この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部 第8章 §2.8.7 ★★★ ゲージ不変性は保存量に結びつく対称性でなく、方程式の恒等式・源への条件・Hamilton 形式の拘束として現れる
電磁場の作用は でなく で書く。粒子の側では、速度に比例する磁場の力を Lagrangian から出すには速度と内積を取るベクトル場が要り、その回転が になる。場の側では、源を含まない Maxwell 方程式の4本を恒等式にし、残る4本を独立な4変数 の Euler–Lagrange 方程式として出すことができる。その代わりに、 という、任意の関数をパラメータにもつ不定性が入る。
パラメータが任意の関数であるとき、Noether の第2定理から出るのは保存則でなく恒等式 である。電磁場では で、ここから、外から与える源は連続の方程式 を満たさなければならず(満たさなければ Maxwell 方程式は解を持たない)、そのことは結合の項 のゲージ不変性と同値である。同じ恒等式から、方程式は を1つに決めず、初期条件が同じでも後の が違う解が作れることが分かる。
Hamilton 形式では の正準運動量が になり、 は未定乗数、Gauss の法則は拘束になる。その拘束 は Poisson 括弧で を生成する。Fourier 成分で数えると、 に平行な成分はゲージと拘束で消え、各点で動く自由度は に垂直な2成分(光の2つの偏り)である。計算ではゲージ軌道から代表を選び(Lorenz ゲージ・Coulomb ゲージ)、ゲージで消せない閉じた線積分 は、 の場所でも Aharonov–Bohm の位相として観測にかかる。
次の章(第2部第9章)では、Lorenz ゲージの波動方程式 (2.8.23) を静電・静磁・放射の場合に解き、作用の言葉で見直す。ゲージ変換を計量の取り替え(座標変換)に置き換えると、一般相対論でも同じ構造が現れる。重力波の章(第2部第18章)では線形化した計量のゲージ変換と TT ゲージを、Einstein 方程式の章(第2部第15章)では座標の取り替えについての第2定理(Bianchi 恒等式とエネルギー運動量の保存)を扱う。
この章の道具
- ゲージ変換:(、)。 は不変、粒子の は だけ変わる。
- Noether の第2定理:任意の で作用が不変なら、すべての場で 。電磁場では 。
- 源への条件: ⇔ 結合の項のゲージ不変性 ⇔ Maxwell 方程式が解を持つための条件。
- Hamilton 形式:、、。 は未定乗数、Gauss の法則は拘束で、 がゲージ変換を生成する。
- 自由度:各 で動くのは の2成分。
- ゲージで消せない量: と (Aharonov–Bohm の位相 )。
総合問題 質量のあるベクトル場:ゲージ不変性を壊すと何が変わるか ★★★
オリジナル第2部第6章の2.6.7節の総合問題(Proca 場)の続きである。そこでは Euler–Lagrange 方程式・・湯川型のポテンシャルを求めた。ここでは同じ場を、この章の主題であるゲージ不変性・拘束・自由度の数の側から見る。第6章の長さ を と書くと、Lagrangian 密度は
である。 は長さの逆数の次元を持つ定数で、 で電磁場に戻る。源 は連続の方程式を満たすとする。
- (1) (使う道具:2.8.1節)ゲージ変換 で が の1次でどれだけ変わるかを求め、 ではゲージ不変でないことを示せ。
- (2) (使う道具:第2部第6章の総合問題 (1))Euler–Lagrange 方程式を で書け。
- (3) (使う道具:2.8.2節・2.8.3節)(2) の発散を取り、 がゲージの選び方でなく運動方程式の帰結として出ることを示せ。
- (4) (使う道具:第2部第6章の総合問題 (3)・2.8.5節)原点に静止した点電荷 のまわりの を で書け。 の極限は、Lorenz ゲージの方程式 (2.8.23) のどの解に戻るか。
- (5) (使う道具:2.8.4節/第1部第6章)Hamilton 形式で を含む項が になることを使い、 が未定乗数でなく と で決まる量になることを示せ。各 で動く自由度はいくつか。
- (6) (使う道具:(4)) のとき、 と での は Coulomb のポテンシャルの何倍か。
解答
(1) と の項は 2.8.1節・2.8.3節のとおりゲージ不変(後者は全微分だけ変わる)。質量の項は なので、1次の変化は である。これは によって決まる量で、勝手な について全微分にはならない(例えば が定数でない場合、 の2項目が残る)。 ではゲージ不変でない。
(2) 第6章の総合問題 (1) の方程式で を に置き換えて、 である。
(3) 発散を取る計算は第6章の総合問題 (2) と同じである。恒等式 (2.8.11) で 、連続の方程式で なので、。 なら である。電磁場では Lorenz 条件は自分で課す条件(ゲージの固定)だったが、ここでは運動方程式から必ず従う。ゲージ不変性が無いので運動方程式どうしの間に第2定理の恒等式は無く、かわりに発散を取った式が新しい情報 を含む。これを使うと (2) は になる。
(4) 第6章の総合問題 (3) で、静的な 成分が になり、点電荷の解が湯川型になることを示した。 と書けば
である。 では、Lorenz ゲージの方程式 (2.8.23) の静的な場合 の解、すなわち Coulomb のポテンシャルに戻る。
(5) について変分すると 、すなわち と決まる。電磁場()では の係数が拘束になり、 そのものは決まらなかった。ここでは が2次で入るので、 は方程式で決まり、Gauss の法則は拘束でなくなる。ゲージ変換の生成子になる拘束が無いので、 も時間発展する自由度として残り、各 で動く自由度は の3成分、すなわち3つになる。 で3から2へ不連続に減ることが、ゲージ不変性があるかないかの差である。
(6) なので、 で 倍、 で 倍。質量の項があると静電場は距離 ほどで指数関数的に弱まる。ゲージ場が質量を持つ例は超伝導体の中の電磁場で、磁場が表面から一定の深さまでしか入らない Meissner 効果になる(第5部第6章)。
木下の勉強ステータス
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