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この章のまとめ

2026年10月15日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第4部 第4章 磁場中の電子

AI 生成・木下が未勉強

ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第4部 第4章 §4.4.7 ★★★ 磁場はエネルギーを変えずに軌道を曲げる。古典の軌道は Hall 係数と磁気抵抗で密度と符号と移動度を、量子化した軌道は振動の周期と振幅で Fermi 面の面積と質量と寿命を測る

この章では、バンドの電子に一様な磁場を Peierls 置換で入れたハミルトニアンを選んだ。面内の運動は調和振動子になり、エネルギーは ℏωc(ν+12)\hbar\omega_{\mathrm c}(\nu+\frac12) の Landau 準位に、面積あたり eB/heB/h ずつ束ねられる。出てくる現象は、ωcτ\omega_{\mathrm c}\tau と ℏωc/kBT\hbar\omega_{\mathrm c}/ k_{\mathrm B} T の2つの比で分かれる。

軌道を古典的に扱える範囲では、Drude の運動方程式から伝導度がテンソルになる。キャリアが1種類なら抵抗率は磁場によらず、Hall 係数 RH=1/(nq)R_{\mathrm H}=1/(nq) は τ\tau によらずに密度と電荷の符号を決める。2種類あると、1つの Hall 電場では両方の Lorentz 力を打ち消せないので磁気抵抗が生じ、Hall 係数は弱い磁場では移動度の2乗の重みの平均を、強い磁場では正味の電荷の密度を測る。電子と正孔が同数の半金属では抵抗が B2B^2 で増え続ける。

軌道の量子化が見える範囲では、Landau 準位が Fermi 準位を横切るたびに磁化と抵抗が振動する。周期は 1/B1/B で測って 2πe/(ℏAext)2\pi e/(\hbar\mathcal A_{\mathrm{ext}}) で、Fermi 面の極値断面積だけで決まる。振幅には温度の因子 X/sinh⁡XX/\sinh X、散乱の因子 e−π/ωcτq\mathrm{e}^{-\pi/\omega_{\mathrm c}\tau_{\mathrm q}}、スピンの因子 cos⁡(πgmc/2m)\cos(\pi gm_{\mathrm c}/2m) が掛かり、そこからサイクロトロン質量と状態の寿命 τq\tau_{\mathrm q} を読むことができる。振動を均した滑らかな部分は Landau 反磁性で、自由電子では Pauli 常磁性の −1/3-1/3 倍、有効質量 m∗m^* では (m/m∗)2(m/m^*)^2 倍に強まる。

削ったものは、格子が見えるほど強い磁場(Hofstadter の入れ子・磁気的破壊)、緩和時間と一定の準位の幅による散乱の扱い、電子間の相互作用による質量の増強、Berry 位相による Onsager の位相のずれである。量子 Hall 効果は反転層(第4部第9章)と Berry 曲率(第5部第5章)で扱う。

総合問題 補償された半金属の磁気輸送と量子振動 ★★★

オリジナル電子のポケットと正孔のポケットを1つずつ持つ3次元の半金属を考える。どちらのポケットも等方な放物線のバンドで、有効質量は電子 me∗=0.05mm_{\mathrm e}^*=0.05m、正孔 mh∗=0.2mm_{\mathrm h}^*=0.2m、密度は ne=nh=n=1×1024 m−3n_{\mathrm e}=n_{\mathrm h}=n=1\times10^{24}\,\mathrm{m^{-3}}(補償)、緩和時間はどちらも τ=1×10−12 s\tau=1\times10^{-12}\,\mathrm s とし、τq=τ\tau_{\mathrm q}=\tau とする。スピンの縮退は2とし、Zeeman エネルギーは落とす。

