この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部 第12章 §5.12.7 ★★★ 真空は正の振動数の選び方で決まり、指数関数で結ばれた2つの時間座標の Bogoliubov 係数から Planck 分布が出る。加速度なら Unruh、表面重力なら Hawking、虚時間の周期でも同じ温度が出る
この章では、曲がった時空のスカラー場の作用 (5.12.1) を選び、2次元に限って共形平坦な座標で場の方程式を平坦な波動方程式にした。場の方程式が同じでも、どの時間座標の振動数を正とするかで粒子と真空の定義が変わり、2つの定義は Bogoliubov 変換 (5.12.17) で結ばれる。その規格化を決める Klein–Gordon 内積は場の相空間のシンプレクティック形式で、Bogoliubov 変換は線形の正準変換である。
一様に加速する観測者の光的座標 と Minkowski の は と指数関数で結ばれ、Bogoliubov 係数は を満たす。そこから Minkowski 真空が温度 の熱浴に見えることが出た(Unruh 効果)。Schwarzschild の外向きの と地平面でなめらかな Kruskal の も同じ形で結ばれ、加速度を表面重力 に替えるだけで、崩壊でできたブラックホールが温度 の放射を出すことが出た(Hawking 放射)。時刻を虚数にした計量が地平面でなめらかである条件からも、同じ温度が虚時間の周期として出た。Euclid の作用から が出て、第2部第19章の4法則は熱力学の4法則そのものになった。熱容量は負で、ブラックホールは に比例する時間で蒸発する。外に出る放射は地平面の内側の相手と対になっていて、外だけを見ると熱的な混合状態である。この性質に関わる情報の問題は相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第7部で扱う。
要点
- 2次元の質量のない場は共形不変で、Rindler・Schwarzschild の 平面でも解は 。違いは正の振動数の選び方だけに残る。
- Bogoliubov 係数 が0でなければ、古い真空は新しい粒子を 個含む。
- から 、粒子数 、。
- で 。虚時間の周期 でも同じ。
- から 、、、。
総合問題 質量 kg のブラックホール ★★★
オリジナル質量 のブラックホール(回転なし)を考える。定数は CODATA 2018 の値(、、)を使い、、1年 とする。
- (1) Schwarzschild 半径 、表面重力 、Hawking 温度 と (MeV)を求めよ。(使う道具:5.12.4節/第2部第19章の表面重力)
- (2) Euclid 化した計量で地平面がなめらかになる虚時間の周期を秒で求め、 と一致することを確かめよ。(使う道具:5.12.5節/第5部第1章の虚時間の周期)
- (3) と熱容量 を求めよ。また、質量が だけ減ったとき、 が成り立つことを示せ。(使う道具:5.12.5節/第3部第4章の )
- (4) 光子の黒体として見積もった放射の強さ と寿命 (年)を求めよ。(使う道具:5.12.5節)
- (5) 半径 に止まる観測者を考える。この観測者の固有加速度 、自分の加速度による Unruh 温度 、Hawking 放射を局所的に測った温度 を求め、2つの温度の比を答えよ。(使う道具:5.12.3節・5.12.4/第2部第11章の重力赤方偏移)
解答
(1) (陽子の半径の約5分の1)。。、。3次元の黒体のエネルギーの分布は で最大になり、主な放射はガンマ線である。
(2) 式 (5.12.35) から周期は 。 で一致する。式の上でも である。
(3) 。。 なので で、
質量が減れば も減る。放射のエントロピーを足すと全体のエントロピーは減らない(一般化第二法則。相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第7部第1章で扱う)。
(4) 式 (5.12.40) から 。式 (5.12.41) から 年。 では電子・ミュー粒子・ニュートリノなども放射されるので、実際の寿命はこれより短い(5.12.5)。
(5) 。 で、 から、。。Hawking 放射の局所的な温度は 。比は で、地平面から離れると、止まる観測者の温度は自分の加速度だけでは説明できなくなる。地平面に近づくと比は1に近づく(5.12.4)。
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