解答
(1) 運動の項と隣どうしのばねの項は 2.5.1節と同じで、2ρ(∂tϕ)2−2Y(∂xϕ)2 になる。床のばねの項は ∑n2K0qn2→∫adx2K0ϕ2 で、aK0=am⋅mK0=ρω02 だから
L=2ρ[(∂tϕ)2−v2(∂xϕ)2−ω02ϕ2].
数値は m=ρa=5.0×10−4kg、K=Y/a=2.0×103Nm−1、K0=mω02=45Nm−1。
(2) ∂(∂tϕ)∂L=ρ∂tϕ、∂(∂xϕ)∂L=−ρv2∂xϕ、∂ϕ∂L=−ρω02ϕ を式 (2.5.12) に入れて
∂t2ϕ−v2∂x2ϕ+ω02ϕ=0.
c→v、κ→ω0/v と読み替えると Klein–Gordon 方程式 (2.5.17) と同じ形で、床のばねが「質量」の項の役をする。
(3) 平面波 ei(kx−ωt) を入れて ω2=ω02+v2k2。ω0 より低い角周波数の波は伝わらない。原子の列では mq¨n=K(qn+1−2qn+qn−1)−K0qn に平面波を入れ、eika−2+e−ika=−4sin2(ka/2) を使って
ωlat2=ω02+m4Ksin22ka.
m4Ksin22ka=v2k2(1−12(ka)2+⋯) なので、連続体の方がわずかに高い。数値ではkℓ=π/2(ka=0.079)で 5.5×10−5、kℓ=3π/2(ka=0.24)で 1.6×10−3、kℓ=5π/2(ka=0.39)で 5.6×10−3 の割合だけ大きく、k が大きいほどずれが大きい(図 2.5.1 の点線と実線の開き方と同じ)。
(4) ϕ=sinkxcosωt は x=0 の固定端を満たす。自由端の条件 ∂(∂xϕ)∂Lx=ℓ=0 から coskℓ=0、kn=2ℓ(2n−1)π で、
ωn=ω02+v2kn2.
v=100ms−1 だから ω1=339s−1、ω2=559s−1、ω3=841s−1、振動数は fn=ωn/(2π)=53.9, 88.9, 134Hz。床のばねが無ければ fn=25, 75, 125Hz の奇数倍の列だったが、ω0 のために低いモードほど持ち上がり、等間隔でなくなる。
(5) π=ρ∂tϕ、
H=π∂tϕ−L=2ρπ2+2ρv2(∂xϕ)2+2ρω02ϕ2.
∂tH を計算して運動方程式 (2) を使うと ∂tH+∂xS=0、S=−ρv2∂xϕ∂tϕ となる(床のばねの項は ∂t(2ρω02ϕ2)=ρω02ϕ∂tϕ で、運動方程式の ω02ϕ の項と打ち消し合うので、流れには入らない)。x で積分すると dtdH=−[S]0ℓ で、x=0 では ∂tϕ=0、x=ℓ では ∂xϕ=0 なので dtdH=0。基本モードでは、∫0ℓsin2k1xdx=∫0ℓcos2k1xdx=ℓ/2 を使って
H=4ρA2ℓ[ω12sin2ω1t+(v2k12+ω02)cos2ω1t]=4ρω12A2ℓ
となり、例題 2.5.5 の ω を ω1 に替えた形になる。