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出てくるもの(3):スピンの歳差と磁気共鳴

2026年10月15日17分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第4部 第5章 角運動量と Noether(回転対称性)
目次
  1. スピンと全角運動量
  2. 磁場の中の歳差運動
  3. 回転する磁場と共鳴
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部 第5章 §4.5.5 ★★ j=12j=\tfrac12 の角運動量(スピン)は磁場の中で古典の角運動量と同じ式で歳差運動する。回転する座標に移ると時刻によらない問題になり、共鳴の式(Rabi の式)が出る

スピンと全角運動量

定理 4.5.4 の最も小さい半整数の場合 j=12j=\tfrac12 を行列で書くと、∣↑⟩=∣12,12⟩| \uparrow \rangle =| \tfrac12,\tfrac12 \rangle, ∣↓⟩=∣12,−12⟩| \downarrow \rangle =| \tfrac12,-\tfrac12 \rangle の基底で

S^=ℏ2σ,σx=(0110),σy=(0−ii0),σz=(100−1)(4.5.20)\hat{\bm{S}}=\frac\hbar2\bm{\sigma},\qquad \sigma_x=\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix},\quad\sigma_y=\begin{pmatrix}0&-\mathrm{i}\\\mathrm{i}&0\end{pmatrix},\quad\sigma_z=\begin{pmatrix}1&0\\0&-1\end{pmatrix}\tag{4.5.20}

となる(式 (4.5.11) で S^+∣↓⟩=ℏ∣↑⟩\hat S_+| \downarrow \rangle =\hbar| \uparrow \rangle から作る)。電子・陽子・中性子はこの自由度を持ち、スピンと呼ぶ。スピンを持つ粒子の状態は、位置の波動関数と2成分のスピンの組 ψσ(r)\psi_\sigma(\bm{r})(σ=↑,↓\sigma=\uparrow,\downarrow)である。

このような状態を回すには、位置の部分を回すだけでは足りず、スピンの向きも一緒に回さなければならない。回転の生成子は2つの和

J^=L^+S^(4.5.21)\hat{\bm{J}}=\hat{\bm{L}}+\hat{\bm{S}}\tag{4.5.21}

になる(L^\hat{\bm{L}} は位置に、S^\hat{\bm{S}} はスピンの添字に作用し、互いに可換なので和も式 (4.5.8) の交換関係を満たす)。定理 4.5.2 を当てると、孤立した系の H^\hat H は全体の回転で変わらないので、保存するのは J^\hat{\bm{J}} である。L^\hat{\bm{L}} と S^\hat{\bm{S}} が別々に保存するのは、位置だけを回しても、スピンだけを回しても H^\hat H が変わらない場合に限る。原子の中の電子では、スピン軌道相互作用 ξ(r) L^⋅S^\xi(r)\,\hat{\bm{L}}\cdot\hat{\bm{S}} がこれを破る。L^⋅S^\hat{\bm{L}}\cdot\hat{\bm{S}} は位置とスピンを同時に回したときだけ変わらない量で、J^\hat{\bm{J}} とは可換だが、L^\hat{\bm{L}} や S^\hat{\bm{S}} とは可換でない。どの変換で H^\hat H が変わらないかによって、どの量が保存するかが決まる、という Noether の定理の内容がここでもそのまま現れている。

磁場の中の歳差運動

スピンは磁気モーメント μ^=γS^\hat{\bm{\mu}}=\gamma\hat{\bm{S}} を伴い、一様な磁場 B\bm{B} の中で H^=−μ^⋅B=−γ B⋅S^\hat H=-\hat{\bm{\mu}}\cdot\bm{B}=-\gamma\,\bm{B}\cdot\hat{\bm{S}} のエネルギーを持つ。γ\gamma は磁気回転比で、粒子ごとに決まる定数である。この H^\hat H の Heisenberg 方程式は第4部第3章で解いてあり、式 (4.3.16)・(4.3.17) の

dS^dt=γ S^×B(4.5.22)\frac{\mathrm{d} \hat{\bm{S}}}{\mathrm{d} t}=\gamma\,\hat{\bm{S}}\times\bm{B}\tag{4.5.22}

だった。右辺が S^\hat{\bm{S}} について1次なので、期待値 ⟨S^⟩\langle \hat{\bm{S}} \rangle も同じ方程式に正確に従う。

