第2章 の Schmidt 分解)
  4. (4) 光子の検出器が鳴らなかったとき、原子の状態を求めよ。それは純粋か。PeP_e はどう変わったか。(使う道具:この章の第4.5.3節)
  5. (5) 同じ原子を nˉ=13\bar n=\tfrac13 の熱浴に置く。βℏω0\beta\hbar\omega_0、定常の PeP_e、T1T_1・T2T_2 を求め、定常状態が熱平衡であることを詳細つり合いで確かめよ。(使う道具:この章の第4.5.5節・第4部第4章)
解答

(1) h=0\bm{h}=0、T1=1/ΓT_1=1/\Gamma、T2=2/ΓT_2=2/\Gamma で、初めの r(0)=(1,0,0)\bm{r}(0)=(1,0,0) から rx(t)=e−Γt/2r_x(t)=\mathrm{e}^{-\Gamma t/2}、ry=0r_y=0、rz(t)=−1+(0+1)e−Γtr_z(t)=-1+(0+1)\mathrm{e}^{-\Gamma t}。Γt=ln⁡2\Gamma t=\ln2 では r=(1/2, 0, −12)\bm{r}=(1/\sqrt2,\,0,\,-\tfrac12)。振幅減衰では γ=1−e−Γt=12\gamma=1-\mathrm{e}^{-\Gamma t}=\tfrac12 と取る(衝突模型の NN 段の積が e−Γt\mathrm{e}^{-\Gamma t} になることから、時刻 tt の写像は 1−γ=e−Γt1-\gamma=\mathrm{e}^{-\Gamma t} の振幅減衰)。例題 4.5.1 と同じ計算で ρee=12(1−γ)=14\rho_{ee}=\tfrac12(1-\gamma)=\tfrac14、ρeg=121−γ=1/(22)\rho_{eg}=\tfrac12\sqrt{1-\gamma}=1/(2\sqrt2) となり、rx=1/2r_x=1/\sqrt2、rz=2⋅14−1=−12r_z=2\cdot\tfrac14-1=-\tfrac12 で一致する。

(2) ∣r∣2=12+14=34\lvert \bm{r}\rvert ^2=\tfrac12+\tfrac14=\tfrac34、純粋度 (1+34)/2=78(1+\tfrac34)/2=\tfrac78。固有値は (1±∣r∣)/2=(1±3/2)/2=0.9330, 0.0670(1\pm\lvert \bm{r}\rvert )/2=(1\pm\sqrt3/2)/2=0.9330,\ 0.0670 で、S(ρ^)=−0.9330ln⁡0.9330−0.0670ln⁡0.0670=0.0647+0.1811=0.246S(\hat\rho)=-0.9330\ln0.9330-0.0670\ln0.0670=0.0647+0.1811=0.246(nat)。

(3) 全体の状態は K^0∣+⟩⊗∣0⟩E+K^1∣+⟩⊗∣1⟩E=12(∣g⟩+12∣e⟩)∣0⟩E+12∣g⟩∣1⟩E\hat K_0| + \rangle \otimes| 0 \rangle _{\mathrm E}+\hat K_1| + \rangle \otimes| 1 \rangle _{\mathrm E}=\tfrac1{\sqrt2}\big(| g \rangle +\tfrac1{\sqrt2}| e \rangle \big)| 0 \rangle _{\mathrm E}+\tfrac12| g \rangle | 1 \rangle _{\mathrm E}(K^1\hat K_1 の位相は省く)。全体は純粋なので、第4部第2章の Schmidt 分解により原子の縮約状態と環境の縮約状態は同じ0でない固有値を持ち、S(ρ^E)=S(ρ^)=0.246S(\hat\rho_{\mathrm E})=S(\hat\rho)=0.246。原子が失った純粋さは、環境とのもつれとしてそのまま環境側にある。光子が出ている確率は ∥12∣g⟩∥2=14\lVert \tfrac12| g \rangle \rVert ^2=\tfrac14(=γ/2=\gamma/2)。

(4) 結果「鳴らない」の Kraus 演算子は K^0\hat K_0 で、POVM の要素は E^0=K^0†K^0=∣g⟩⟨g∣+12∣e⟩⟨e∣\hat E_0=\hat K_0^\dagger\hat K_0=| g \rangle \langle g |+\tfrac12| e \rangle \langle e |。確率は ⟨+∣E^0∣+⟩=34\langle + | \hat E_0 | + \rangle =\tfrac34。測定後の状態は K^0∣+⟩/∥K^0∣+⟩∥=(∣g⟩+12∣e⟩)/3/2\hat K_0| + \rangle /\lVert \hat K_0| + \rangle \rVert =(| g \rangle +\tfrac1{\sqrt2}| e \rangle )/\sqrt{3/2} で純粋、Pe=12/32=13P_e=\tfrac12/\tfrac32=\tfrac13 に下がる。光子が出なかったという「何も起きなかった」記録でも、原子は基底状態の側へ寄る。全体のアンサンブル 34×(この純粋状態)+14∣g⟩⟨g∣\tfrac34\times(\text{この純粋状態})+\tfrac14| g \rangle \langle g | を作ると (1) の ρ^\hat\rho に戻る(ρee=34⋅13=14\rho_{ee}=\tfrac34\cdot\tfrac13=\tfrac14)。

(5) nˉ=1/(eβℏω0−1)=13\bar n=1/(\mathrm{e}^{\beta\hbar\omega_0}-1)=\tfrac13 から eβℏω0=4\mathrm{e}^{\beta\hbar\omega_0}=4、βℏω0=ln⁡4=1.386\beta\hbar\omega_0=\ln4=1.386。定常の Pe=nˉ/(2nˉ+1)=13/53=15P_e=\bar n/(2\bar n+1)=\tfrac13/\tfrac53=\tfrac15、Pg=45P_g=\tfrac45。T1=1/[Γ(2nˉ+1)]=3/(5Γ)T_1=1/[\Gamma(2\bar n+1)]=3/(5\Gamma)、T2=2T1=6/(5Γ)T_2=2T_1=6/(5\Gamma)。詳細つり合いは「下がる流れ Γ(nˉ+1)Pe=Γ⋅43⋅15=415Γ\Gamma(\bar n+1)P_e=\Gamma\cdot\tfrac43\cdot\tfrac15=\tfrac4{15}\Gamma」と「上がる流れ ΓnˉPg=Γ⋅13⋅45=415Γ\Gamma\bar nP_g=\Gamma\cdot\tfrac13\cdot\tfrac45=\tfrac4{15}\Gamma」が等しいことで、Pe/Pg=14=e−βℏω0P_e/P_g=\tfrac14=\mathrm{e}^{-\beta\hbar\omega_0} は第4部第4章の Gibbs 状態の比である。熱浴の中の Lindblad 方程式は、どの初めの状態も第4部第4章の ρ^β\hat\rho_\beta へ運ぶ。

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