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授業で習った形との対応

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第1部 第12章 正準変換:時間発展から入って母関数へ
目次
  1. 「形を保つ変換」という定義
  2. Lagrangian の側の座標変換との関係
  3. 量子力学のユニタリ変換
  4. 数値計算の授業との対応
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第1部 第12章 §1.12.6 ★★ 「Hamilton 方程式の形を保つ変換」という教科書の定義との違い、量子力学のユニタリ変換、数値計算との対応

「形を保つ変換」という定義

学部の解析力学の教科書の多くは、正準変換を「Hamilton 方程式の形を保つ変換」と定義し、すぐに相空間の作用を使って

δ∫(∑ipiq˙i−H)dt=0とδ∫(∑iPiQ˙i−K)dt=0が同じ経路を選ぶ(1.12.21)\delta\int\Bigl(\sum_ip_i\dot q_i-H\Bigr)\mathrm{d} t=0\quad\text{と}\quad\delta\int\Bigl(\sum_iP_i\dot Q_i-K\Bigr)\mathrm{d} t=0\quad\text{が同じ経路を選ぶ}\tag{1.12.21}

ことを要求し、2つの被積分関数の差を dF/dt\mathrm{d} F/\mathrm{d} t とおいて母関数を導く。この章の1.12.5節の計算と同じ式が出るが、出発点が違う。この章は {Qi,Pj}=δij\{Q_i,P_j\}=\delta_{ij} を定義に取り、そこから式 (1.12.11) を導いた。教科書の書き方には、定義として次の2点の注意が要る。

第一に、「形を保つ」は特定の HH についてではなく、すべての HH について要求しないと定義にならない。特定の HH だけなら、正準でない変換でも形が保たれることがある(次の例題)。第二に、すべての HH について形を保つ変換には、正準変換のほかに Q=λqQ=\lambda q, P=pP=p のような定数倍の変換が入る。この変換では {Q,P}=λ\{Q,P\}=\lambda で、K=λHK=\lambda H とおくと Q˙=λq˙=λ ∂H/∂p=∂K/∂P\dot Q=\lambda\dot q=\lambda\,\partial H/\partial p=\partial K/\partial P, P˙=−∂H/∂q=−λ ∂H/∂Q=−∂K/∂Q\dot P=-\partial H/\partial q=-\lambda\,\partial H/\partial Q=-\partial K/\partial Q と形が保たれる。時間の目盛りを 1/λ1/\lambda 倍に取り直したのと同じで、面積は λ\lambda 倍に変わる。教科書によっては、式 (1.12.21) の2つの被積分関数の比に定数 λ\lambda を許してこれを「拡大された正準変換」として含める。この本では λ=1\lambda=1 のもの、すなわち括弧と面積を保つものだけを正準変換と呼ぶ。量子力学の交換関係 [q^, p^]=iℏ\left[\hat q,\,\hat p\right]=\mathrm{i}\hbar に対応するのは λ=1\lambda=1 の場合だけだからである。

例題 1.12.7 1つの HH でだけ形を保つ変換 ★

オリジナル変換 Q=qQ=q, P=p3P=p^3(p>0p>0)を考える。

  1. (1) {Q,P}\{Q,P\} を求め、正準変換でないことを確かめよ。
  2. (2) 自由粒子 H=12p2H=\frac12p^2 では、K=34P4/3K=\frac34P^{4/3} とおくと (Q,P)(Q,P) が Hamilton 方程式の形に従うことを示せ。
  3. (3) 調和振動子 H=12(p2+q2)H=\frac12(p^2+q^2) では、(Q,P)(Q,P) が従う方程式を Hamilton 方程式の形に書ける KK が存在しないことを示せ。
解答

(1) {Q,P}=1⋅3p2−0=3p2\{Q,P\}=1\cdot3p^2-0=3p^2。11 でないので正準変換でない。

(2) 古い変数では q˙=p\dot q=p, p˙=0\dot p=0。よって Q˙=p=P1/3\dot Q=p=P^{1/3}, P˙=3p2p˙=0\dot P=3p^2\dot p=0。一方 K=34P4/3K=\frac34P^{4/3} なら ∂K/∂P=P1/3\partial K/\partial P=P^{1/3}, −∂K/∂Q=0-\partial K/\partial Q=0。両方とも一致する。

