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この章のまとめ

2026年10月15日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第5部 第1章 遮蔽と Fermi 液体

AI 生成・木下が未勉強

ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第5部 第1章 §5.1.7 ★★★ Coulomb 相互作用の長距離に及ぶ部分は遮蔽とプラズモンに取り込まれ、残る短距離の相互作用のもとで Fermi 面の近くの励起は準粒子として残る。自由電子の模型が当たる理由はここにある

この章では、ジェリウムに Coulomb 相互作用を戻したハミルトニアン (5.1.1) を選んだ。平均の場を固定した Hartree–Fock 近似は交換エネルギーで電子気体を束縛するが、1/q21/q^2 の長距離の相互作用のために Fermi 面で速さが発散し、比熱が 00 になるという実験と合わない結果を出した。

道具として、相互作用しない電子の応答(Lindhard 関数 χ0\chi_0)と、誘起された電荷の場を足し込む自己無撞着の条件(RPA)を作り、誘電関数 εr=1−vqχ0\varepsilon _{\mathrm r}=1-v_{\bm{q}}\chi_0 を得た。静的には、長い波長で Thomas–Fermi の遮蔽 εr=1+qTF2/q2\varepsilon _{\mathrm r}=1+q_{\mathrm{TF}}^2/q^2、qTF2=(e2/ε0)∂n/∂μq_{\mathrm{TF}}^2=(e^2/\varepsilon _0)\partial n/\partial\mu になり、金属の不純物の電荷は格子間隔より短い距離で完全に遮蔽される。Fermi 面が鋭いことは q=2kFq=2k_{\mathrm F} の角として残り、遠方の Friedel 振動 cos⁡(2kFr)/r3\cos(2k_{\mathrm F}r)/r^3・Kohn 異常・RKKY 相互作用になる。動的には、速い場に電子が追いつけず、εr\varepsilon _{\mathrm r} の零点がプラズモン ω2≈ωp2+35vF2q2\omega^2\approx\omega_{\mathrm p}^2+\frac35v_{\mathrm F}^2q^2 になる。Coulomb 相互作用の長距離に及ぶ部分は、この高いエネルギーの集団運動に取り込まれ、低いエネルギーには遮蔽された短距離の相互作用だけが残る。

その短距離の相互作用のもとでは、Fermi 面の近くの励起の減衰率は位相空間の制限のために ξ2+(πkBT)2\xi^2+(\pi k_{\mathrm B} T)^2 でしか増えず、励起は準粒子として残る。Landau の Fermi 液体は、準粒子の有効質量 m∗/m=1+F1s/3m^*/m=1+F^{\mathrm s}_1/3 と Landau パラメータで低温の性質を書き、比熱は m∗/mm^*/m 倍、磁化率は (m∗/m)/(1+F0a)(m^*/m)/(1+F^{\mathrm a}_0) 倍、Wilson 比は 1/(1+F0a)1/(1+F^{\mathrm a}_0) になる。第4部で独立な電子として計算した式は、電子を準粒子に、質量を m∗m^* に読み替えれば、相互作用のある金属でもそのまま使うことができる。これがこの章の問いへの答えである。

削ったのは、RPA の外の交換と相関、イオンの周期ポテンシャルと運動、そして Fermi 液体であること自体(相転移が無いこと)である。イオンの運動を戻すと、遮蔽されたイオンの振動が音響フォノンになり(Bohm–Staver)、フォノンを介した引力が超伝導(第5部第4章)の起源になる。F0a→−1F^{\mathrm a}_0\to-1 の不安定性と RKKY 相互作用は、次の2章の磁性(第5部第2章・第5部第3章)につながる。

総合問題 ナトリウムの電子気体:遮蔽・プラズモン・音速・Fermi 液体 ★★★

オリジナルナトリウムは bcc(格子定数 a=0.429 nma=0.429\,\mathrm{nm}、与えられた値)で、1原子あたり1個の伝導電子を持つ。原子の質量を M=22.99 uM=22.99\,\mathrm u とする。