同じ式は古典の括弧だけからも出る。磁気モーメント γL\gamma\bm{L} を持つ角運動量 L\bm{L} の Hamiltonian は H=−γB⋅LH=-\gamma\bm{B}\cdot\bm{L} で、HH が L\bm{L} だけの関数なので、L\bm{L} の運動方程式は第1部第11章の括弧 {Li,Lj}=∑kϵijkLk\{L_i,L_j\}=\sum_k\epsilon_{ijk}L_k だけで閉じる。位置と運動量に戻らずに、L\bm{L} の3成分を座標とみなしてこの括弧で時間発展を書く形を Lie–Poisson 括弧の形と呼ぶ。計算すると

dLidt={Li,H}=−γ∑jBj{Li,Lj}=−γ∑j,kϵijkBjLk=γ(L×B)i\frac{\mathrm{d} L_i}{\mathrm{d} t}=\{L_i,H\}=-\gamma\sum_{j}B_j\{L_i,L_j\}=-\gamma\sum_{j,k}\epsilon_{ijk}B_jL_k=\gamma(\bm{L}\times\bm{B})_i

となる。式 (4.5.22) と同じ形で、どちらも「角運動量の時間変化はトルク μ×B\bm{\mu}\times\bm{B}」の式である。古典と量子で式が一致するのは、交換関係 (4.5.8) が括弧 {Li,Lj}\{L_i,L_j\} を iℏ\mathrm{i}\hbar 倍しただけのもので、H^\hat H が S^\hat{\bm{S}} について1次なので並べ方の問題も起きないからである。スピン 12\frac12 は r^×p^\hat{\bm{r}}\times\hat{\bm{p}} で書けないが、運動方程式を決めるのは括弧の代数だけなので、L\bm{L} と同じ式に従う。

式 (4.5.22) は dS^dt=(−γB)×S^\frac{\mathrm{d} \hat{\bm{S}}}{\mathrm{d} t}=(-\gamma\bm{B})\times\hat{\bm{S}} とも書けるので、スピンは角速度ベクトル −γB-\gamma\bm{B} で磁場のまわりを回る(Larmor 歳差)。角周波数の大きさは ω0=∣γ∣B\omega_0=\lvert \gamma\rvert B である。周波数の典型値(陽子は 1.5 T1.5\,\mathrm T で約 64 MHz64\,\mathrm{MHz}、電子は 1 T1\,\mathrm T で約 28 GHz28\,\mathrm{GHz})は第4部第3章の例題 4.3.5 で求めた。前者は NMR・MRI、後者は ESR(電子スピン共鳴)で使う周波数の桁である。

回転する磁場と共鳴

zz 向きの強い磁場 B0B_0 に、xyxy 面内で角周波数 ω\omega で回る弱い磁場 B1B_1 を加える。回る向きは歳差と同じ向き(γ>0\gamma>0 なら上から見て時計回り)にとって、

H^(t)=−γB0S^z−γB1(cos⁡ωt S^x−sin⁡ωt S^y)(4.5.23)\hat H(t)=-\gamma B_0\hat S_z-\gamma B_1\bigl(\cos\omega t\,\hat S_x-\sin\omega t\,\hat S_y\bigr)\tag{4.5.23}

とする。時刻に依存するが、cos⁡ωt S^x−sin⁡ωt S^y=V^(t)S^xV^(t)†\cos\omega t\,\hat S_x-\sin\omega t\,\hat S_y=\hat V(t)\hat S_x\hat V(t)^\dagger, V^(t)≔eiωtS^z/ℏ\hat V(t)\coloneqq\mathrm{e}^{\mathrm{i}\omega t\hat S_z/\hbar} と書ける(V^\hat V は zz 軸のまわりの角 −ωt-\omega t の回転で、式 (4.5.5) を有限の角まで積み上げたもの)。そこで状態を ∣ψ(t)⟩=V^(t)∣ϕ(t)⟩| \psi(t) \rangle =\hat V(t)| \phi(t) \rangle と書き、回転する座標での状態 ∣ϕ⟩| \phi \rangle の方程式を作ると、iℏ ddt∣ψ⟩=H^∣ψ⟩\mathrm{i}\hbar\,\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}| \psi \rangle =\hat H| \psi \rangle から

