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出てくるもの (2):結合定数のくりこみと有限な散乱

2026年10月15日11分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第5部 第10章 くりこみ
目次
  1. 4点の頂点
  2. 測る で書き直す
  3. 予言は足場によらない
  4. くりこみ可能性
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部 第10章 §5.10.4 ★★★ 4点の頂点は λ0−λ22[B(s)+B(t)+B(u)]\lambda_0-\frac{\lambda^2}{2}[B(s)+B(t)+B(u)]。発散は ln⁡Λ\ln\Lambda だけで、測る λ\lambda で書くと Λ\Lambda が消える。残る ln⁡\ln が結合の運動量依存

4点の頂点

有効ポテンシャルの ϕˉ4\bar\phi^4 の係数は、外線の運動量がすべて 00 の4点の頂点に等しい。外線の運動量を一般にするには、Tr⁡ln⁡\operatorname{Tr}\ln を ϕˉ(x)\bar\phi(x) の2次まで展開した−14Tr⁡(Gλ2ϕˉ2Gλ2ϕˉ2)-\frac14\operatorname{Tr}\bigl(G\frac\lambda2\bar\phi^2G\frac\lambda2\bar\phi^2\bigr)(G=(−∂2+m2)−1G=(-\partial^2+m^2)^{-1})を運動量で書けばよい。4本の外線を2本ずつの対に分ける仕方が3通りあり、Euclid の運動量で s=(k1+k2)2s=(k_1+k_2)^2, t=(k1+k3)2t=(k_1+k_3)^2, u=(k1+k4)2u=(k_1+k_4)^2(運動量はすべて流れ込む向き)とおくと

Γ(4)(ki)=λ0−λ22[B(s)+B(t)+B(u)]+O(λ3)(5.10.18)\Gamma^{(4)}(k_i)=\lambda_0-\frac{\lambda^2}{2}\bigl[B(s)+B(t)+B(u)\bigr]+\mathcal{O}(\lambda^3)\tag{5.10.18}

になる(1ループでは Z=1Z=1 なので δλ=λ0−λ\delta_\lambda=\lambda_0-\lambda)。ki=0k_i=0 なら −32λ2B(0)-\frac32\lambda^2B(0) で、有効ポテンシャルの係数 −λ216⋅4!=−32λ2-\frac{\lambda^2}{16}\cdot4!=-\frac32\lambda^2 と一致する。

B(0)B(0) は第5部第8章の泡の積分 BB と同じ積分で、切断した値は第8章の式 (5.8.17) で求めた。

B(0)=116π2[ln⁡(1+Λ2m2)−Λ2Λ2+m2](5.10.19)B(0)=\frac{1}{16\pi^2}\Bigl[\ln\Bigl(1+\frac{\Lambda^2}{m^2}\Bigr)-\frac{\Lambda^2}{\Lambda^2+m^2}\Bigr]\tag{5.10.19}

で、ln⁡Λ\ln\Lambda で発散する。外線2本の D=2D=2 に対し、外線4本の D=4−4=0D=4-4=0 が対数の発散にあたる。p≠0p\ne0 では Feynman のパラメータ xx で分母をまとめ、kk をずらしてから積分すると

B(0)−B(p2)=116π2 b(p2),b(s)≔∫01ln⁡(1+x(1−x)sm2)dx(5.10.20)B(0)-B(p^2)=\frac{1}{16\pi^2}\,b(p^2),\qquad b(s)\coloneqq\int_0^1\ln\Bigl(1+x(1-x)\frac{s}{m^2}\Bigr)\mathrm{d} x\tag{5.10.20}

を得る(Λ→∞\Lambda\to\infty の極限。対数発散の積分では積分変数をずらしても Λ→∞\Lambda\to\infty で差が消える)。bb は第9章の FF(式 (5.9.14))で b(s)=F(s/m2)b(s)=F(s/m^2) である。差は有限で、発散は pp によらない B(0)B(0) にだけある。閉じた形は βs=1+4m2/s\beta_s=\sqrt{1+4m^2/s} として b(s)=−2+βsln⁡βs+1βs−1b(s)=-2+\beta_s\ln\frac{\beta_s+1}{\beta_s-1}、大きな ss では b(s)≈ln⁡sm2−2b(s)\approx\ln\frac{s}{m^2}-2 である(図 5.10.2)。

測る λ\lambda で書き直す

条件 (5.10.12) の第2式は λ=λ0−32λ2B(0)\lambda=\lambda_0-\frac32\lambda^2B(0)、つまり δλ=32λ2B(0)\delta_\lambda=\frac32\lambda^2B(0) を要求する。これを式 (5.10.18) に入れると