  1. (1) 伝導電子の nn, kFk_{\mathrm F}, εF\varepsilon _{\mathrm F}, vFv_{\mathrm F}, rs/a0r_{\mathrm s}/a_0 を求めよ。(使う道具:第4部第1章・5.1.1節)
  2. (2) Thomas–Fermi の qTFq_{\mathrm{TF}} と遮蔽長、qTF/(2kF)q_{\mathrm{TF}}/(2k_{\mathrm F}) を求め、最近接原子の距離 3a/2\sqrt3a/2 と比べよ。(使う道具:5.1.2節・5.1.3節)
  3. (3) ℏωp\hbar\omega_{\mathrm p} と ℏωp/εF\hbar\omega_{\mathrm p}/\varepsilon _{\mathrm F} を求め、近似 (5.1.15) のプラズモンが連続帯に入る qc/kFq_{\mathrm c}/k_{\mathrm F} を求めよ。(使う道具:5.1.4節)
  4. (4) イオンのプラズマ角振動数 Ωp\Omega_{\mathrm p} と、Bohm–Staver の音速 vsv_{\mathrm s} を求めよ。この音波の振動数 ω=vsq\omega=v_{\mathrm s}q に対して、電子の遮蔽を静的なもの(ω=0\omega=0)として扱ってよい理由を述べよ。(使う道具:5.1.6節・5.1.4節・第3部第1章)
  5. (5) 測定から γ/γ0=1.25\gamma/\gamma_0=1.25、Wilson 比 RW=1.6R_{\mathrm W}=1.6 が得られたとする(説明のための仮の値)。m∗/mm^*/m、F1sF^{\mathrm s}_1、F0aF^{\mathrm a}_0、χm/χm(0)\chi_{\mathrm m}/\chi_{\mathrm m}^{(0)} を求めよ。(使う道具:5.1.5節・第4部第1章の Wilson 比)
解答

(1) bcc の単位胞には2原子あるので n=2/a3=2/(0.429×10−9)3=2.53×1028 m−3n=2/a^3=2/(0.429\times10^{-9})^3=2.53\times10^{28}\,\mathrm{m^{-3}}。kF=(3π2n)1/3=9.09×109 m−1k_{\mathrm F}=(3\pi^2n)^{1/3}=9.09\times10^{9}\,\mathrm{m^{-1}}、εF=ℏ2kF2/(2m)=3.15 eV\varepsilon _{\mathrm F}=\hbar^2k_{\mathrm F}^2/(2m)=3.15\,\mathrm{eV}、vF=ℏkF/m=1.05×106 m/sv_{\mathrm F}=\hbar k_{\mathrm F}/m=1.05\times10^6\,\mathrm{m/s}、rs=(3/(4πn))1/3=3.99a0r_{\mathrm s}=(3/(4\pi n))^{1/3}=3.99a_0。例題 5.1.1 の Hartree–Fock の最小 4.83a04.83a_0 に近い、密度の低い金属である。

(2) qTF2=3ne2/(2ε0εF)q_{\mathrm{TF}}^2=3ne^2/(2\varepsilon _0\varepsilon _{\mathrm F}) から qTF=1.48×1010 m−1q_{\mathrm{TF}}=1.48\times10^{10}\,\mathrm{m^{-1}}、遮蔽長 1/qTF=0.0676 nm1/q_{\mathrm{TF}}=0.0676\,\mathrm{nm}。qTF/(2kF)=0.814q_{\mathrm{TF}}/(2k_{\mathrm F})=0.814 で、rsr_{\mathrm s} が大きいほど qTF/kF∝(kFa0)−1/2q_{\mathrm{TF}}/k_{\mathrm F}\propto(k_{\mathrm F}a_0)^{-1/2} は大きくなる。最近接距離は 3×0.429/2=0.372 nm\sqrt3\times0.429/2=0.372\,\mathrm{nm} で、遮蔽長の 5.55.5 倍である。密度の低いナトリウムでも、イオンの電荷は隣のイオンの位置ではほとんど遮蔽されている。

