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この章のまとめ

2026年10月17日14分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第11部 第2章 どの問題をどの構成で解くか
目次
  1. 巻のまとめ
  2. 次に読む先
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第11部 第2章 §11.2.7 ★★★ 9つの構成の選び方を手数の4つの物差しで要約し、巻全体を閉じて、次に読む先を示す

巻のまとめ

この巻は、量子力学を9つの出発点から組み立て、その全部が基準(第1部の状態ベクトルと演算子)と同値であることを、橋を1本ずつ証明して確かめた。同値である範囲では、構成の選び方は手数の問題になる。手数は4つの物差しで測ることができる。答えに要る量がその構成の基本の対象にじかに入っているか、基本の対象がどれだけ大きいか、問題の小さいパラメータがその構成で1つの項にまとまるか、問いの答えが数か定義や起源か、の4つである。

この物差しで読むと、束縛状態の低い準位は行列力学、高い準位と伝播・トンネル・古典極限は経路積分、混合状態と環境は密度行列、光の Gauss 型の状態は位相空間、多体の素励起と粒子数の変わる過程は第二量子化、凝縮体の流れは流体が、それぞれ少ない手数で解く。相転移の定義は代数、Born の規則と複素数の起源は再構成、量子化の手続きとスピンの起源は幾何学的量子化が答える(表 11.2.1)。各構成の限界は、その構成の基本の対象の形から出る。経路積分の測度、密度行列の大きさと Markov 性、位相空間の負の値、第二量子化の Fock 空間の外、流体の多時刻の相関、代数の計算の重さがそれである。限界に当たったら、地図の橋を渡って別の構成へ移る(表 11.2.3)。橋を渡ってよいのは橋の前提の範囲だけで、前提の外で答えが食い違うこと自体が、構成どうしの違いを示す物理の内容になる。

次に読む先

表 11.2.4 に、この巻で組み立てた構成のそれぞれを、さらに使い込む巻と章を挙げた。基礎理論の入門(『量子力学入門』『場の量子論入門』『確率論入門』)は書名と章で示す。

表 11.2.4 次に読む先
この巻の構成次に読む巻と章
基準・波動関数散乱(この巻で扱わなかった問題)は『量子力学入門』第11部、多電子原子の Hartree–Fock と密度汎関数法は『量子力学入門』第12部第5章
行列力学・正準量子化Poisson 括弧から交換子へ・角運動量と Noether は 解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部第1章・同 第4部第5章、場の正準量子化は 同 第5部第2章 と『場の量子論入門』第2部第1章
経路積分摂動展開と Feynman 則・くりこみ群は 解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部第7章・同 第5部第11章、場の経路積分は『場の量子論入門』第7部、WKB と瞬間子の裏付けは 近似の数理 第7章
密度行列・量子チャネル量子相対エントロピーとデータ処理不等式は 相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第3部第3章、Bell の不等式は 同 第3部第5章、量子熱力学は 同 第4部第8章、開放系の Markov 極限の裏付けは 近似の数理 第14章
位相空間コヒーレント状態とスクイーズド状態・光子の統計は 光学と量子エレクトロニクス 第31章・同 第32章、光 Bloch 方程式は 同 第19章、共振器 QED は 同 第34章
第二量子化Bloch の定理とバンドは ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第2部第4章、磁性と超伝導は 同 第5部第3章・同 第5部第4章、相対論と反粒子・スピン統計定理は『場の量子論入門』第2部第5章・第4部第3章
軌道と流体Brown 運動と確率過程は『確率論入門』第14章、平均場の裏付けは 近似の数理 第6章、Ginzburg–Landau 理論は 解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部第6章
代数的量子論相転移の Landau 理論は 解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第3部第10章、熱力学極限の裏付けは 近似の数理 第13章、位相秩序は 相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第5部第2章
公理からの再構成量子計算の回路模型は 相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第6部第1章、エンタングルメントの量は 同 第3部第4章
幾何学的量子化シンプレクティック形式と作用角変数は 解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第1部第12章・同 第1部第14章、Berry 位相は 同 第4部第9章、曲がった時空の場の量子論は 同 第5部第12章

総合問題 超伝導共振器の1モードを、問いごとに構成を替えて解く ★★★

オリジナル角周波数 ω/2π=5 GHz\omega/2\pi=5\,\mathrm{GHz} の超伝導共振器の1つのモードを考える。モードは温度 T=50 mKT=50\,\mathrm{mK} の環境と弱く結合し、エネルギーの減衰率は Γ/2π=10 kHz\Gamma/2\pi=10\,\mathrm{kHz} である。時刻 00 にモードを奇の猫状態 ∣ψ⟩∝∣α⟩−∣−α⟩| \psi \rangle \propto| \alpha \rangle -| -\alpha \rangle(α=2\alpha=2)に用意する。(3)〜(5) では、(1) で求める熱的な光子数が小さいので環境の温度を 00 とする。