Γ(4)(ki)=λ+λ232π2[b(s)+b(t)+b(u)]+O(λ3)(5.10.21)\Gamma^{(4)}(k_i)=\lambda+\frac{\lambda^2}{32\pi^2}\bigl[b(s)+b(t)+b(u)\bigr]+\mathcal{O}(\lambda^3)\tag{5.10.21}

になる。Λ\Lambda は消えた。測る結合定数 λ\lambda と測る質量 mm を与えれば、どの運動量の配置の4点の頂点も有限の数として予言される。これが、くりこみによって理論が予言を持つ、ということの中身である。

式 (5.10.21) は外線の運動量が大きいほど大きくなる。s=t=u=μ2≫m2s=t=u=\mu^2\gg m^2 の点で頂点を測って λμ\lambda_\mu と呼ぶと

λμ=λ+3λ232π2b(μ2)≈λ+3λ232π2(ln⁡μ2m2−2)(5.10.22)\lambda_\mu=\lambda+\frac{3\lambda^2}{32\pi^2}b(\mu^2)\approx\lambda+\frac{3\lambda^2}{32\pi^2}\Bigl(\ln\frac{\mu^2}{m^2}-2\Bigr)\tag{5.10.22}

で、短い距離(大きな運動量)で見るほど結合は強く見える。μ\mu による変化率は μdλμdμ≈3λ216π2\mu\frac{\mathrm{d} \lambda_\mu}{\mathrm{d} \mu}\approx\frac{3\lambda^2}{16\pi^2} で、これが第5部第11章で扱う ϕ4\phi^4 の β\beta 関数の1ループの係数になる。

図

図 5.10.2 4点の頂点の運動量依存を決める関数 b(s)b(s)。s≪m2s\ll m^2 では b≈s/(6m2)b\approx s/(6m^2) で 00 に近づき、s≫m2s\gg m^2 では ln⁡s\ln s に比例して増える。くりこんだ頂点 (5.10.21) は、3つの bb の和に λ2/(32π2)\lambda^2/(32\pi^2) を掛けた分だけ λ\lambda より大きい

予言は足場によらない

次元正則化で同じ計算をすると B(p2)=116π2[2ϵ−γE+ln⁡4π−∫01ln⁡m2+x(1−x)p2μ2dx]B(p^2)=\frac{1}{16\pi^2}\bigl[\frac{2}{\epsilon}-\gamma_{\mathrm E}+\ln4\pi-\int_0^1\ln\frac{m^2+x(1-x)p^2}{\mu^2}\mathrm{d} x\bigr] となり、B(0)B(0) の値は切断のときと違うが、差 B(0)−B(p2)B(0)-B(p^2) はやはり b(p2)/(16π2)b(p^2)/(16\pi^2) である。したがって式 (5.10.21) はそのまま成り立つ。くりこみの条件を別の点で課しても(たとえば λμ\lambda_\mu を測る量に選んでも)、式 (5.10.21) は

Γ(4)(ki)=λμ+λμ232π2[b(s)+b(t)+b(u)−3b(μ2)]+O(λμ3)\Gamma^{(4)}(k_i)=\lambda_\mu+\frac{\lambda_\mu^2}{32\pi^2}\bigl[b(s)+b(t)+b(u)-3b(\mu^2)\bigr]+\mathcal{O}(\lambda_\mu^3)

と書き換わるだけで、2つの頂点の値の関係は変わらない。足場の選び方とくりこみの点の選び方は、測る量どうしのこの関係に入らない。

くりこみ可能性

カウンター項が式 (5.10.5) の3つで足りたのは、4次元の ϕ4\phi^4 理論の図の表面的発散次数が外線の本数 EE だけで D=4−ED=4-E と決まり(第5部第8章の式 (5.8.24)。結合定数が無次元 [λ]=0[\lambda]=0 であること〔式 (5.8.25)〕による。超くりこみ可能・可能・不可能の分類も第8章で行った)、頂点の数によらないからである。D≥0D\ge0 になるのは E=2E=2(D=2D=2)と E=4E=4(D=0D=0)だけで、EE が奇数の頂点は ϕ→−ϕ\phi\to-\phi の対称性で 00 になる。E=2E=2 の発散は Λ2\Lambda^2 と k2ln⁡Λk^2\ln\Lambda の形しかとれず、δm\delta_m と δZ\delta_Z で吸収することができる。E=4E=4 の発散は運動量によらない定数で、δλ\delta_\lambda で吸収することができる。部分の図の中に発散がある多ループの図も、部分ごとにカウンター項を入れれば有限になり、これが摂動のすべての次数で成り立つことは Bogoliubov・Parasiuk・Hepp・Zimmermann によって示された(BPHZ の定理)1N. N. Bogoliubov and O. S. Parasiuk (1957), Acta Math. 97, 227;K. Hepp (1966), Commun. Math. Phys. 2, 301;W. Zimmermann (1969), Commun. Math. Phys. 15, 208。下の脚注へ。

