この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第7部 第3章 §7.3.7 ★★★ 放射の状態を最大に混ざった状態と比べる の配分から、Page 曲線・Page 時間・もつれの相手の入れ替わりが出て、Hawking の計算との食い違いは Page 時間の後の と に現れる
この章で比べた2つの状態は、放射の状態 と最大に混ざった状態 だった。その相対エントロピー は放射だけから読み取れる情報の量で、全体が純粋なら、時間によらない が「放射だけ」「ブラックホールだけ」「相関」の3つに過不足なく配分される(命題 7.3.1)。
当てた性質は2つあった。 と純粋状態の Schmidt 分解から、どんな純粋状態でも である。2次の上界 の Haar 平均から、乱数の状態はこの上限に の精度で達する(定理 7.3.2)。
出てきたものは3つあった。qubit の模型では で、Page 時間 で折り返し、そこまで放射に含まれる情報は指数的に小さく、その後は1個あたり ずつ出る。 を 、 を放射の粗視化したエントロピーに読み替えると、黒体の見積もりで Page 時間は、 で、半古典の計算が信頼できる時期に Hawking の計算との矛盾が起きる。次に出る1個の qubit のもつれの相手は、Page 時間の前は中、後は前の放射で、和 の取り合いが Hawking の描像と両立しない。
Page 曲線は「全体が純粋」「状態が典型的」「 は状態の数の対数」の3つの仮定から出た結果で、ブラックホールの中で情報がどう運ばれるかは何も言っていない。次の章(第7部第4章)は、Page 時間の後に落とした情報がどれだけ速く出てくるかを、デカップリングの定理(定理 7.4.2)で扱う。半古典の重力の計算から Page 曲線そのものを出す方法(島の公式、第7部第7章の式 (7.7.10))は第7部第7章で扱う。
この章の道具
- 放射に含まれる情報 。配分 。
- 純粋状態の上限 。
- Haar 平均:、Page の式 、 で上限より nat 低い。
- qubit の Page 曲線 、情報は Page 時間の後 1個あたり 。
- ブラックホール:、黒体で 、Page 時間 ・。
- 純粋な で 。Page 時間の前は 、後は 。
総合問題 16 qubit のおもちゃのブラックホールと kg のブラックホール ★★★
オリジナル全体が 16 qubit の乱数の純粋状態で、1刻みごとに1個の qubit が放射 に出るおもちゃのブラックホールを考える。値はすべて Page の式による Haar 平均で求めよ。最後の小問だけは本物の Schwarzschild ブラックホールを扱う。
- (1) Page 時間の刻みと、そのときの を求め、Hawking の状態の値と比べよ。(使う道具:7.3.2 節・7.3.3 節・第2部第3章の Page の式)
- (2) と で、式 (7.3.3) の3つの項を求め、2つの刻みの間で何が入れ替わったかを述べよ。(使う道具:7.3.1 節)
- (3) Hawking の状態の での を求め、全体が純粋であることとどう矛盾するかを、使う不等式の名前を挙げて述べよ。(使う道具:7.3.2 節・第3部第2章の Klein の不等式と Schmidt 分解)
- (4) の次に出る1個 について と を求めよ。 が中の相手とも Bell 状態をなす()と仮定すると、どの不等式が破れるか。(使う道具:7.3.5 節・第3部第3章の弱単調性)
- (5) 質量 の Schwarzschild ブラックホールについて、、qubit の数、寿命 、黒体の見積もりの Page 時間とそのときの質量を求めよ。(使う道具:7.3.4 節・解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部第12章の と寿命)
解答
(1) Page 時間は ()。 で、Hawking の状態の より だけ小さい。例題 7.3.3 の で とした値である。Page 時間までは2つの状態の はほぼ同じで、差は最後の1刻みで nat に開く。
(2) :(上限 より 小さい)。
:Page の式は で対称なので は同じ で、
どちらも和は である。相関の量 は同じで、 だけで読み取れる情報と だけで読み取れる情報が入れ替わった。 では放射だけから何も読めず、情報の残りはブラックホールの側にある。 では nat(8 ビット)が放射だけから読み取れる。
(3) Hawking の状態では 。全体が純粋なら Schmidt 分解から で、 は 4 qubit なので Klein の不等式 から 。 なので、Hawking の状態は全体が純粋な 16 qubit の状態として存在しない。放射の中の 12 個の qubit の相手を、4 個しかない にしまうことはできない。
(4) 、。 はほとんど前の放射とだけもつれている。 を仮定すると となり、純粋な3つの部分での等式 (7.3.14)、言い換えると弱単調性 が破れる。 は2つの相手と同時に最大にもつれることができない。
(5) 、qubit の数 。 年(第5部第12章の総合問題の値と同じ)。Page 時間は 年、そのときの質量は 、放射の細かいエントロピーの最大は である。16 qubit の模型との違いは qubit の数が 倍になったことだけで、曲線の形と「Page 時間の後は後の放射が前の放射ともつれる」という結論はそのまま成り立つ。
木下の勉強ステータス
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