この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第1部 第11章 §1.11.7 ★★★ 生成子 による変化は 。時間発展・保存量・有限の変換・変換の合成をすべて括弧で書き、量子力学では括弧が交換子になる
生成子 が相空間の点を動かすとき、関数 の値の変化は で、Poisson 括弧 は連鎖律だけで決まる式 (1.11.2) である。基本の括弧は で、括弧は反対称性・線形性・Leibniz 則・Jacobi 恒等式を満たす。この代数を使えば、角運動量の括弧 のような計算を偏微分に戻さずに行うことができる。時間発展は の場合で、 になる。反対称性から、時間を陽に含まない について「保存量であること」と「 が生成する変換で が変わらないこと」はどちらも で、これが Hamilton 形式の Noether の定理である。保存量どうしの括弧も保存量になる(Poisson の定理)。有限の変換は、括弧を何重にも重ねた Lie 級数 で表される。2つの変換を順に行って戻ると、 の生成する変換の分だけ元の点から外れる。量子力学では、括弧を に置き換えると、この章の式がそのまま Heisenberg の運動方程式・ユニタリ変換・角運動量の交換関係になる。
次の章(第1部第12章)では、括弧の値を変えない座標の取り替えを正準変換として扱う。時間発展そのものが正準変換の連続であることは、この章の Lie 級数を括弧に当てて確かめることになる。Berry 曲率があると、運動量と座標の括弧が の形からずれる場合が出てくる(第4部第11章)。
この章の道具
- 定義:、。生成子による変化は 。
- 代数:反対称性・線形性・Leibniz 則・Jacobi 恒等式。
- 時間発展:。 は保存 の変換で は不変。
- 有限の変換:。
- 合成:。量子力学では 。
総合問題 2次元の等方的な調和振動子の隠れた対称性 ★★★
オリジナル第1部第9章の1.9.7節の総合問題の続き。下の はそこで見つけた に当たる。平面上の質量 の粒子が で運動する。, として、
とおく。
- (1) (使う道具:1.11.3節/第1部第8章), , を求め、, , が保存量であることを示せ。
- (2) (使う道具:1.11.1節/第1部第9章) が生成する無限小変換 を書け。これが座標だけの変換 の形をしていないことを確かめよ。
- (3) (使う道具:1.11.2節), , を求め、, , が角運動量と同じ括弧 (巡回)を満たすことを示せ。
- (4) (使う道具:1.11.3節の Poisson の定理) と が保存量であることだけから、 が保存量であることを導け。
- (5) (使う道具:1.11.4節) の流れで角度 だけ回転したときの と の値を Lie 級数で求め、 が角度 で回転することを示せ。
- (6) (使う道具:1.11.3節/第1部第10章) を示し、時刻 で , , , ()のとき、 の値を求めよ。
解答
(1) で、 は だけ、 は だけを含むので 。よって 。 は第9章の総合問題 (3) の そのもので、そこで を示したので である。 は , (1.11.2節の例題 (2))から 。どれも時間を陽に含まないので、式 (1.11.10) から保存量である。第1部第8章の Hamilton 方程式を解かなくても、括弧だけで保存が分かる。
(2) , , , 。 方向は時間発展と同じ向き、 方向は逆向きに少しだけ動かす変換で、 が運動量 を含むので、第1部第9章の座標だけの変換 の形ではない。この対称性は配位空間の変換としては現れず、相空間で初めて変換として書くことができる。
(3) 直接計算すると(Leibniz 則と基本の括弧)
たとえば は、Leibniz 則で 、同様に となるので、 と出る。両辺を で割ると , , で、式 (1.11.9) と同じ形である。
(4) Poisson の定理 1.11.4 から、 と が保存量なら も保存量である。(3) から なので、 も保存量である。
(5) 、。 を当てるたびに となるので、Lie 級数の偶数番目と奇数番目を分けて足すと
は角度 で回転する。 と は , と同じく、座標の2次式で作った量なので、平面を 回転すると 回転する( で元に戻る)。
(6) を展開して を足すと、 に等しくなる(交差項 などが と組み合わさって打ち消し合う)。与えられた初期値では , なので
確かに である。この初期値の軌道は , の楕円で、 は面積速度(角運動量)にあたり、 と の値から楕円の軸の向きと2つの軸の長さの差が決まる。回転の対称性から出る保存量 (第1部第10章)だけでは軌道の形は決まらず、 と の2つが加わって楕円の軸の向きまで決まる。
木下の勉強ステータス
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