  1. (1) 移動度 μe\mu_{\mathrm e}・μh\mu_{\mathrm h} と ρxx(0)\rho_{xx}(0) を求めよ。1 T1\,\mathrm T と 10 T10\,\mathrm T の ρxx(B)/ρxx(0)\rho_{xx}(B)/\rho_{xx}(0)、μeμhB2=1\mu_{\mathrm e}\mu_{\mathrm h}B^2=1 となる磁場、Hall 係数を求め、Hall 係数を1種類の電子として読んだときの密度が真の nn の何倍になるか答えよ。(使う道具:4.4.3節/第4部第2章の移動度)
  2. (2) 2つのポケットの kFk_{\mathrm F} と振動の周波数 BdHB_{\mathrm{dH}}、Fermi エネルギーを求めよ。5 T5\,\mathrm T で電子のポケットの下に Landau 準位が何本あるかを εF/ℏωc\varepsilon _{\mathrm F}/\hbar\omega_{\mathrm c} で見積もれ。(使う道具:4.4.1節・4.4.4節/第4部第1章の kFk_{\mathrm F}・解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部第10章の Onsager の関係)
  3. (3) B=5 TB=5\,\mathrm T、T=10 KT=10\,\mathrm K で、2つのポケットの ℏωc/kB\hbar\omega_{\mathrm c}/ k_{\mathrm B}・XX・温度因子 RTR_T(基本波)を求めよ。(使う道具:4.4.5節)
  4. (4) 同じ条件で ωcτ\omega_{\mathrm c}\tau と Dingle 因子を求め、正孔の振動と電子の振動の振幅の比を、温度因子と Dingle 因子の積の比として求めよ。(使う道具:4.4.5節/第4部第2章の τq\tau_{\mathrm q})
  5. (5) 振動の周期だけでは2つのポケットを区別できないことを示し、何を測れば区別できるかを (3)(4) の結果を使って述べよ。(使う道具:4.4.4節・4.4.6節)
解答

(1) μe=eτ/me∗=1.602×10−19×10−12/(0.05×9.109×10−31)=3.52 m2 V−1s−1\mu_{\mathrm e}=e\tau/m_{\mathrm e}^*=1.602\times10^{-19}\times10^{-12}/(0.05\times9.109\times10^{-31})=3.52\,\mathrm{m^2\,V^{-1}s^{-1}}、μh=0.879 m2 V−1s−1\mu_{\mathrm h}=0.879\,\mathrm{m^2\,V^{-1}s^{-1}}。ρxx(0)=1/(ne(μe+μh))=1/(1024×1.602×10−19×4.40)=1.42×10−6 Ω m\rho_{xx}(0)=1/(ne(\mu_{\mathrm e}+\mu_{\mathrm h}))=1/(10^{24}\times1.602\times10^{-19}\times4.40)=1.42\times10^{-6}\,\Omega\,\mathrm m。補償の式 (4.4.17) から ρxx(B)/ρxx(0)=1+μeμhB2\rho_{xx}(B)/\rho_{xx}(0)=1+\mu_{\mathrm e}\mu_{\mathrm h}B^2 で、μeμh=3.09 T−2\mu_{\mathrm e}\mu_{\mathrm h}=3.09\,\mathrm{T^{-2}} なので、1 T1\,\mathrm T で 4.094.09、10 T10\,\mathrm T で 310310。μeμhB2=1\mu_{\mathrm e}\mu_{\mathrm h}B^2=1 は B=0.570 TB=0.570\,\mathrm T で、これより強い磁場では抵抗がほぼ B2B^2 に比例して増える。RH=(μh−μe)/(ne(μe+μh))=−3.75×10−6 m3 C−1R_{\mathrm H}=(\mu_{\mathrm h}-\mu_{\mathrm e})/(ne(\mu_{\mathrm e}+\mu_{\mathrm h}))=-3.75\times10^{-6}\,\mathrm{m^3\,C^{-1}} で磁場によらない。1/(∣RH∣e)=1.67×1024 m−31/(\lvert R_{\mathrm H}\rvert e)=1.67\times10^{24}\,\mathrm{m^{-3}} で、真の nn の (μe+μh)/(μe−μh)=5/3(\mu_{\mathrm e}+\mu_{\mathrm h})/(\mu_{\mathrm e}-\mu_{\mathrm h})=5/3 倍である。符号は電子を示すが、正孔も同数いて、電荷の総量は 00 である。

