この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第1部 第14章 §1.14.7 ★★★ 作用変数 は周期運動の「どの軌道か」を表す運動量で、ゆっくりした変化で保たれ、量子数と状態の数を数える
自由度1の周期運動では、等エネルギー線が囲む面積を で割った作用変数 を新しい運動量に選ぶ正準変換を作ることができる。母関数は前の章の特性関数 で、新しい座標 は1周で 増える角変数になり、新しい Hamiltonian は だけの関数 になる。運動は が一定・ と書け、角振動数 は面積を で微分した周期と一致する。
パラメータ を周期に比べてゆっくり変えると、エネルギーと周期は変わるが はほとんど変わらない(断熱不変量)。理由は、 が角変数について周期的な関数の 微分に比例し、1周の平均が になることである。長さを変える振り子では振幅が で増え、数値積分でもゆっくり変えれば が保たれ、速く変えれば保たれないことが確かめられた。 を の刻みで量子化したものが Bohr–Sommerfeld の条件で、断熱不変性は「ゆっくり変えれば量子数が変わらない」ことに対応し、状態の数を数える量として統計力学の断熱変化( 一定)にも対応する。
第1部はここで終わる。第2部以降では、ここまでに作った道具(Euler–Lagrange 方程式・Legendre 変換・Noether の定理・Poisson 括弧・正準変換・Hamilton–Jacobi 方程式・作用角変数)を、選んだ や に当てていく。作用角変数は、統計力学の断熱変化とエントロピー(第3部第5章)、量子力学の調和振動子(第4部第4章)・WKB(第4部第7章)・断熱定理(第4部第9章)、バンドの中の電子の k 空間の閉軌道の量子化(第4部第10章)でもう一度使う。
この章の道具
- 作用変数 (等エネルギー線の囲む面積 )。。
- 母関数 、角変数 。、、。1周で 。
- 調和振動子:、、。箱:、。
- 断熱不変量: なら の変化は 。 の 平均が 。
- 量子化:滑らかな転回点では 、硬い壁では 。 一定は「量子数一定」「状態の数一定」。
総合問題 ばね定数をゆっくり変える場合と急に変える場合 ★★★
オリジナル質量 の調和振動子 の角振動数を、 から へ変える。初めのエネルギーを 、作用変数を とする。
- (1) (使う道具:第1部第12章の母関数・1.14.1節)母関数 から , として、, を で表せ。新しい Hamiltonian が になることを確かめよ。
- (2) (使う道具:1.14.2節・第1部第13章の楕円の面積) を計算して を確かめ、 が周期 と合うことを示せ。
- (3) (使う道具:1.14.3節) を周期に比べてゆっくり変えたとき、変えた後のエネルギーと振幅を と初めの振幅 で表せ。
- (4) (使う道具:1.14.3節・第1部第8章の相空間の面積) を一瞬で に変える。変える瞬間の角変数が だったとき、変えた後の作用変数 を と で表せ。 の最小値・最大値と、 について一様に平均した値を求め、ゆっくり変えた場合と比べよ。
- (5) (使う道具:1.14.5節・第1部第1章)量子力学で、初めに基底状態()にあったとする。ゆっくり変えた後のエネルギーを答えよ。また一瞬で変えた直後のエネルギーの期待値を、基底状態の , から求め、(4) の平均と比べよ。
解答
(1) 、。2つ目から (符号は と同じ向きにとる)、1つ目に入れて 。式 (1.14.5) と同じ。 は時刻を含まないので新しい Hamiltonian は をそのまま書き直したもので、。
(2) 等エネルギー線は半軸 , の楕円で、面積は 。よって 、、。角変数は角速度 で1周 進むので周期は で、前の章の と一致する。
(3) が保たれるので、変えた後のエネルギーは 。振幅 は に比例するので 。ばねを硬くすると、振動は小さく速くなり、エネルギーは増える。
(4) 一瞬の変化では、変える前後で と は同じ値をとる。変える前は , なので、変えた後のエネルギーは、作用変数は
最小値は ( を通過する瞬間)の 、最大値は (転回点)の 。 について平均すると から。一般に なら で、等号は のときだけである。初めにエネルギー の楕円の上に一様に並べた点の集まりは、一瞬の変化では動かないので、その面積 は保たれる(第1部第8章)。しかしこの楕円は新しい の等エネルギー線ではないので、各点は から までの別々の新しい軌道に乗り、平均の は増える。ゆっくり変えた場合はどの点も のまま新しい楕円に移る。
(5) ゆっくり変えれば量子数は のままで、エネルギーは (初めの の2倍で、(3) と同じ割合)。一瞬で変えると状態は変わらないので、新しい Hamiltonian の期待値は
これを新しい角振動数 で割った は、初めの の 倍で、(4) の古典の平均 と同じ比になる。エネルギーの期待値は新しい基底状態のエネルギー より 高く、一瞬の変化で一部の確率が励起状態へ移ったことを表している。
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