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この章のまとめ

2026年10月15日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第5部 第6章 終章:トポロジカル物質への入口と、この巻で削ったもの

AI 生成・木下が未勉強

ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第5部 第6章 §5.6.7 ★★★ 整数はギャップが閉じない限り変わらず、端の準位の数と Hall 伝導度はこの整数で決まる。巻全体の近似も、多くがギャップを前提にしていた

この章では、正方格子に2つの軌道を置いた QWZ 模型 (5.6.1) を選び、Bloch 行列 g(k)⋅σ\bm{g}(\bm{k})\cdot\bm{\sigma} の単位ベクトルが球面を覆う回数として Chern 数を数えた。λ\lambda を変えても Chern 数はギャップが閉じる λ=−2,0,2\lambda=-2,0,2 でだけ変わり、C−≠0C_-\ne0 の側では板の端に、ギャップを一方向に横切る端の状態が閉じた形 (5.6.9) で現れた。端の線の本数はバルクの ∣C−∣\lvert C_-\rvert に等しく、1本あたり e2/he^2/h の横の伝導度を運ぶ。時間反転の相手のブロックを足すと、全体の Chern 数は 00 のまま、スピンと向きが結び付いたヘリカルな端の状態の対が残り、量子スピン Hall 絶縁体になった。

巻全体の札を集めた表 5.6.1 からは、固体の近似が B 型中心で、その多くがギャップを前提にしていることが読み取れた。ギャップが小さくなると半古典運動は Landau–Zener の確率 (5.6.12) の分だけ破れ、ギャップが閉じる所で Chern 数が変わり、端の状態が現れたり消えたりする。近似が破れる所とトポロジーが変わる所は、どちらもギャップが閉じる所である。この巻は、固体の全体の H^\hat H から何を削れば何が残るかを、章ごとに札として書いてきた。最後に出てきた Chern 数は、削ったものによらず残る量の例であり、その成り立つ条件は、ギャップが閉じないことである。

この章の要点

  • 2バンドの Chern 数は C−=14π∫g^⋅(∂kxg^×∂kyg^) d2kC_-=\frac1{4\pi}\int\hat{\bm{g}}\cdot(\partial_{k_x}\hat{\bm{g}}\times\partial_{k_y}\hat{\bm{g}})\,\mathrm{d}^2k で、球面の1点の逆像を符号つきで数えれば求まる。QWZ 模型では −2<λ<0-2<\lambda<0 で +1+1、0<λ<20<\lambda<2 で −1-1。
  • 端の状態:εedge=−thsin⁡kxa\varepsilon _{\mathrm{edge}}=-t_{\mathrm h}\sin k_xa、ψy=φy∣−x⟩\psi_y=\varphi^y| -_x \rangle、φ=−(λ+cos⁡kxa)\varphi=-(\lambda+\cos k_xa)、条件 ∣λ+cos⁡kxa∣<1\lvert \lambda+\cos k_xa\rvert <1。端の線の本数=∣C−∣\lvert C_-\rvert。
  • 時間反転の相手 h↓(k)=h↑(−k)∗h_\downarrow(\bm{k})=h_\uparrow(-\bm{k})^* の Chern 数は −C-C。ヘリカルな端の対は Kramers の縮退で守られ、Z2\mathbb{Z}_2 の不変量で数える。
  • Hall 伝導度 σxy=−Ce2/h\sigma_{xy}=-Ce^2/h、量子化した抵抗 h/e2=25812.807 Ωh/e^2=25812.807\,\Omega。
  • 巻の札の表:固体の近似は B 型が中心で、ギャップを前提にする定理が多い。ギャップが閉じると半古典運動は確率 exp⁡(−πM2/(ℏveE))\exp(-\pi M^2/(\hbar veE)) で破れる。

総合問題 量子スピン Hall 絶縁体の端を、Zeeman 効果と電場で調べる ★★★

オリジナルQWZ 模型の ↑ のブロック h↑(k)h_\uparrow(\bm{k})(式 (5.6.2))と、その時間反転の相手 h↓(k)=h↑(−k)∗h_\downarrow(\bm{k})=h_\uparrow(-\bm{k})^* を並べた 4×44\times4 の模型を考える。λ=1\lambda=1、th=1 eVt_{\mathrm h}=1\,\mathrm{eV}、a=0.5 nma=0.5\,\mathrm{nm} とする。

  1. (1) (使う道具:5.6.2節・解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部第11章の時間反転と Berry 曲率)↓ のブロックの Chern 数を求め、全体の Hall 伝導度が 00 になることを示せ。
  2. (2) (使う道具:5.6.3節)y=0y=0 の下の端で、↓ のブロックの端の状態のエネルギーを求め、↑ の端の状態と合わせて、2本の線がどの kxk_x で交わり、それぞれどちらへ進むかを述べよ。
  3. (3) (使う道具:5.6.3節・第4部第7章の Landauer の数え方)試料の左右に電極を付けた2端子の伝導度と抵抗を求めよ。
  4. (4) (使う道具:第5部第2章の Zeeman 効果)xx の向きに磁場 B=1 TB=1\,\mathrm T を掛けると、交点の近くの端の H^\hat H は hedge=ℏvk′τz+b τxh_{\mathrm{edge}}=\hbar v k'\tau_z+b\,\tau_x(k′=kx−π/ak'=k_x-\pi/a、τ\tau は ↑↓ に作用する Pauli 行列)になるとする。g=2g=2 として b=gμBB/2b=g\mu_{\mathrm B}B/2 を求め、端に開くギャップと、そのギャップが熱より大きくなる温度の目安を求めよ。端の状態のスピンは zz を向いた ↑・↓ そのものと仮定する。
  5. (5) (使う道具:5.6.4節の Landau–Zener の式・解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部第10章の半古典運動)(4) のギャップがある端に沿って電場 E=104 V m−1E=10^4\,\mathrm{V\,m^{-1}} を掛ける。端の速さを例題 5.6.3 の 7.60×105 m s−17.60\times10^5\,\mathrm{m\,s^{-1}} として、電子が交点を通るときに同じスピンのまま通り抜ける確率を求め、(3) の伝導度がこの磁場と電場でどの程度保たれるかを述べよ。
解答

