橋:密度行列と位相空間の辞書
AI 生成・木下が未勉強
量子力学の様々な構成方法 第5部 第2章 §5.2.6 ★★★ 密度行列 ↔ 位相空間の橋を辞書の形にまとめる。両向きの証明はこの章の 5.2.2〜5.2.3 節
辞書
計画の同値性の地図で、この章は「密度行列 ↔ 位相空間」の橋に当たる。その橋の中身をこの章で示した対応として並べると、次の表になる。左の列は第4部(第4部第1章)の要請 (D1)〜(D5) の言葉、右の列が位相空間の言葉である。
橋の両向きは次のとおりにそろった。密度行列から位相空間へは、 が実数値・規格化・(iii) の条件を満たす関数に写り、どの期待値も で計算することができる。位相空間から密度行列へは、(i)〜(iii) を満たす関数から (5.2.8) で密度行列を作ることができ、その期待値も同じ式で与えられる(定理 5.2.6)。同じ実験の予言(すべての物理量の期待値と、射影 の記号を使った確率 )が両方の構成で一致するので、2つの構成は同値である。
図 5.2.3 この章が架けた橋(上の横の双方向の矢印)と、その周りの橋。実線の横の矢印が Weyl 対応の両向き、破線は描像の変換と、2次以下のハミルトニアンでの古典との一致(命題 5.2.8)。
ほかの部の言葉との対応
正準量子化の「順序の曖昧さ」(第2部第2章)は、位相空間の構成では「物理量にどの関数を割り当てるか」の問題として現れる。Weyl 対応はその選択を (5.2.15) の対称な平均に固定しており、それが状態の側の Wigner 変換と同じ変換になっているため、トレースの公式 (5.2.10) が「関数の積の積分」という対称な形になる。正規順序・反正規順序を選ぶと、状態の側は別の準確率分布(Glauber–Sudarshan の ・Husimi の )になり、期待値の式は と について対称でなくなる(第5部第6章)。
学部の量子力学の授業では、期待値を と書き、 に と が混ざるときは演算子の並べ方を指定してから微分を作用させる。この章の言葉では、その並べ方を指定した演算子の Weyl 記号を作り、 と掛けて積分しても同じ値になる。たとえば は学部の形では で、位相空間では である。
トレースの公式からは、直交する2つの状態の Wigner 関数についても1つの制約が出る。 なら (5.2.12) から で、両方が至る所で非負ならこの積分は正になるので、少なくとも一方は負の値を取る。負の値の意味は 第5部第4章で扱う。
例題 5.2.8 直交する状態の は重ねると打ち消し合う ★★
オリジナル の調和振動子の基底状態と第1励起状態の Wigner 関数は、 である(共通例題①の )。
- (1) を示せ。
- (2) を示し、 が純粋状態であることと照合せよ。
解答
極座標 を使うと 。 と置換すると 、 なので、つまり で である。
(1) なので
は至る所で正なので、 は負の値を取らなければこの積分を にすることはできない。実際 は の円板の中で負である。
(2) で、
(5.2.12) から で、 が純粋状態であることと一致する。
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