  1. (1) (使う道具:第2部第4章・第2部第5章、行列力学)モードの準位と、熱平衡の平均の光子数 nthn_{\mathrm{th}}、光子が1個以上いる確率を求めよ。
  2. (2) (使う道具:第4部第5章、密度行列)Lindblad 演算子 L^1=Γ(nth+1) a^\hat L_1=\sqrt{\Gamma(n_{\mathrm{th}}+1)}\,\hat a、L^2=Γnth a^†\hat L_2=\sqrt{\Gamma n_{\mathrm{th}}}\,\hat a^\dagger から ddt⟨n^⟩=−Γ(⟨n^⟩−nth)\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}\langle \hat n \rangle =-\Gamma(\langle \hat n \rangle -n_{\mathrm{th}}) を導き、猫状態の ⟨n^⟩\langle \hat n \rangle が 11 まで下がる時刻を求めよ。
  3. (3) (使う道具:第4部第5章の例題・本章3節)温度 00 の損失で、η=e−Γt\eta=\mathrm{e}^{-\Gamma t} として ρ^(t)\hat\rho(t) を ∣±η α⟩| \pm\sqrt\eta\,\alpha \rangle で書き、干渉の項の係数 cc が 1/e1/\mathrm{e} になる時刻を求めよ。
  4. (4) (使う道具:第5部第1章・第5部第4章、位相空間)W(0,0)=⟨Π^⟩/(πℏ)W(0,0)=\langle \hat\Pi \rangle /(\pi\hbar)(Π^\hat\Pi は光子数の偶奇)を使って、原点の WW の符号が変わる時刻を求め、それが α\alpha によらないことを示せ。η=0.9\eta=0.9 と 0.60.6 の ⟨Π^⟩\langle \hat\Pi \rangle を (3) の cc と比べよ。
  5. (5) (使う道具:本章1節・3節・6節)Fock 基底で解くとき光子数の裾を 10−610^{-6} 未満にする最大の光子数と、打ち切った密度行列の実数の個数を求めよ。(1)〜(4) のそれぞれで構成を選んだ理由を、1節の物差しで述べよ。
解答

(1) モードは LC 回路と同じ調和振動子で、準位は En=ℏω(n+12)E_n=\hbar\omega(n+\frac12) である(第2部第5章)。x=ℏω/(kBT)=6.626×10−34×5×109/(1.381×10−23×0.05)=4.80x=\hbar\omega/( k_{\mathrm B} T)=6.626\times10^{-34}\times5\times10^9/(1.381\times10^{-23}\times0.05)=4.80 で、等比級数から nth=1/(ex−1)=8.30×10−3n_{\mathrm{th}}=1/(\mathrm{e}^{x}-1)=8.30\times10^{-3} である。光子が1個以上いる確率は P(n≥1)=1−P(0)=1−(1−e−x)=e−x=8.24×10−3P(n\ge1)=1-P(0)=1-(1-\mathrm{e}^{-x})=\mathrm{e}^{-x}=8.24\times10^{-3} になる。熱的な光子はほとんどいない。

(2) ddt⟨n^⟩=∑kTr⁡[n^(L^kρ^L^k†−12{L^k†L^k,ρ^}+)]=∑k⟨L^k†n^L^k−12{L^k†L^k,n^}+⟩\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}\langle \hat n \rangle =\sum_k\operatorname{Tr}\bigl[\hat n(\hat L_k\hat\rho\hat L_k^\dagger-\frac12\{\hat L_k^\dagger\hat L_k,\hat\rho\}_+)\bigr]=\sum_k\langle \hat L_k^\dagger\hat n\hat L_k-\frac12\{\hat L_k^\dagger\hat L_k,\hat n\}_+ \rangle を使う。L^1\hat L_1 では a^†n^a^−a^†a^n^=a^†[n^,a^]=−n^\hat a^\dagger\hat n\hat a-\hat a^\dagger\hat a\hat n=\hat a^\dagger[\hat n,\hat a]=-\hat n(n^\hat n と a^†a^\hat a^\dagger\hat a は交換する)から −Γ(nth+1)⟨n^⟩-\Gamma(n_{\mathrm{th}}+1)\langle \hat n \rangle、L^2\hat L_2 では a^n^a^†−a^a^†n^=a^[n^,a^†]=a^a^†=n^+1\hat a\hat n\hat a^\dagger-\hat a\hat a^\dagger\hat n=\hat a[\hat n,\hat a^\dagger]=\hat a\hat a^\dagger=\hat n+1 から Γnth(⟨n^⟩+1)\Gamma n_{\mathrm{th}}(\langle \hat n \rangle +1) を得る。足すと