(1) 時間反転で移った行列 h↑(−k)∗h_\uparrow(-\bm{k})^* の Berry 曲率は Ω↓(k)=−Ω↑(−k)\Omega_\downarrow(\bm{k})=-\Omega_\uparrow(-\bm{k}) である(複素共役を取ると Berry 曲率の符号が変わる。k→−k\bm{k}\to-\bm{k} の変数の取り替えでは kxk_x と kyk_y がともに符号を変えるので、Brillouin 域の積分の値は変わらない)。Brillouin 域で積分すると C↓=−C↑=+1C_\downarrow=-C_\uparrow=+1。格子の上の数値でも C↓=+1C_\downarrow=+1 になった。全体の Chern 数は C↑+C↓=0C_\uparrow+C_\downarrow=0 で、σxy=−(C↑+C↓)e2/h=0\sigma_{xy}=-(C_\uparrow+C_\downarrow)e^2/h=0 である。

(2) h↓h_\downarrow の板の行列は、5.6.3節の計算で kx→−kxk_x\to-k_x とし、すべての係数を複素共役にしたものである。∣−x⟩| -_x \rangle は実のベクトルなので同じ形の解があり、エネルギーは −thsin⁡(−kxa)=+thsin⁡kxa-t_{\mathrm h}\sin(-k_xa)=+t_{\mathrm h}\sin k_xa、存在の条件は ∣1+cos⁡kxa∣<1\lvert 1+\cos k_xa\rvert <1 で ↑ と同じ ∣kxa∣>π/2\lvert k_xa\rvert >\pi/2 である。下の端では ↑ が −thsin⁡kxa-t_{\mathrm h}\sin k_xa(kxa=πk_xa=\pi で傾き +tha+t_{\mathrm h}a、+x+x へ進む)、↓ が +thsin⁡kxa+t_{\mathrm h}\sin k_xa(−x-x へ進む)で、2本は kxa=πk_xa=\pi、ε=0\varepsilon =0 で交わる。kxa=πk_xa=\pi は −π/a-\pi/a と逆格子ベクトルだけ違う同じ点で、時間反転で自分に移るので、交点は Kramers の縮退で守られる。

(3) 2端子の間を、上の端と下の端がそれぞれ ↑ と ↓ の線を1本ずつ持ってつなぐ。電流を左から右へ運ぶ線は、下の端の ↑ と上の端の ↓ の2本で、1本あたり e2/he^2/h なのでG=2e2/h=7.748×10−5 SG=2e^2/h=7.748\times10^{-5}\,\mathrm S、抵抗は h/(2e2)=12.906 kΩh/(2e^2)=12.906\,\mathrm k\Omega である。

(4) b=μBB=5.788×10−5 eV×1=5.79×10−5 eVb=\mu_{\mathrm B}B=5.788\times10^{-5}\,\mathrm{eV}\times1=5.79\times10^{-5}\,\mathrm{eV}。hedgeh_{\mathrm{edge}} の固有値は ±(ℏvk′)2+b2\pm\sqrt{(\hbar vk')^2+b^2} なので、交点に 2b=0.116 meV2b=0.116\,\mathrm{meV} のギャップが開く。xx を向いた磁場は時間反転を破るので、Kramers の縮退による保護が外れる。kBT=2bk_{\mathrm B} T=2b となる温度は T=1.16×10−4/(8.617×10−5)=1.34 KT=1.16\times10^{-4}/(8.617\times10^{-5})=1.34\,\mathrm K で、これより十分低温でないと、熱による励起がこのギャップを越えてしまう。

(5) ℏv=1.0546×10−34×7.60×105/(1.602×10−19)=5.00×10−10 eV m\hbar v=1.0546\times10^{-34}\times7.60\times10^5/(1.602\times10^{-19})=5.00\times10^{-10}\,\mathrm{eV\,m}、eE=104 eV m−1eE=10^4\,\mathrm{eV\,m^{-1}} なので ℏv eE=5.00×10−6 eV2\hbar v\,eE=5.00\times10^{-6}\,\mathrm{eV^2}。ギャップの半分は M=bM=b なので、式 (5.6.12) の指数は πb2/(ℏveE)=π×3.35×10−9/5.00×10−6=2.1×10−3\pi b^2/(\hbar veE)=\pi\times3.35\times10^{-9}/5.00\times10^{-6}=2.1\times10^{-3} で、P=0.998P=0.998。この PP は、電子が端の ↑ の線(+x+x へ進む)にとどまったまま交点を通り抜ける確率である。残りの 0.2%0.2\% だけが ↓ の線へ移り、向きを変えて戻る。したがってこの磁場と電場では、伝導度は 2e2/h2e^2/h からほとんど変わらない。磁場を強くするか電場を弱くして πb2/(ℏveE)\pi b^2/(\hbar veE) が 11 を超えると、交点で電子が跳ね返されるようになり、端の伝導が抑えられる。(4) の熱の条件と合わせると、時間反転を破る摂動で端の伝導を止めるには、ギャップ 2b2b が熱と、電場で交点を通り抜ける速さの両方より大きい必要がある。

木下の勉強ステータス

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