iℏddt∣ϕ⟩=(V^†H^V^−iℏV^†V^˙)∣ϕ⟩=(Δ S^z−ω1S^x)∣ϕ⟩,ω0=γB0,ω1=γB1,Δ=ω−ω0(4.5.24)\mathrm{i}\hbar\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}| \phi \rangle =\bigl(\hat V^\dagger\hat H\hat V-\mathrm{i}\hbar\hat V^\dagger\dot{\hat V}\bigr)| \phi \rangle =\bigl(\Delta\,\hat S_z-\omega_1\hat S_x\bigr)| \phi \rangle , \qquad \omega_0=\gamma B_0,\quad \omega_1=\gamma B_1,\quad \Delta=\omega-\omega_0\tag{4.5.24}

となる。−iℏV^†V^˙=ωS^z-\mathrm{i}\hbar\hat V^\dagger\dot{\hat V}=\omega\hat S_z は、回転する座標に移ったことで加わる項で、回転の生成子 S^z\hat S_z に回転の角速度を掛けた形をしている。古典力学で回転座標に移ると遠心力・Coriolis 力が加わるのと同じ種類の項で、zz 向きの磁場が実質的に B0−ω/γB_0-\omega/\gamma に減ったように見える。

回転する座標の Hamiltonian ΔS^z−ω1S^x=ℏ2(Δσz−ω1σx)\Delta\hat S_z-\omega_1\hat S_x=\frac\hbar2(\Delta\sigma_z-\omega_1\sigma_x) は時刻によらない 2×22\times2 行列で、固有値は ±ℏ2Ω′\pm\frac\hbar2\Omega'、Ω′≔ω12+Δ2\Omega'\coloneqq\sqrt{\omega_1^2+\Delta^2} である。はじめ ∣↑⟩| \uparrow \rangle にあった状態が時刻 tt に ∣↓⟩| \downarrow \rangle にある確率は、2×22\times2 行列の指数関数を計算して

P↑→↓(t)=ω12ω12+Δ2sin⁡2Ω′t2(4.5.25)P_{\uparrow\to\downarrow}(t)=\frac{\omega_1^2}{\omega_1^2+\Delta^2}\sin^2\frac{\Omega't}{2}\tag{4.5.25}

になる(V^\hat V は S^z\hat S_z の固有状態に位相を掛けるだけなので、実験室の座標でも同じ確率)。これを Rabi の式と呼ぶ1I. I. Rabi (1937), Physical Review 51, 652. 回転する磁場の中のスピンの遷移確率を求め、分子線の磁気共鳴の方法の基礎にした。下の脚注へ。共鳴 Δ=0\Delta=0 では、時間 π/ω1\pi/\omega_1(π\pi パルス)でスピンが完全に反転する。共鳴からずれると反転の最大値が ω12/(ω12+Δ2)\omega_1^2/(\omega_1^2+\Delta^2) に下がるので、反転が起きる周波数を探せば ω0=γB0\omega_0=\gamma B_0、すなわち磁場の強さか磁気回転比を測ることができる。光の巻ではこの式を2準位原子と光に当てる(光学と量子エレクトロニクス 第19章)。そこでの Rabi 周波数 Ω\Omega と離調 Δ\Delta が、ここでの ω1\omega_1 と Δ\Delta に対応する。

実際の装置では、回転する磁場の代わりに、コイルで xx 向きに振動する磁場 2B1cos⁡ωt2B_1\cos\omega t を加えることが多い。これは同じ大きさで逆向きに回る2つの磁場B1(cos⁡ωt,−sin⁡ωt)B_1(\cos\omega t,-\sin\omega t) と B1(cos⁡ωt,sin⁡ωt)B_1(\cos\omega t,\sin\omega t) の和である。回転する座標では、前者は止まって見え、後者は角周波数 2ω2\omega で回って見える。後者を捨てると式 (4.5.24) に戻る。これを回転波近似と呼ぶ。捨てた項は角周波数 2ω≈2ω02\omega\approx2\omega_0 で速く振動するので、ω1≪ω0\omega_1\ll\omega_0 なら時間平均すると小さい。図 4.5.3 は ω1/ω0=0.1\omega_1/\omega_0=0.1 で厳密な数値解と比べたもので、ずれは 0.030.03 程度で、速い小さな振動と、共鳴の位置の (ω1/ω0)2(\omega_1/\omega_0)^2 程度のずれ(Bloch–Siegert のずれ2F. Bloch and A. Siegert (1940), Physical Review 57, 522.下の脚注へ)として現れる。ω1/ω0=0.02\omega_1/\omega_0=0.02 ではずれは 0.0050.005 に下がる。

