解答
(1) ∣p−eA∣2=∣p∣2−e(p⋅A+A⋅p)+e2∣A∣2 である。p⋅A=2B(−pxy+pyx)=2BLz で、e2∣A∣2=4e2B2(x2+y2)。代入すると
H=2m∣p∣2−2meBLz+8me2B2(x2+y2)+21mω02(x2+y2)
で、8me2B2=21m4ωc2 を調和ポテンシャルにまとめれば示す式になる。量子力学では p^x と A^x=−2By^ は交換し、p^y と A^y=2Bx^ も交換するので(∇⋅A=0)、p^⋅A^=A^⋅p^ で並べ方の問題が起きず、同じ式が成り立つ。磁場は、閉じ込めを ω0 から Ω へ強める項と、z 軸のまわりの回転の生成子 Lz に比例する項の2つとして入る。
(2) [a^x,a^x†]=[a^y,a^y†]=1、x と y の演算子は交換するので[a^±,a^±†]=21([a^x,a^x†]+[a^y,a^y†])=1、[a^+,a^−†]=21([a^x,a^x†]+i⋅i[a^y,a^y†])=21(1−1)=0。a^± は独立な2つの振動子の消滅演算子である。次に、式 (4.4.12) から x^p^y−y^p^x=iℏ(a^xa^y†−a^x†a^y)。一方
n^−−n^+=21(a^x†+ia^y†)(a^x−ia^y)−21(a^x†−ia^y†)(a^x+ia^y)=i(a^y†a^x−a^x†a^y)
で、a^y† と a^x は交換するので L^z=ℏ(n^−−n^+) である。古典の言葉では、2次元の振動子を右回り・左回りの2つの円運動に分け、それぞれの作用変数 J± を使うと Lz=J−−J+ になる。n^± はその作用変数の量子版で、1つの量子が ∓ℏ の角運動量を運ぶ。
(3) 2次元等方振動子は ℏΩ(n^x+n^y+1) で、n^x+n^y=a^x†a^x+a^y†a^y=n^++n^−(交差項は打ち消し合う)なので
H^=ℏΩ(n^++n^−+1)−2ωcℏ(n^−−n^+)=ℏ(Ω+2ωc)n^++ℏ(Ω−2ωc)n^−+ℏΩ.
n^+ と n^− は交換し、それぞれ固有値 0,1,2,… を持つので En+n−=ℏω+n++ℏω−n−+ℏΩ。ωc=2ω0 では Ω=2ω0、ω±=(2±1)ω0(ω+ω−=ω02)。最低の準位は2=1.414、2+ω−=1.828、2.243、2.657、3.071、3.485(単位 ℏω0)で、いずれも n+=0, n−=0,1,…,5 の状態である。n+=1, n−=0 の準位 2+ω+=3.828 はその上に来る。
(4) ω0→0 で Ω→ωc/2、ω+→ωc、ω−→0 で、E→ℏωcn++21ℏωc=ℏωc(n++21)。n− によらないので、各準位(Landau 準位)は n−=0,1,2,… について縮退する。n+=0 の状態の広がりは⟨x2+y2⟩=mΩℏ(n−+1)→eB2ℏ(n−+1) で、R2 以下になるのは n−+1≤eBR2/(2ℏ) の状態、つまり
2ℏeBR2=heBπR2
個である。面積 πR2 あたり eB/h の割合で状態がある。古典の言葉では、n− は旋回の中心の位置を決める作用変数で、中心の位置が ω0→0 でエネルギーに入らなくなるので縮退する。1つの状態の占める面積 h/(eB) は、旋回の中心の相空間(x と y が共役な組になる)の中で1つの状態が面積 h を占めることの言い換えである。
(5) ℏωc=ℏeB/me=1.0546×10−34×1.602×10−19/9.109×10−31=1.855×10−23J=0.116meV。ωc/(2π)=eB/(2πme)=28.0GHz。面積あたりの状態の数は eB/h=1.602×10−19/6.626×10−34=2.42×1014m−2 で、1μm2=10−12m2 あたり 242 個である。ℏωc は 300K の kBT=25.9meV の 1/200 程度で、自由な電子の Landau 準位の間隔は室温の熱揺らぎに比べて小さい。