解答
(1) Schmidt 係数は (3/4,1/4) なので E=hb(1/4)=0.5623 nat。定理 3.4.12 から蒸留の率は 0.5623/ln2=0.811 ebit/組。
(2) 1⊗Z は ∣00⟩ を変えず ∣11⟩ の符号を変えるので、∣00⟩⟨11∣ と ∣11⟩⟨00∣ の成分だけが (1−r)−r=1−2r 倍になる。c=3/4、s=1/4 として{∣00⟩,∣11⟩} の 2×2 ブロックは
(3/4(1−2r)cs(1−2r)cs1/4),r=0.1 で (1−2r)cs=0.8×43=0.3464
で、他の成分は 0。固有値は 21(1±(1/2)2+4×0.34642)=21(1±0.25+0.48) で、0.9272 と 0.0728(と 0 が2つ)。S(AB)=hb(0.0728)=0.2608 nat。Bob の状態は対角成分だけで決まり ρ^B=diag(3/4,1/4)、S(B)=hb(1/4)=0.5623。よって S(A∣B)=0.2608−0.5623=−0.3015 nat。ρ^A も diag(3/4,1/4) で、局所的な状態は r によらない。
(3) 部分転置で ∣00⟩⟨11∣ は ∣01⟩⟨10∣ に移るので、ρ^TB は対角成分 3/4、1/4(∣00⟩、∣11⟩)と、{∣01⟩,∣10⟩} のブロック(00.34640.34640) に分かれる。固有値は 3/4、1/4、±0.3464。負の固有値があるのでもつれていて、Neg=0.3464、EN=ln(1+0.6928)=0.5264 nat。一般の r では負の固有値は −(1−2r)3/4 で、r<21 ならいつももつれている。
(4) Δ(ρ^)=43∣00⟩⟨00∣+41∣11⟩⟨11∣ は積状態の混合なので分離可能である。ER の定義から ER≤D(ρ^∥Δ(ρ^)) で、第3部第2章の位相緩和の式から D(ρ^∥Δ(ρ^))=S(Δ(ρ^))−S(ρ^)=hb(1/4)−S(AB)。hb(1/4)=S(B) なので ER≤S(B)−S(AB)=−S(A∣B)。一方、定理 3.4.7 から ER≥−S(A∣B)。よって ER(ρ^(r))=S(B)−S(AB) で、r=0.1 では 0.3015 nat(0.435 ebit)。この族では下界 (3.4.9) の等号が成り立ち、最小点は Δ(ρ^) である。
(5) Nr1 のあとに Nr2 を当てると、非対角成分は (1−2r1)(1−2r2)=1−2r(r=r1+r2−2r1r2)倍になるので、合成は Nr に等しい。r′>r(r′≤21)なら Nr′=Nr2∘Nr となる r2=(r′−r)/(1−2r)∈[0,21] があり、Nr2 は Bob だけの操作なので LOCC である。定理 3.4.5 から ER(ρ^(r′))≤ER(ρ^(r))。値は r=0 で hb(1/4)=0.5623、r=21 で 0 である。1000 組からは、式 (3.4.19) の下限のハッシングで 1000×0.3015/ln2=435 組ほどの ebit を取り出せる。(4) の結果から ER が下界に一致するので、EDln2≤ER と合わせて、この族では ED=ER/ln2=0.435 ebit がちょうど決まる。
(6) I(A;B)=S(A)+S(B)−S(AB)=2×0.5623−0.2608=0.8638 nat。ER=S(B)−S(AB) を引いた残りは S(A)=hb(1/4) で、これは Δ(ρ^)(2人の結果がいつも一致する古典的な相関)と ρ^A⊗ρ^B=diag(9/16,3/16,3/16,1/16) の古典の相対エントロピー43ln9/163/4+41ln1/161/4=hb(1/4)=0.5623 に等しい。よって I(A;B)=0.3015+0.5623 と、もつれの分と古典的な相関の分に分かれる(例題 3.4.2 と同じ形)。r=21 では非対角成分が消えて ρ^=Δ(ρ^) になり、ER=0、I(A;B)=hb(1/4) で、古典的な相関だけが残る。r を増やすと、相互情報量のうちもつれの分 ER だけが減り、古典的な相関の分 hb(1/4) は r によらず一定である。