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この章のまとめ

2026年10月15日10分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第4部 第6章 光学応答:バンド間遷移・励起子・固体のプラズモン

AI 生成・木下が未勉強

ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第4部 第6章 §4.6.7 ★★★ 結晶の電子に光を最小結合で入れ、黄金律で ε2\varepsilon_2 を数えると、縦の遷移の結合状態密度・吸収端の次元による形・間接遷移・πα\pi\alpha が出た。電子と正孔の引力を戻すと励起子の線と端の段が、εr=0\varepsilon_{\mathrm r}=0 からプラズモンと LO フォノンが出た

この章では、周期ポテンシャルの中の電子1個に光のベクトルポテンシャルを最小結合で入れた H^\hat H (4.6.4) を選び、誘電関数を応答する電荷の種類ごとの和 (4.6.3) に分けた。Lorentz 振動子・Drude・Kramers–Kronig は光学と量子エレクトロニクス 第11章〜第13章と第4部第2章から借り、バンドがあって初めて言える部分を計算した。

当てた道具は解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部第12章の黄金律である。光の波数は Brillouin 域に比べて小さいので遷移は縦の遷移に限られ、ε2\varepsilon_2 は行列要素 pcv\bm{p}_{\mathrm{cv}} と結合状態密度 DcvD_{\mathrm{cv}} の積 (4.6.7) になった。

出てきたものは3つある。第一に、吸収端と吸収の山は DcvD_{\mathrm{cv}} の van Hove 特異点で、3次元の直接遷移で ℏω−Eg\sqrt{\hbar\omega-E_{\mathrm g}}、2次元で段、1次元(SSH 鎖)で逆平方根の発散になる。間接遷移はフォノンを1個伴う2次の過程で2乗で立ち上がり、グラフェンの Dirac 点では吸収率が πα\pi\alpha という物質によらない値になる。第二に、電子と正孔の引力を有効質量の水素原子として戻すと、吸収端の下に Eg−R∗/n2E_{\mathrm g}-R^*/n^2 の励起子の線が並び、吸収端の上の吸収は Sommerfeld 因子で持ち上がって端で有限の段になる。第三に、縦の振動は εr(ω)=0\varepsilon_{\mathrm r}(\omega)=0 で起き、電子では背景の分極で下がったプラズモン ωp/εb\omega_{\mathrm p}/\sqrt{\varepsilon_{\mathrm b}}(銀の 3.8 eV3.8\,\mathrm{eV}、銅の色は d バンドの吸収)、イオンでは LO フォノンになって Lyddane–Sachs–Teller の関係と反射帯が出た。

削ったものは、光の場の1次と長波長近似・独立粒子の吸収(電子と正孔の引力と局所場)・励起子の有効質量近似・有限温度の占有で、黄金律は B 型として条件付き、独立粒子の吸収は C 型である。次の第4部第7章では、光の代わりにトンネル電流で状態密度を測る STM を扱う。

総合問題 ドープした直接ギャップの半導体の光学応答 ★★★

オリジナル直接ギャップの半導体を考える。仮の値として Eg=1.5 eVE_{\mathrm g}=1.5\,\mathrm{eV}、me=0.07mm_{\mathrm e}=0.07m、mh=0.5mm_{\mathrm h}=0.5m、背景の比誘電率 εb=12\varepsilon_{\mathrm b}=12 とし、この半導体に電子を ne=1.0×1024 m−3n_{\mathrm e}=1.0\times10^{24}\,\mathrm{m^{-3}} だけドープする(T=0T=0、伝導帯の底は等方な放物線)。