(2) 両スピンで n=kF3/(3π2)n=k_{\mathrm F}^3/(3\pi^2) なので、どちらのポケットも kF=(3π2n)1/3=3.09×108 m−1k_{\mathrm F}=(3\pi^2n)^{1/3}=3.09\times10^8\,\mathrm{m^{-1}}。極値断面は赤道の円 πkF2\pi k_{\mathrm F}^2 で、BdH=ℏπkF2/(2πe)=ℏkF2/(2e)=31.5 TB_{\mathrm{dH}}=\hbar\pi k_{\mathrm F}^2/(2\pi e)=\hbar k_{\mathrm F}^2/(2e)=31.5\,\mathrm T。2つのポケットで同じ値である。εF=ℏ2kF2/(2m∗)\varepsilon _{\mathrm F}=\hbar^2k_{\mathrm F}^2/(2m^*) は電子 72.9 meV72.9\,\mathrm{meV}、正孔 18.2 meV18.2\,\mathrm{meV}。5 T5\,\mathrm T の電子の ℏωc=11.6 meV\hbar\omega_{\mathrm c}=11.6\,\mathrm{meV} で、εF/ℏωc=6.29=BdH/B\varepsilon _{\mathrm F}/\hbar\omega_{\mathrm c}=6.29=B_{\mathrm{dH}}/B。Fermi 準位の下に6本の準位(ν=0\nu=0〜55)がある。εF/ℏωc\varepsilon _{\mathrm F}/\hbar\omega_{\mathrm c} は質量によらず BdH/BB_{\mathrm{dH}}/B に等しいので、正孔のポケットでも同じ6本である。

(3) ℏωc/kB\hbar\omega_{\mathrm c}/ k_{\mathrm B} は電子 134 K134\,\mathrm K、正孔 33.6 K33.6\,\mathrm K。X=2π2×10 K/(ℏωc/kB)X=2\pi^2\times10\,\mathrm K/(\hbar\omega_{\mathrm c}/ k_{\mathrm B}) は電子 1.471.47、正孔 5.885.88。RT=X/sinh⁡XR_T=X/\sinh X は電子 0.7140.714、正孔 0.03290.0329。重い正孔は準位の間隔が4分の1なので、同じ温度でぼけの影響をはるかに強く受ける。

(4) ωcτ=μeB\omega_{\mathrm c}\tau=\mu_{\mathrm e}B・μhB\mu_{\mathrm h}B は電子 17.617.6、正孔 4.404.40。RD=exp⁡(−π/ωcτ)R_D=\exp(-\pi/\omega_{\mathrm c}\tau) は電子 0.8360.836、正孔 0.4900.490。振幅の比(正孔/電子)は (0.0329×0.490)/(0.714×0.836)=0.0270(0.0329\times0.490)/(0.714\times0.836)=0.0270 で、正孔の振動は電子の振動の3% ほどしかない。

(5) BdHB_{\mathrm{dH}} は極値断面積だけで決まり、補償された球形のポケットでは ne=nhn_{\mathrm e}=n_{\mathrm h} から kFk_{\mathrm F} が同じになるので、2つの振動は同じ周期で重なる。周期では区別できないが、(3)(4) のとおり振幅の温度変化と磁場変化は質量によって大きく違う。温度を上げると正孔の成分は X/sinh⁡XX/\sinh X に従って速く消え、電子の成分が残る。振幅の温度変化を2つの質量の成分の和として当てはめれば、me∗m_{\mathrm e}^* と mh∗m_{\mathrm h}^* を別々に読むことができる。より直接には、磁場の向きを変えてポケットの形の違いを見るか、サイクロトロン共鳴で2本の共鳴(0.05m0.05m と 0.2m0.2m)を分けて測る。また (1) の Hall 係数の符号は電子を示したが、これは移動度の大きい電子の寄与が上回っただけで、量子振動の振幅にも同じ重みの偏りが現れる。磁気輸送と量子振動の両方で、軽いキャリアが見えやすく重いキャリアは隠れやすい。

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