(3) ℏωp=ℏne2/(ε0m)=5.91 eV\hbar\omega_{\mathrm p}=\hbar\sqrt{ne^2/(\varepsilon _0m)}=5.91\,\mathrm{eV}、ℏωp/εF=1.88\hbar\omega_{\mathrm p}/\varepsilon _{\mathrm F}=1.88。W=ℏω/εFW=\hbar\omega/\varepsilon _{\mathrm F}、x=q/kFx=q/k_{\mathrm F} として W2=1.882+125x2W^2=1.88^2+\frac{12}{5}x^2 と W=2x+x2W=2x+x^2 を等しいとおくと x=0.804x=0.804。アルミニウム(ℏωp/εF=1.354\hbar\omega_{\mathrm p}/\varepsilon _{\mathrm F}=1.354、x=0.635x=0.635)より ℏωp/εF\hbar\omega_{\mathrm p}/\varepsilon _{\mathrm F} が大きいので、プラズモンは連続帯から離れた所にあり、より大きい qq まで鋭く残る。ℏωp/εF∝(rs/a0)1/2\hbar\omega_{\mathrm p}/\varepsilon _{\mathrm F}\propto(r_{\mathrm s}/a_0)^{1/2} だからである。

(4) Ωp2=ne2/(ε0M)\Omega_{\mathrm p}^2=n e^2/(\varepsilon _0M)(Z=1Z=1、nion=nn_{\mathrm{ion}}=n)から Ωp=4.39×1013 s−1\Omega_{\mathrm p}=4.39\times10^{13}\,\mathrm{s^{-1}}(ℏΩp=28.9 meV\hbar\Omega_{\mathrm p}=28.9\,\mathrm{meV})。vs=Ωp/qTF=m/(3M) vF=2.82×10−3×1.05×106=2.97×103 m/sv_{\mathrm s}=\Omega_{\mathrm p}/q_{\mathrm{TF}}=\sqrt{m/(3M)}\,v_{\mathrm F}=2.82\times10^{-3}\times1.05\times10^6=2.97\times10^3\,\mathrm{m/s}。音波では ω/(qvF)=vs/vF=2.8×10−3≪1\omega/(qv_{\mathrm F})=v_{\mathrm s}/v_{\mathrm F}=2.8\times10^{-3}\ll1 で、電子はイオンの動きに比べて十分速く動くことができる。式 (5.1.5) で ℏω≪ℏqvF\hbar\omega\ll\hbar qv_{\mathrm F} ならχ0(q,ω)≈χ0(q,0)\chi_0(q,\omega)\approx\chi_0(q,0) なので、静的な遮蔽を使ってよい。qq が qTFq_{\mathrm{TF}} に近づくと εr≈qTF2/q2\varepsilon _{\mathrm r}\approx q_{\mathrm{TF}}^2/q^2 が使えなくなり、分散は直線から外れて Brillouin 域の端へ向かって寝る。この vsv_{\mathrm s} は電子の気体だけから出た縦波の音速の見積もりで、実際の結晶ではイオンの芯どうしの反発と周期ポテンシャルが加わる。

(5) m∗/m=γ/γ0=1.25m^*/m=\gamma/\gamma_0=1.25、式 (5.1.20) から F1s=3(1.25−1)=0.75F^{\mathrm s}_1=3(1.25-1)=0.75。式 (5.1.21) から 1+F0a=1/1.61+F^{\mathrm a}_0=1/1.6、F0a=−0.375F^{\mathrm a}_0=-0.375。χm/χm(0)=RW⋅γ/γ0=1.6×1.25=2.00\chi_{\mathrm m}/\chi_{\mathrm m}^{(0)}=R_{\mathrm W}\cdot\gamma/\gamma_0=1.6\times1.25=2.00。F0a<0F^{\mathrm a}_0<0 は同じ向きのスピンがそろうと準粒子のエネルギーが下がることを表し、Pauli 常磁性は交換によって増強される。−1-1 まではまだ距離があり、強磁性にはならない。

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