解答
(1) px=∂L/∂x˙=mx˙, py=my˙。Legendre 変換で
H=pxx˙+pyy˙−L=2mpx2+py2+2mω2(x2+y2).
(2) 無限小変換は式 (1.9.18) の δx=−ϵy, δy=ϵx, δpx=−ϵpy, δpy=ϵpx。
δH=m1(pxδpx+pyδpy)+mω2(xδx+yδy)=mϵ(−pxpy+pypx)+mω2ϵ(−xy+yx)=0.
式 (1.9.20) から dLz/dt=0 で、Lz は保存する。
(3) 式 (1.9.14) から
δx=ϵ∂px∂Qxy=mϵpy,δy=mϵpx,δpx=−ϵ∂x∂Qxy=−ϵmω2y,δpy=−ϵmω2x.
δx が運動量 py で決まるので、点変換ではない(式 (1.9.17) の形 ∑piKi(q) に書けない。Qxy は運動量の2次式を含む)。H の変化は
δH=m1(px(−ϵmω2y)+py(−ϵmω2x))+mω2(xmϵpy+ymϵpx)=ϵω2(−pxy−pyx+xpy+ypx)=0.
よって Qxy も保存する。座標だけを動かす変換では見えない対称性が、相空間の変換としては現れる。
(4) m=ω=1 で、流れの方程式は dx/dα=py, dy/dα=px, dpx/dα=−y, dpy/dα=−x。x と py は d2x/dα2=−x を満たし、初期値 x=1, dx/dα=py=0 から x=cosα, py=dx/dα=−sinα。y と px は d2y/dα2=−y を満たし、初期値がともに 0 なので y=px=0。よって
Φα(1,0,0,0)=(cosα, 0, 0, −sinα).
(5) H=21(sin2α+cos2α)=21 で、α によらない((3) の δH=0 を有限の変換で確かめたことになる)。Lz=xpy−ypx=−cosαsinα=−21sin2α で、α とともに変わる。Qxy の流れは、エネルギーを変えずに角運動量を変える。α=0 の初期値 (1,0,0,0) は x 軸上を往復する直線の振動(Lz=0)である。α=π/4 の点は (x,y,px,py)=(1/2, 0, 0, −1/2) で、半径 r=1/2 の位置から速さ 1/2 で半径に垂直に動き出す。運動方程式 x¨=−x, y¨=−y の解は x=21cost, y=−21sint で、時計回りの半径 1/2 の円軌道になる(Lz=−21)。同じエネルギーの直線の振動と円軌道が、保存量 Qxy の流れでつながっている。2次元の等方調和振動子でエネルギーが同じで形の違う軌道が並ぶのは、この隠れた対称性による。
(6) [x^,p^x]=iℏ 以外の座標と運動量の交換子は 0 なので
[x^,L^z]=[x^,x^p^y]−[x^,y^p^x]=0−y^[x^,p^x]=−iℏy^,[p^x,L^z]=[p^x,x^]p^y=−iℏp^y.
よって [x^,L^z]/(iℏ)=−y^, [p^x,L^z]/(iℏ)=−p^y で、(2) の δx/ϵ=−y, δpx/ϵ=−py と同じ形になる。古典の δA=ϵ{A,Lz} と量子の δA^=ϵ[A^,L^z]/(iℏ) が、この場合は演算子の順序の問題なしに一致する。