図

図 4.5.3 振動する磁場 2B1cos⁡ωt2B_1\cos\omega t(共鳴 ω=ω0\omega=\omega_0、ω1/ω0=0.1\omega_1/\omega_0=0.1)でのスピンの反転確率。回転波近似(実線)は π/ω1\pi/\omega_1 で完全に反転する。厳密な解(点線、Schrödinger 方程式の数値積分。scripts/verify_ch4-05.py)は、逆回りの成分による速い小さな振動を伴い、ずれは最大 0.0260.026

近似の裏付け

型 B(極限) | 小さいもの ω1/ω0→0\omega_1/\omega_0\to0(振動磁場の強さを歳差の角周波数で測った比。∣Δ∣/ω0\lvert \Delta\rvert /\omega_0 も小さくとる) | 証明 条件付き(逆回りの成分を時間平均で捨てる平均化の近似で、誤差 O(ω1/ω0)\mathcal{O}(\omega_1/\omega_0) が保証されるのは時間 O(1/ω1)\mathcal{O}(1/\omega_1) まで) | 行き先 近似の数理 第7章

例題 4.5.5 陽子の π\pi パルスと、共鳴からずれたときの反転 ★★

オリジナル水の中の陽子を B0=1.5 TB_0=1.5\,\mathrm T の磁場に置き、振幅 B1=10 μTB_1=10\,\mu\mathrm T の回転磁場を加える。

  1. (1) 共鳴の周波数 ω0/(2π)\omega_0/(2\pi) と、スピンを反転させる π\pi パルスの長さを求めよ。
  2. (2) 磁場の周波数を共鳴から Δ=ω1\Delta=\omega_1 だけずらすと、反転の確率の最大値はいくらか。そのときの最初の最大はいつ来るか。
  3. (3) 磁場の周波数を固定して B0B_0 のほうを変えて共鳴を探すとき、反転の確率が最大値の半分以上になる B0B_0 の幅を求めよ。
解答

(1) ω0/(2π)=42.58 MHz T−1×1.5 T=63.87 MHz\omega_0/(2\pi)=42.58\,\mathrm{MHz\,T^{-1}}\times1.5\,\mathrm T=63.87\,\mathrm{MHz}。ω1=γpB1=2.675×108×10−5=2675 s−1\omega_1=\gamma_{\mathrm p}B_1=2.675\times10^8\times10^{-5}=2675\,\mathrm{s^{-1}} で、π\pi パルスの長さは π/ω1=1.17 ms\pi/\omega_1=1.17\,\mathrm{ms}。ω1/ω0=2675/(4.013×108)=6.7×10−6\omega_1/\omega_0=2675/(4.013\times10^8)=6.7\times10^{-6} と非常に小さいので、振動磁場を使っても回転波近似の誤差は無視することができる。

(2) 式 (4.5.25) で Δ=ω1\Delta=\omega_1 なら ω12/(ω12+Δ2)=12\omega_1^2/(\omega_1^2+\Delta^2)=\tfrac12 で、最大値は 1/21/2。Ω′=2 ω1\Omega'=\sqrt2\,\omega_1 なので、最初の最大はΩ′t=π\Omega't=\pi、t=π/(2ω1)=0.83 mst=\pi/(\sqrt2\omega_1)=0.83\,\mathrm{ms} に来る。

(3) 最大値 ω12/(ω12+Δ2)\omega_1^2/(\omega_1^2+\Delta^2) が 1/21/2 以上になるのは ∣Δ∣≤ω1\lvert \Delta\rvert \le\omega_1 のときである。Δ=ω−γB0\Delta=\omega-\gamma B_0 なので、B0B_0 の幅は2ω1/γp=2B1=20 μT2\omega_1/\gamma_{\mathrm p}=2B_1=20\,\mu\mathrm T で、1.5 T1.5\,\mathrm T に対する割合は 1.3×10−51.3\times10^{-5} である。B1B_1 を弱くするほど共鳴の幅が狭くなり、B0B_0 を精密に測れる(その代わり π\pi パルスは長くなる)。