(3) 古い変数では q˙=p\dot q=p, p˙=−q\dot p=-q なので Q˙=P1/3\dot Q=P^{1/3}, P˙=3p2p˙=−3P2/3Q\dot P=3p^2\dot p=-3P^{2/3}Q。もし Q˙=∂K/∂P\dot Q=\partial K/\partial P, P˙=−∂K/∂Q\dot P=-\partial K/\partial Q となる KK があれば、2階偏微分の順序を入れ替えて ∂Q˙/∂Q=∂2K/∂Q∂P=−∂P˙/∂P\partial\dot Q/\partial Q=\partial^2K/\partial Q\partial P=-\partial\dot P/\partial P が成り立たなければならない。左辺は ∂P1/3/∂Q=0\partial P^{1/3}/\partial Q=0、右辺は ∂(3P2/3Q)/∂P=2P−1/3Q\partial(3P^{2/3}Q)/\partial P=2P^{-1/3}Q で、一般に 00 でない。したがってそのような KK は存在しない。「形を保つ」を定義に使うなら、すべての HH について要求しなければならない理由がこれである。

Lagrangian の側の座標変換との関係

Lagrangian で解析力学を学ぶと、Euler–Lagrange 方程式が一般化座標の取り替え q→Q(q,t)q\to Q(q,t) で形を変えないことを習う(第1部第2章・第1部第4章)。相空間ではこれは点変換 F2=∑iQi(q,t)PiF_2=\sum_iQ_i(q,t)P_i にあたる。正準変換はそれより広く、座標と運動量を混ぜる変換(入れ替え・調和振動子の流れ・作用角変数)を含む。Hamilton 形式に移る利点の1つは、変数を取り替えられる範囲がこのように広がることにある。

量子力学のユニタリ変換

量子力学では、ユニタリ演算子 U^\hat U で Q^=U^†q^U^\hat Q=\hat U^\dagger\hat q\hat U, P^=U^†p^U^\hat P=\hat U^\dagger\hat p\hat U と取り替えても

[Q^, P^]=U^†[q^, p^]U^=iℏ\left[\hat Q,\,\hat P\right]=\hat U^\dagger\left[\hat q,\,\hat p\right]\hat U=\mathrm{i}\hbar

が保たれる。これは {Q,P}=1\{Q,P\}=1 を保つ正準変換の量子版で、記法の正本の対応 {⋅,⋅}→[⋅, ⋅]/(iℏ)\{\cdot,\cdot\}\to\left[\cdot,\,\cdot\right]/(\mathrm{i}\hbar) のもとで定義 1.12.1 と同じ形をしている。時間発展 U^(t)=e−iH^t/ℏ\hat U(t)=\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\hat Ht/\hbar} を演算子に当てたものが Heisenberg 描像 A^H(t)=U^(t)†A^U^(t)\hat A_{\mathrm H}(t)=\hat U(t)^\dagger\hat A\hat U(t) で、定理 1.12.4「流れは正準変換」の量子版にあたる。無限小の生成子 GG には U^=e−iϵG^/ℏ\hat U=\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\epsilon\hat G/\hbar} が対応する。Heisenberg 描像は 第4部第3章、Poisson 括弧から交換子への移り方は 第4部第1章 で扱う。

数値計算の授業との対応

数値計算の授業では、常微分方程式の解法を「1歩の誤差が Δt\Delta t の何乗か」で比べることが多い。第1部第8章の例題 1.8.5 の前進 Euler 法とシンプレクティック Euler 法はどちらも1歩の誤差が O(Δt2)\mathcal{O}(\Delta t^2) で、その意味では同じ精度だった。それでも長い時間では、正準でない Euler 法はエネルギーが指数関数的に増え、正準な方法は増えなかった。Hamilton 系を長く追う計算(惑星の軌道・分子動力学)で正準な刻み方(シンプレクティック積分法)が選ばれる理由はここにある。

木下の勉強ステータス

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