この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部 第16章 §2.16.7 ★★★ を解いて計量を決め、その上で第1部の Noether と有効ポテンシャルを当てると、太陽系の検証がすべて の1次の量として出る
この章で選んだものは、物質の無い球対称な領域の真空の Einstein 方程式 である。球対称と無限遠での平坦さを課すと、Ricci テンソルの3成分から と の2つの式が出て、積分定数を Newton 極限で決めると Schwarzschild 計量 (2.16.10) が得られた。Birkhoff の定理により、球対称なら静的という仮定は要らない。
この計量の上の運動には、第2部第12章の Lagrangian を当てた。計量が と によらないので、Noether の定理でエネルギー と角運動量 が保存し、動径の運動は有効ポテンシャル の1次元運動になる。Newton との違いは最後の1項だけで、軌道の式では になる。この項を摂動として扱うと、質量のある粒子では共鳴によって永年項が出て、それが近日点の回転 を表す(水星で 1 世紀に 、観測 )。光では共鳴が無く、無限遠の向きがずれるだけで、そのずれが曲がり角 になる(太陽の縁で )。光の曲がりは、屈折率 の Fermat の原理からも出て、その半分は 、半分は空間の曲がり による。同じ屈折率から Shapiro 遅延と重力レンズのレンズ方程式も出る。
と では何が起きるか、つまり Schwarzschild 半径が座標の特異点にすぎないこと、光子球、円軌道が不安定になる は、第2部第17章で扱う。連星パルサーの近星点の移動は同じ (2.16.21) の強い場の版で、公転周期の減少とともに第2部第18章で扱う。
総合問題 地球の軌道の時計と近日点を、円に近い軌道の振動から読む ★★★
オリジナル太陽()のまわりの Schwarzschild 計量 (2.16.10) の赤道面で、半径 の円軌道とそれに近い軌道を考える。 とおく。
- (1) (使う道具:第2部第12章・2.16.2 節) から と が保存することを示し、円軌道の と、公転の角振動数 (固有時あたり)を で表せ。
- (2) (使う道具:第2部第11章・例題 2.16.2)円軌道を回る時計の進み が であることを示せ。地球の軌道(、地球自身の重力は無視)の時計は、遠方の時計に比べて1年()で何秒遅れるか。
- (3) (使う道具:第2部第1章・第1部第8章)円軌道のまわりの小さな動径の振動の角振動数 (固有時あたり)を から求め、 が厳密に成り立つことを示せ。
- (4) (使う道具:2.16.3 節)(3) から、円に近い軌道の近日点が1周に 進むことを導き、 で (2.16.21) の の値と一致することを確かめよ。地球の軌道(、、公転周期 日)で、1 世紀( 日)あたりの近日点の進みを (2.16.21) で求めよ。
- (5) (使う道具:第2部第17章への予告) が負になる半径を求め、そのとき円軌道に何が起きるか述べよ。 倍の太陽質量の中性子星では、その半径は何 km か。
解答
(1) は と を含まないので、Euler–Lagrange 方程式 、 から と が一定である(第1部第10章の循環座標の Noether の定理)。円軌道は例題 2.16.2 の (1) より 。 なので
(2) 規格化 (2.16.11) を で割ると、円軌道()では 。例題 2.16.2 の (2) の 、つまり を入れて 。このうち は重力の位置による遅れ(第2部第11章の重力赤方偏移)、 は速さ による特殊相対論の遅れである。地球の軌道では で、。1年で 遅れる。
(3) 。 を入れると
(1) の で割ると で、近似を使っていない。Newton の場合()は で、動径の振動1回と公転1回が同じ時間で終わるので軌道が閉じる(第1部第8章の )。
(4) 動径の振動の1周期 の間に は 進む。近日点から近日点までの角度がこれなので、1周あたりの進みは 。 で なので (2.16.21) は となり一致する。地球の軌道では1周に 、1 世紀に 周するので である。
(5) となるのは 、すなわち 。この内側では円軌道のまわりの小さなずれが指数関数的に増え、円軌道は不安定になる。 は安定な円軌道の最も内側(最内安定円軌道)で、第2部第17章で扱う。 の中性子星では で、太陽では と太陽の内部に埋もれて意味を持たない。
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