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出てくるもの2:交流の伝導度とプラズマ振動数

2026年10月15日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第4部 第2章 つなぎ:Boltzmann 方程式と緩和時間近似の電気伝導
目次
  1. 交流の伝導度
  2. 和則とプラズマ振動数
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第4部 第2章 §4.2.4 ★★ 振動する電場には σ(ω)=σ0/(1−iωτ)\sigma(\omega)=\sigma_0/(1-\mathrm{i}\omega\tau) で応答し、ωτ≫1\omega\tau\gg1 では電子は散乱される前に加速と減速を繰り返すだけになる。Re σ\mathrm{Re}\,\sigma の面積は τ\tau によらず、プラズマ振動数より上で金属は光を通す

交流の伝導度

一様な電場 E(t)=Re⁡[Eωe−iωt]\bm{E}(t)=\operatorname{Re}[\bm{E}_\omega\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\omega t}] を考える(記法の正本の流儀で時間の因子は e−iωt\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\omega t})。電場の波長が平均自由行程よりずっと長く、空間の変化を無視できるとする。δf=Re⁡[δfωe−iωt]\delta f=\operatorname{Re}[\delta f_\omega\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\omega t}] と置くと、線形にした式 (4.2.7) の左辺に ∂δf/∂t=−iωδf\partial\delta f/\partial t=-\mathrm{i}\omega\delta f が加わり、命題 4.2.1 を使って

−iω δfω−e Eω⋅v ∂f0∂ε=−δfωτ⟹δfω=eτ1−iωτ (Eω⋅v) ∂f0∂ε-\mathrm{i}\omega\,\delta f_\omega-e\,\bm{E}_\omega\cdot\bm{v}\,\frac{\partial f_0}{\partial \varepsilon }=-\frac{\delta f_\omega}{\tau} \quad\Longrightarrow\quad \delta f_\omega=\frac{e\tau}{1-\mathrm{i}\omega\tau}\,(\bm{E}_\omega\cdot\bm{v})\,\frac{\partial f_0}{\partial \varepsilon }

となる。直流の解 (4.2.9) の τ\tau が τ/(1−iωτ)\tau/(1-\mathrm{i}\omega\tau) に置き換わっただけなので、等方な金属(τ\tau が Fermi 面で一定)では

σ(ω)=σ01−iωτ,Re⁡σ=σ01+ω2τ2,Im⁡σ=σ0 ωτ1+ω2τ2(4.2.15)\sigma(\omega)=\frac{\sigma_0}{1-\mathrm{i}\omega\tau},\qquad \operatorname{Re}\sigma=\frac{\sigma_0}{1+\omega^2\tau^2},\qquad \operatorname{Im}\sigma=\frac{\sigma_0\,\omega\tau}{1+\omega^2\tau^2}\tag{4.2.15}

である(σ0=ne2τ/m∗\sigma_0=ne^2\tau/m^*)。Re⁡σ\operatorname{Re}\sigma は電場から電子へエネルギーが移る(Joule 熱になる)割合で、Im⁡σ\operatorname{Im}\sigma は電流が電場より遅れずに 90∘90^\circ 先に進む部分、すなわち電子の慣性による応答である。ωτ≪1\omega\tau\ll1 では電子は1周期の間に何度も散乱され、直流と同じ σ0\sigma_0 で応答する。ωτ≫1\omega\tau\gg1 では1周期の間にほとんど散乱されず、σ≈ine2/(m∗ω)\sigma\approx\mathrm{i} ne^2/(m^*\omega) で、電子は自由な質量 m∗m^* の粒子として電場に合わせて往復するだけになり、エネルギーをほとんど吸収しない(図 4.2.2)。

図

図 4.2.2 交流の伝導度 (4.2.15) の実部(実線)と虚部(破線)。ωτ=1\omega\tau=1 で両者が等しくなり、それより高い振動数では虚部(慣性の応答)が実部(吸収)を上回る。どちらもこの章の模型の中では厳密な式で、線種は実部と虚部を区別するためだけに変えた。

和則とプラズマ振動数

Re⁡σ\operatorname{Re}\sigma を振動数で積分すると

∫0∞Re⁡σ(ω) dω=πσ02τ=πne22m∗=π2ε0ωp2,ωp2=ne2ε0m∗(4.2.16)\int_0^\infty\operatorname{Re}\sigma(\omega)\,\mathrm{d}\omega=\frac{\pi\sigma_0}{2\tau}=\frac{\pi ne^2}{2m^*}=\frac{\pi}{2}\varepsilon _0\omega_{\mathrm p}^2,\qquad \omega_{\mathrm p}^2=\frac{ne^2}{\varepsilon _0m^*}\tag{4.2.16}