  1. (1) ドープしていないときの吸収端の近くの ε2\varepsilon_2 が ℏω−Eg/ω2\sqrt{\hbar\omega-E_{\mathrm g}}/\omega^2 に比例することを、結合状態密度から示せ。比例係数に入る換算質量を求めよ。(使う道具:4.6.2節・第2部第6章の状態密度)
  2. (2) ドープしていないときの励起子の R∗R^* と a∗a^* を求め、77 K と 300 K で励起子の線が見えるかを kBTk_{\mathrm B} T と比べて述べよ。(使う道具:4.6.3節)
  3. (3) ドープした電子の Fermi 波数と Fermi エネルギー(伝導帯の底から測る)を求めよ。伝導帯の k<kFk<k_{\mathrm F} が埋まっていると縦の遷移の吸収端がどこへ移るかを求め、ずれが εF(1+me/mh)\varepsilon _{\mathrm F}(1+m_{\mathrm e}/m_{\mathrm h}) になることを示せ。(使う道具:第4部第1章の自由電子気体・4.6.1節の縦の遷移)
  4. (4) ドープした電子のプラズマ振動による反射の端(プラズマ端)の光子エネルギーと真空の波長を求めよ。この波長より長い光と短い光で、この結晶はそれぞれどう見えるか。(使う道具:4.6.4節・第4部第2章の Drude)
  5. (5) 電子どうしの平均の間隔 ne−1/3n_{\mathrm e}^{-1/3} と Thomas–Fermi の遮蔽の長さ 1/qTF1/q_{\mathrm{TF}}(qTF2=e2D(εF)/(ε0εb)q_{\mathrm{TF}}^2=e^2D(\varepsilon _{\mathrm F})/(\varepsilon_0\varepsilon_{\mathrm b})、D(εF)=3ne/(2εF)D(\varepsilon _{\mathrm F})=3n_{\mathrm e}/(2\varepsilon _{\mathrm F}))を a∗a^* と比べ、このドープ量で励起子の線が残るかを述べよ。遮蔽された引力 −e−qTFr/r-\mathrm{e}^{-q_{\mathrm{TF}}r}/r が束縛状態を持つのは qTFa∗<1.19q_{\mathrm{TF}}a^*<1.19 のときだけであることを使ってよい。(使う道具:4.6.3節・4.6.5節・第4部第1章)
解答

(1) 吸収端の近くで εc−εv=Eg+ℏ2k2/(2mr)\varepsilon _{\mathrm c}-\varepsilon _{\mathrm v}=E_{\mathrm g}+\hbar^2k^2/(2m_{\mathrm r}) なので、結合状態密度は第2部第6章の3次元の自由電子の状態密度で m→mrm\to m_{\mathrm r} としたもの、Dcv=12π2(2mr/ℏ2)3/2ℏω−EgD_{\mathrm{cv}}=\frac{1}{2\pi^2}(2m_{\mathrm r}/\hbar^2)^{3/2}\sqrt{\hbar\omega-E_{\mathrm g}} である(式 (4.6.9))。行列要素を一定とすれば式 (4.6.7) から ε2∝ℏω−Eg/ω2\varepsilon_2\propto\sqrt{\hbar\omega-E_{\mathrm g}}/\omega^2。換算質量は mr=0.07×0.5/0.57 m=0.0614mm_{\mathrm r}=0.07\times0.5/0.57\,m=0.0614m。

(2) R∗=13.6 eV×0.0614/144=5.80 meVR^*=13.6\,\mathrm{eV}\times0.0614/144=5.80\,\mathrm{meV}、a∗=12/0.0614×0.0529 nm=10.3 nma^*=12/0.0614\times0.0529\,\mathrm{nm}=10.3\,\mathrm{nm}。kBTk_{\mathrm B} T は 77 K で 6.6 meV6.6\,\mathrm{meV}、300 K で 25.9 meV25.9\,\mathrm{meV} である。77 K では kBTk_{\mathrm B} T が R∗R^* と同じ程度なので n=1n=1 の線は幅が広がりながら吸収端の肩として見え、300 K では熱で壊れて線としては見えない(ただし例題 4.6.7 のとおり、吸収端の上の吸収の大きさには引力が残る)。