例題 4.5.6 スピン軌道相互作用で保存する量 ★★

オリジナルl=1l=1 の軌道とスピン 12\tfrac12 を持つ電子の6つの状態を考え、H^′=ξ L^⋅S^\hat H'=\xi\,\hat{\bm{L}}\cdot\hat{\bm{S}}(ξ\xi は定数)とする。

  1. (1) [L^⋅S^, L^z]\left[\hat{\bm{L}}\cdot\hat{\bm{S}},\,\hat L_z\right] と [L^⋅S^, S^z]\left[\hat{\bm{L}}\cdot\hat{\bm{S}},\,\hat S_z\right] を求め、J^z=L^z+S^z\hat J_z=\hat L_z+\hat S_z は保存するが L^z\hat L_z と S^z\hat S_z は保存しないことを示せ。
  2. (2) L^⋅S^=12(J^ 2−L^ 2−S^ 2)\hat{\bm{L}}\cdot\hat{\bm{S}}=\frac12(\hat{\bm{J}}^{\,2}-\hat{\bm{L}}^{\,2}-\hat{\bm{S}}^{\,2}) を使って H^′\hat H' の固有値と縮退の数を求めよ。J^ 2\hat{\bm{J}}^{\,2} のとる値は j=32,12j=\tfrac32,\tfrac12 とする。
解答

(1) S^\hat{\bm{S}} と L^\hat{\bm{L}} は可換なので、[L^⋅S^, L^z]=∑i[L^i, L^z]S^i=−iℏL^yS^x+iℏL^xS^y=iℏ(L^xS^y−L^yS^x)\left[\hat{\bm{L}}\cdot\hat{\bm{S}},\,\hat L_z\right]=\sum_i\left[\hat L_i,\,\hat L_z\right]\hat S_i=-\mathrm{i}\hbar\hat L_y\hat S_x+\mathrm{i}\hbar\hat L_x\hat S_y=\mathrm{i}\hbar(\hat L_x\hat S_y-\hat L_y\hat S_x)。同じ計算で [L^⋅S^, S^z]=iℏ(L^yS^x−L^xS^y)\left[\hat{\bm{L}}\cdot\hat{\bm{S}},\,\hat S_z\right]=\mathrm{i}\hbar(\hat L_y\hat S_x-\hat L_x\hat S_y) となり、和は 00。L^⋅S^\hat{\bm{L}}\cdot\hat{\bm{S}} は2つのベクトル演算子の内積なので、両方を同時に回す J^\hat{\bm{J}} についてはスカラーで、片方だけを回す L^\hat{\bm{L}} や S^\hat{\bm{S}} についてはスカラーでない。定理 4.5.2 から、保存するのは J^z\hat J_z だけである。

(2) L^ 2=2ℏ2\hat{\bm{L}}^{\,2}=2\hbar^2, S^ 2=34ℏ2\hat{\bm{S}}^{\,2}=\tfrac34\hbar^2 なので、j=32j=\tfrac32 では 12(154−2−34)ℏ2=12ℏ2\frac12(\tfrac{15}4-2-\tfrac34)\hbar^2=\tfrac12\hbar^2、j=12j=\tfrac12 では 12(34−2−34)ℏ2=−ℏ2\frac12(\tfrac34-2-\tfrac34)\hbar^2=-\hbar^2。固有値は 12ξℏ2\tfrac12\xi\hbar^2(2j+1=42j+1=4 重)と −ξℏ2-\xi\hbar^2(2重)で、合計 66 個の状態と合う。6×66\times6 の行列を数値で対角化しても同じ値になる(scripts/verify_ch4-05.py)。6重の縮退が 4+24+2 に分かれ、それぞれの準位の縮退は J^\hat{\bm{J}} の 2j+12j+1 重として残る。

ほかの巻では

1 I. I. Rabi (1937), Physical Review 51, 652. 回転する磁場の中のスピンの遷移確率を求め、分子線の磁気共鳴の方法の基礎にした。

2 F. Bloch and A. Siegert (1940), Physical Review 57, 522.

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

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