で、τ\tau によらない。散乱が強いと山は低く広くなり、弱いと高く狭くなるが、面積は電子の密度と質量だけで決まる。これは、電場をかけた直後(散乱が起きるより前の時間)には電子が散乱と無関係に J˙=(ne2/m∗)E\dot{\bm{J}}=(ne^2/m^*)\bm{E} で加速されることを、振動数の側から言い直したものである。ωp\omega_{\mathrm p} をプラズマ振動数と呼ぶ。この章の伝導電子の数密度 nn は、第4部第6章と光学と量子エレクトロニクス 第13章では屈折率 nn と区別して nen_{\mathrm e} と書く(同じ量である)。和則を因果律(Kramers–Kronig の関係)から一般に導くことは光学と量子エレクトロニクス 第12章で扱う。

伝導電子の電流を分極の時間微分とみなすと、比誘電率は εr(ω)=1+iσ(ω)/(ε0ω)\varepsilon _{\mathrm r}(\omega)=1+\mathrm{i}\sigma(\omega)/(\varepsilon _0\omega) で、式 (4.2.15) を入れて

εr(ω)=1−ωp2ω(ω+i/τ)  →  ωτ≫1    1−ωp2ω2(4.2.17)\varepsilon _{\mathrm r}(\omega)=1-\frac{\omega_{\mathrm p}^2}{\omega(\omega+\mathrm{i}/\tau)}\;\xrightarrow{\;\omega\tau\gg1\;}\;1-\frac{\omega_{\mathrm p}^2}{\omega^2}\tag{4.2.17}

となる。ω<ωp\omega<\omega_{\mathrm p} では εr<0\varepsilon _{\mathrm r}<0 で屈折率が純虚数になり、光は金属の中へ伝わらずに反射される。ω>ωp\omega>\omega_{\mathrm p} では εr>0\varepsilon _{\mathrm r}>0 で、金属は光を通す。金属の反射・色・表面プラズモンの詳しい話は光学と量子エレクトロニクス 第13章へ、バンド間遷移が加わった実際の金属の光学応答は第4部第6章へ送る。

例題 4.2.5 銅の交流の伝導度の目安 ★★

オリジナル例題 4.2.1 の銅の値(n=8.47×1028 m−3n=8.47\times10^{28}\,\mathrm{m^{-3}}、τ=2.49×10−14 s\tau=2.49\times10^{-14}\,\mathrm s、m∗=mm^*=m)を使う。

  1. (1) ωτ=1\omega\tau=1 となる振動数 1/(2πτ)1/(2\pi\tau) を求め、光子のエネルギー 2 eV2\,\mathrm{eV} の可視光での ωτ\omega\tau を求めよ。
  2. (2) プラズマ振動数 ωp\omega_{\mathrm p}、そのエネルギー ℏωp\hbar\omega_{\mathrm p}、真空での波長 2πc/ωp2\pi c/\omega_{\mathrm p} を求めよ。
  3. (3) 10 GHz10\,\mathrm{GHz} のマイクロ波は直流と同じ σ0\sigma_0 で扱えることを確かめ、表皮の厚さ δ=2/(μ0σ0ω)\delta=\sqrt{2/(\mu_0\sigma_0\omega)} を求めよ。
解答

(1) 1/(2πτ)=6.4×1012 Hz1/(2\pi\tau)=6.4\times10^{12}\,\mathrm{Hz} で、赤外線の領域にある。2 eV2\,\mathrm{eV} の光は ω=3.04×1015 s−1\omega=3.04\times10^{15}\,\mathrm{s^{-1}} で ωτ=76\omega\tau=76 なので、可視光では電子は慣性で往復するだけの領域にある。

(2) ωp=ne2/(ε0m)=1.64×1016 s−1\omega_{\mathrm p}=\sqrt{ne^2/(\varepsilon _0m)}=1.64\times10^{16}\,\mathrm{s^{-1}}、ℏωp=10.8 eV\hbar\omega_{\mathrm p}=10.8\,\mathrm{eV}、波長 115 nm115\,\mathrm{nm}(紫外線)。自由電子の模型では、銅は可視光をすべて反射し、115 nm115\,\mathrm{nm} より短い紫外線を通すことになる。実際の銅が赤みを帯びて見えるのは、可視光の範囲で d バンドからの遷移による吸収が始まるためで、この模型の外の話である(第4部第6章)。

(3) ωτ=2π×1010×2.49×10−14=1.57×10−3≪1\omega\tau=2\pi\times10^{10}\times2.49\times10^{-14}=1.57\times10^{-3}\ll1 なので σ≈σ0=1/ρ=5.95×107 S m−1\sigma\approx\sigma_0=1/\rho=5.95\times10^7\,\mathrm{S\,m^{-1}} でよい。δ=2/(4π×10−7×5.95×107×2π×1010)=0.65 μm\delta=\sqrt{2/(4\pi\times10^{-7}\times5.95\times10^7\times2\pi\times10^{10})}=0.65\,\mathrm{\mu m} で、マイクロ波の回路では電流が導体の表面の 1 μm1\,\mathrm{\mu m} ほどにしか流れない。

ほかの巻では

木下の勉強ステータス

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