これに対し、g66!ϕ6\frac{g_6}{6!}\phi^6 の項を足すと、ϕ6\phi^6 の頂点を V6V_6 個含む図は D=4−E+2V6D=4-E+2V_6 を持ち、頂点を増やすほど発散が強くなる。外線の本数がいくつでも発散する図があるので、無限個のカウンター項(無限個の測る量)が要る。この種の理論をくりこみ不可能と呼ぶ。くりこみ不可能な項の係数は質量の負のべきの次元を持ち(g6g_6 は質量−2^{-2})、エネルギー EE での寄与は (E/Λ)2(E/\Lambda)^2 のように抑えられる。くりこみ可能な理論とは、切断よりずっと低いエネルギーで見たときに残る項だけを持つ理論、と読むこともでき、この見方は次の章のくりこみ群で式になる。

近似の裏付け

型 B(極限) | 小さいもの λ/(16π2)→0\lambda/(16\pi^2)\to0(くりこんだ結合の摂動展開。大きな運動量では 3λ32π2ln⁡(s/m2)\frac{3\lambda}{32\pi^2}\ln(s/m^2) も小さいことが要る) | 証明 未解決(4次元の ϕ4\phi^4 では級数の収束も、切断を外した理論の存在も示されていない。Aizenman と Duminil-Copin(2021、Ann. Math. 194、163)は格子の ϕ44\phi^4_4 の連続極限が自由場になることを示した) | 行き先 近似の数理 第7章

例題 5.10.4 くりこんだ4点の頂点を数で出す ★★

オリジナルλ=0.5\lambda=0.5 とし、条件 (5.10.12) で λ\lambda を定める。

  1. (1) b(s)b(s) の閉じた形を使って b(100m2)b(100m^2) を求めよ。
  2. (2) 外線の運動量の配置が s=t=u=100m2s=t=u=100m^2 のときの Γ(4)\Gamma^{(4)} を1ループで求め、λ\lambda からのずれの割合を答えよ。
  3. (3) b(s)b(s) の小さい ss での振る舞い b(s)≈s6m2b(s)\approx\frac{s}{6m^2} を示し、運動量が小さい散乱ではくりこみの点の選び方の違いが s/m2s/m^2 の程度に抑えられることを述べよ。
解答

(1) βs=1+4/100=1.0198\beta_s=\sqrt{1+4/100}=1.0198、ln⁡βs+1βs−1=ln⁡2.01980.0198=4.6249\ln\frac{\beta_s+1}{\beta_s-1}=\ln\frac{2.0198}{0.0198}=4.6249 で、b=−2+1.0198×4.6249=2.716b=-2+1.0198\times4.6249=2.716。近似式 ln⁡100−2=2.605\ln100-2=2.605 より 4%4\% 大きい。

(2) Γ(4)=0.5+0.2532π2×3×2.716=0.5+0.00645=0.5065\Gamma^{(4)}=0.5+\frac{0.25}{32\pi^2}\times3\times2.716=0.5+0.00645=0.5065。ずれの割合は 1.29%1.29\% である。3λ32π2=4.75×10−3\frac{3\lambda}{32\pi^2}=4.75\times10^{-3} と ln⁡\ln の積が小さいので、1ループで十分である。

(3) ln⁡(1+y)≈y\ln(1+y)\approx y で b(s)≈sm2∫01x(1−x)dx=s6m2b(s)\approx\frac{s}{m^2}\int_0^1x(1-x)\mathrm{d} x=\frac{s}{6m^2}。運動量が mm より小さい散乱では bb が s/m2s/m^2 の程度で、条件を ki=0k_i=0 で課すか s∼m2s\sim m^2 の点で課すかの違いは、λ\lambda の値の λ32π2⋅sm2\frac{\lambda}{32\pi^2}\cdot\frac{s}{m^2} の程度の違いにしかならない。

1 N. N. Bogoliubov and O. S. Parasiuk (1957), Acta Math. 97, 227;K. Hepp (1966), Commun. Math. Phys. 2, 301;W. Zimmermann (1969), Commun. Math. Phys. 15, 208。

木下の勉強ステータス

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