解答
(1) 式 (1.12.2) のとおり Q=qcosωt+mωpsinωt, P=pcosωt−mωqsinωt。実際、dtdQ={Q,H} にあたる Q˙=P/m, P˙=−mω2Q がこの式で成り立つ。{Q,P}=cosωt⋅cosωt−mωsinωt⋅(−mωsinωt)=1。
(2) Q の式を p について解くと p=sinωtmω(Q−qcosωt)。これが ∂F1/∂q なので、q で積分して
F1(q,Q,t)=sinωtmω(qQ−2q2+Q2cosωt)
(Q だけの関数の分の不定性は、次の P の式で決まる)。確かめると P=−∂F1/∂Q=sinωtmω(Qcosωt−q) で、p の式を P=pcosωt−mωqsinωt に入れたものと一致する(cos2+sin2=1 を使う)。0<ωt<π では sinωt=0 なので q と Q が独立に動かせるので、F1 を使うことができる。
(3) 第1部第3章の総合問題 (6) と同じく、q˙2=dτd(qq˙)−qq¨ で書き換えると、運動方程式 q¨+ω2q=0 を満たす経路では
Scl=2m[qq˙]0t−2m∫0tq(q¨+ω2q)dτ=21(QP−qp)
(mq˙ は運動量で、終点で P、始点で p)。(2) の p, P を入れると
Scl=2sinωtmω(Q2cosωt−qQ−qQ+q2cosωt)=2sinωtmω((q2+Q2)cosωt−2qQ)=−F1.
流れの母関数は、実際の運動に沿った作用の符号を変えたものである。m=ω=1, q=1, Q=0, t=π/3 ではF1=sin(π/3)1(0−21cos3π)=32⋅(−41)=−63≈−0.289、Scl≈0.289。作用を端の点の関数と見ることは第1部第13章の Hamilton の主関数 S(q,t) につながる。
(4) P=sinωtmω(Qcosωt−q) を Q について解くと Q=cosωtq+mωPtanωt。これを F1+QP に入れて整理すると
F2(q,P,t)=cosωtqP+2tanωt(mωq2+mωP2)
(∂F2/∂q=cosωtP+mωqsinωt=p, ∂F2/∂P=Q で確かめることができる。ωt=π/2 では cosωt=0 で F2 を使うことができない。Q=p/(mω) と P=−mωq になり q と P が独立でなくなるからである)。t→0 で 1/cosωt=1+O(t2), tanωt=ωt+O(t3) なので
F2=qP+t(21mω2q2+2mP2)+O(t2)=qP+tH(q,P)+O(t2).
式 (1.12.16) と比べると、ϵ=t, G=H の無限小変換の母関数である。時間発展の生成子が H であること(第1部第9章)を、有限の時間の流れの母関数から読み取ることができる。
(5) H≤E は半軸 2E/(mω2)(q 方向)と 2mE(p 方向)の楕円の内部で、面積は π2E/(mω2)2mE=2πE/ω。1.12.5節の変換では H=ωP~ なので、H≤E は 0≤P~≤E/ω になり、Q~ は 0≤Q~<2π を1周する。(Q~,P~) 平面では幅 2π・高さ E/ω の帯で、面積は 2πE/ω。楕円の面積と等しく、正準変換で面積が保たれることと合う。新しい変数では K=ωP~ なので、時刻 t の流れは (Q~,P~)↦(Q~+ωt,P~) で、帯を横に ωt だけずらす平行移動になる。(1) で (q,p) 平面の回転だった流れが、変数を取り替えると平行移動になる。面積を保つことは Q~ 方向の平行移動では明らかで、正準変換で変数を移しても保たれることが Liouville の定理の中身である。