解答
(1) g1=1, g2=1−L/R2 なので 0<g1g2<1 は 0<L<R2=0.5m(例題 5.2 と同じ)。L=0.25m では g2=0.5, g1g2=0.5 で、図 5.1 の安定な領域の中ほどにある。
(2) 平面鏡の行列は単位行列なので Mrt=T(L)Mmirror(R2)T(L) で、
Mrt=(10L1)(1−4L1−4L)=(1−4L−42L−4L21−4L)=(0−4m−10.25m0)
(2/R2=4m−1、L=0.25m)。式 (5.4) で g1=1, g2=0.5 とおいても同じ行列になる。m=0, A=D なので式 (5.10) から1/q=i1−0/B=i/(0.25m) で、実部が 0、つまり平面鏡の上で波面は平らで、そこがビームの腰である。λ/(πw02)=1/B から w02=λB/π、w0=0.291mm、Rayleigh 長は zR=πw02/λ=B=0.25m=L である。凹面鏡は腰から L=zR の所にあるので、w2=2w0=0.412mm、波面の曲率半径は R(L)=L+zR2/L=0.5m で、凹面鏡の曲率半径 R2 に一致する。この共振器は、例題 5.3 の長さ 0.5m の共焦点の共振器を、中央の腰の面で半分に切って平面鏡を置いたものと同じビームを持つ。
(3) 腰から凹面鏡までの Gouy 位相は ψG(L)=arctan(L/zR)=π/4 で、腰が平面鏡の上にあるので片道の Gouy 位相は ΔψG=π/4。式 (5.15) の arccosg1g2=arccos(1/2)=π/4 と一致し、周回の角は θ=π/2 である(周回行列の m=0=cosθ とも合う)。νFSR=c/(2L)=599.6MHz、横モードの間隔は νFSRθ/(2π)=νFSR/4=149.9MHz。θ/2π=1/4 なので、m+l=4 の横モードが次の縦モードの基本モードに重なる(光線は4周で元に戻り、Mrt4=I)。
(4) ηrt=1−0.98×0.999=0.02098。r12=0.98×0.999=0.98945 で、式 (5.18) の厳密な式から F=296.3(近似 2π/ηrt=299.5)。線幅は Δν1/2=νFSR/F=2.02MHz。寿命は τc=2L/(c[−ln(0.97902)])=78.7ns で、1/(2πτc)=2.02MHz と一致する。Q=ν/Δν1/2=2.818×1014/2.02×106=1.39×108。損失のほとんどは出力鏡の透過 0.02 で、凹面鏡の 0.001 は5パーセントにすぎない。
(5) 出力鏡を抜ける光は、中を回る光の T1=0.02 なので、出力鏡に当たる片道のパワーは Pc=1mW/0.02=50mW。凹面鏡でほとんど全部反射するので、行きと帰りの両方の向きに約 50mW ずつ流れていて、長さ L の中のエネルギーはU=2PcL/c=8.34×10−11J である。光子1個のエネルギーは hν=1.867×10−19J なので、光子の数は U/(hν)=4.47×108 である。確かめとして、エネルギーが失われる速さ U/τc=1.060mW は、出力鏡から出る 1mW と凹面鏡から漏れる Pc×0.001=0.050mW の和 1.05mW に、−ln(1−ηrt) と ηrt の違い(1パーセント)の範囲で一致する。300K では hν/(kBT)=45.1 で、熱の光子数は nˉph=1/(e45.1−1)=2.7×10−20(第1章の式)しかない。中にいる 4.5×108 個の光子はほぼすべて入射したレーザー光の光子で、このモードの光は室温でも熱の光子に乱されない。