この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部 第10章 §4.10.7 ★★★ の Hamilton 方程式が半古典運動のすべて。有効質量は2階微分、Bloch 振動は帯の有界性、Onsager の量子化は 空間の面積=作用変数
結晶の中の電子は、周期ポテンシャルの効果をバンド にまとめると、Hamiltonian の1粒子になる。Hamilton 方程式から、速度は群速度 、運動方程式は になり、ゲージポテンシャルは消える。 は運動量でなく、離散並進の演算子 の固有値 から作った結晶運動量で、 の分だけ不定である。古典力学では離散的な対称性から保存量は出ないが、量子力学ではユニタリな の固有値が保存する。一様な力の下では が厳密に成り立つ。
有効質量は の2階微分の行列で、バンドの上の端では負になる。満ちたバンドは の周期性から電流を運ばず、上の端の近くの空いた状態は電荷 、正の質量の正孔として動く。一様な電場の下では が一定の速さで BZ を回り、電子は周期 、振れ幅 帯の幅 で振動する。磁場の下では と が共役な組になり、 空間の閉軌道の面積 が作用変数 になる。1周の時間からサイクロトロン質量 、Bohr–Sommerfeld の条件から Onsager の関係 と量子振動の周期が出る。
この章では Berry 曲率が のバンドを考えた。Berry 曲率があると Poisson 括弧 (4.10.8) の が でなくなり、速度に異常速度の項が加わる。それを第4部第11章(第4部第11章)で扱う。バンドの中の電子の集団の輸送は、この章の運動方程式を Boltzmann 方程式(第3部第8章)に入れて、固体の巻 第4部(ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第4部第2章)で計算する。
この章の結果
- 選ぶ Hamiltonian:、(Peierls 置換)。
- 半古典運動方程式:、。。
- 結晶運動量: の位相。 の分だけ不定。一様な力では が厳密。
- 有効質量 。tight-binding で 。満ちたバンドの電流は 、正孔は電荷 。
- Bloch 振動:、、Wannier–Stark の間隔 。
- 磁場:、、、。
総合問題 2次元の正方格子の電子:有効質量・Bloch 振動・量子振動 ★★★
オリジナル格子間隔 の2次元の正方格子の tight-binding のバンド
を考える(スピンは1つだけ数える)。BZ の中心を 、辺の中点を 、角を と書く。
- (1) (使う道具:4.10.2節・4.10.3節、第1部第8章の Hamilton 方程式)群速度 を求めよ。・X・M での有効質量テンソルの逆数 を求め、それぞれの点がバンドの底・鞍点・上の端のどれかを答えよ。
- (2) (使う道具:4.10.4節) にいた電子に、 軸に沿った一様な電場 をかけたときと、対角線 に沿った電場 をかけたときで、Bloch 振動の周期と、場に沿った方向の位置の振れ幅を比べよ。
- (3) (使う道具:4.10.5節) をかける。バンドの底の近くで を示し、等エネルギー線の面積 とサイクロトロン質量 を求めよ。 を (1) の の有効質量と比べよ。
- (4) (使う道具:4.10.5節、第1部第14章の作用変数) の等エネルギー線が の正方形になることを示し、その面積と、 のときの量子振動の を求めよ。また の軌道はどの点を囲み、どちら向きに回るか。
- (5) (使う道具:(4)・4.10.5節、第4部第4章の総合問題の縮退度) まで電子が詰まっているとき(バンドのちょうど半分)、 で より下にある Landau 準位の数 を求め、それに1つの準位あたりの面積あたりの状態数 を掛けると電子の面密度 に一致することを確かめよ。
解答
(1) Hamilton 方程式 (4.10.5) から
2階微分は対角で 、、交差項は なので
は両方向に正の質量 の底()、M は両方向に負の質量の上の端()、X は 方向に負・ 方向に正の鞍点()である。どの点でも で、 の停留点になっている。
(2) 方向の電場では 、 のままで、運動は1次元の場合と同じになる。周期は 、 は幅 を動くので、振れ幅は である。
対角の電場では で、。 が元に戻るのは が 進んだときで、周期は である。対角線に沿った格子の周期は なので、式 (4.10.15) の を に替えた形と言うこともできる(ただし が から M までの全部を通る点が違う)。 は幅 を動くので、場に沿った方向の振れ幅はエネルギー保存 一定( は場に沿った座標)から で、 方向の場合の2倍になる。
(3) から 。等エネルギー線は半径 の円で
底の近くでは、サイクロトロン質量は (1) の の有効質量に一致する。等方的な放物線のバンドでは、軌道全体で決まる と1点で決まる が同じになるからである。エネルギーが上がると放物近似は外れる。たとえば の厳密な面積は数値積分で で、放物近似の より 7% 大きい(図 4.10.3)。
(4) は で、BZ の中では 、つまり の正方形である。対角線の長さ の正方形なので面積は で、BZ の面積 のちょうど半分である。量子振動の周期は式 (4.10.23) から
()の軌道は M を囲む(BZ の4隅にある曲線が周期性 (4.10.1) で1つの閉曲線につながる)。 で となるので、M のまわりの の軌道の面積は、 のまわりの の軌道の面積に等しい。回る向きは、M の近くで だから速度が と逆向きで、 の向きも逆になり、 側から見て時計回りである(正孔的な軌道)。
(5) 本の準位が より下にある。1つの準位あたりの面積あたりの状態数は で、掛けると
となる。BZ に (面積あたり)の状態があり、その半分が詰まっているので、電子の面密度は確かに である。 が式から消えるのは、磁場が強いほど1つの準位に入る状態が増え、そのぶん より下の準位の数が減るからで、Onsager の関係が状態の数を正しく数えていることの確かめになっている。
木下の勉強ステータス
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