(3) 伝導帯の電子は両スピンで ne=kF3/(3π2)n_{\mathrm e}=k_{\mathrm F}^3/(3\pi^2) なので kF=(3π2ne)1/3=3.09×108 m−1k_{\mathrm F}=(3\pi^2n_{\mathrm e})^{1/3}=3.09\times10^8\,\mathrm{m^{-1}}、εF=ℏ2kF2/(2me)=52.1 meV\varepsilon _{\mathrm F}=\hbar^2k_{\mathrm F}^2/(2m_{\mathrm e})=52.1\,\mathrm{meV}(第4部第1章)。縦の遷移は同じ k\bm{k} どうしなので、伝導帯の k<kFk<k_{\mathrm F} が埋まっていると、k≥kFk\ge k_{\mathrm F} の遷移しか起きない。吸収端はℏωmin⁡=Eg+ℏ2kF22mr=Eg+ℏ2kF22me(1+memh)=Eg+εF(1+memh)\hbar\omega_{\min}=E_{\mathrm g}+\frac{\hbar^2k_{\mathrm F}^2}{2m_{\mathrm r}}=E_{\mathrm g}+\frac{\hbar^2k_{\mathrm F}^2}{2m_{\mathrm e}}\Bigl(1+\frac{m_{\mathrm e}}{m_{\mathrm h}}\Bigr)=E_{\mathrm g}+\varepsilon _{\mathrm F}\Bigl(1+\frac{m_{\mathrm e}}{m_{\mathrm h}}\Bigr)へ移る。ずれは 52.1×1.14=59.4 meV52.1\times1.14=59.4\,\mathrm{meV} で、吸収端は 1.559 eV1.559\,\mathrm{eV} になる。電子の分 εF\varepsilon _{\mathrm F} に、同じ kFk_{\mathrm F} で価電子帯の下がる分 εFme/mh\varepsilon _{\mathrm F}m_{\mathrm e}/m_{\mathrm h} が加わる。ドープで吸収端が青い側へずれるこの現象を Burstein–Moss シフトと呼ぶ。電子どうしの交換と遮蔽でギャップ自体が縮む効果(ギャップのくりこみ)は、この1電子の計算には入っていない。

(4) ωp=nee2/(ε0me)\omega_{\mathrm p}=\sqrt{n_{\mathrm e}e^2/(\varepsilon_0m_{\mathrm e})} で、プラズマ端は式 (4.6.16) の ωp/εb\omega_{\mathrm p}/\sqrt{\varepsilon_{\mathrm b}}。ℏωp/εb=40.5 meV\hbar\omega_{\mathrm p}/\sqrt{\varepsilon_{\mathrm b}}=40.5\,\mathrm{meV}、真空の波長は 30.6 μm30.6\,\mathrm{\mu m} である。これより長い波長の赤外では ε1<0\varepsilon_1<0 で結晶は金属のように光を反射し、短い波長では透明になる(ギャップの 1.5 eV1.5\,\mathrm{eV} より下の近赤外は通り、可視光は吸収する)。

(5) ne−1/3=10.0 nmn_{\mathrm e}^{-1/3}=10.0\,\mathrm{nm} で a∗=10.3 nma^*=10.3\,\mathrm{nm} とほぼ同じ(ne1/3a∗=1.03n_{\mathrm e}^{1/3}a^*=1.03)なので、1つの励起子の広がりの中に別の電子が平均1個入る。D(εF)=3ne/(2εF)D(\varepsilon _{\mathrm F})=3n_{\mathrm e}/(2\varepsilon _{\mathrm F}) から 1/qTF=4.80 nm1/q_{\mathrm{TF}}=4.80\,\mathrm{nm} で、qTFa∗=2.15q_{\mathrm{TF}}a^*=2.15 は束縛の閾値 1.191.19 を超える(qTFa∗=1.0q_{\mathrm{TF}}a^*=1.0 では束縛状態があり 1.41.4 では無いことを、動径の Schrödinger 方程式を数値で解いて確かめた)。したがってこのドープ量では、電子と正孔の引力は伝導電子に遮蔽されて束縛状態を作れず、励起子の線は消える。吸収端は (3) の Fermi 準位で決まる形になり、独立粒子の描像に近づく。ドープ量を下げていくと qTFa∗q_{\mathrm{TF}}a^* が小さくなり、ある密度より下で励起子が復活する。これは4.6.5節で削った電子間の相互作用が、ドープ量で吸収のスペクトルの形を切り替える例である。

木下の勉強ステータス

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