ddt⟨n^⟩=−Γ(⟨n^⟩−nth),⟨n^⟩(t)=nth+(n0−nth)e−Γt\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}\langle \hat n \rangle =-\Gamma(\langle \hat n \rangle -n_{\mathrm{th}}),\qquad\langle \hat n \rangle (t)=n_{\mathrm{th}}+(n_0-n_{\mathrm{th}})\mathrm{e}^{-\Gamma t}

である。奇の猫状態の光子数は n0=∣α∣2coth⁡∣α∣2=4.0027n_0=\lvert \alpha\rvert ^2\coth\lvert \alpha\rvert ^2=4.0027 で、⟨n^⟩=1\langle \hat n \rangle =1 になるのは Γt=ln⁡[(n0−nth)/(1−nth)]=1.393\Gamma t=\ln[(n_0-n_{\mathrm{th}})/(1-n_{\mathrm{th}})]=1.393、1/Γ=15.9 μs1/\Gamma=15.9\,\mu\mathrm s を掛けて t=22.2 μst=22.2\,\mu\mathrm s である。

(3) 半透明の鏡の模型で、∣±α⟩∣0⟩E↦∣±η α⟩∣±1−η α⟩E| \pm\alpha \rangle | 0 \rangle _{\mathrm E}\mapsto| \pm\sqrt\eta\,\alpha \rangle | \pm\sqrt{1-\eta}\,\alpha \rangle _{\mathrm E} と移る。環境の部分トレースをとると、β=η α\beta=\sqrt\eta\,\alpha、N2=1/[2(1−e−2∣α∣2)]N^2=1/[2(1-\mathrm{e}^{-2\lvert \alpha\rvert ^2})] として

ρ^(t)=N2[∣β⟩⟨β∣+∣−β⟩⟨−β∣−c(∣β⟩⟨−β∣+∣−β⟩⟨β∣)],\hat\rho(t)=N^2\Bigl[| \beta \rangle \langle \beta |+| -\beta \rangle \langle -\beta |-c\bigl(| \beta \rangle \langle -\beta |+| -\beta \rangle \langle \beta |\bigr)\Bigr],

c=⟨−1−η α∣1−η α⟩=e−2∣α∣2(1−η)c=\langle -\sqrt{1-\eta}\,\alpha | \sqrt{1-\eta}\,\alpha \rangle =\mathrm{e}^{-2\lvert \alpha\rvert ^2(1-\eta)}

になる。c=1/ec=1/\mathrm{e} は 1−η=1/(2∣α∣2)=1/81-\eta=1/(2\lvert \alpha\rvert ^2)=1/8、つまり Γt=ln⁡(8/7)=0.1335\Gamma t=\ln(8/7)=0.1335 で、t=2.13 μst=2.13\,\mu\mathrm s である。光子の平均の数が 44 から 11 に下がる時刻((2))の約 1/101/10 で、干渉の項はエネルギーよりずっと速く失われる。

(4) コヒーレント状態に偶奇の演算子を当てると Π^∣β⟩=∣−β⟩\hat\Pi| \beta \rangle =| -\beta \rangle なので、Tr⁡(Π^∣β⟩⟨β∣)=⟨β∣−β⟩=e−2∣β∣2\operatorname{Tr}(\hat\Pi| \beta \rangle \langle \beta |)=\langle \beta | -\beta \rangle =\mathrm{e}^{-2\lvert \beta\rvert ^2}、Tr⁡(Π^∣β⟩⟨−β∣)=⟨−β∣−β⟩=1\operatorname{Tr}(\hat\Pi| \beta \rangle \langle -\beta |)=\langle -\beta | -\beta \rangle =1 である。(3) の ρ^\hat\rho に当てて

⟨Π^⟩=e−2η∣α∣2−e−2(1−η)∣α∣21−e−2∣α∣2\langle \hat\Pi \rangle =\frac{\mathrm{e}^{-2\eta\lvert \alpha\rvert ^2}-\mathrm{e}^{-2(1-\eta)\lvert \alpha\rvert ^2}}{1-\mathrm{e}^{-2\lvert \alpha\rvert ^2}}

を得る。η=1\eta=1 で −1-1(奇の状態)、η=12\eta=\frac12 で分子の2項が等しくなり 00 になる。符号が変わるのは η=12\eta=\frac12、Γt=ln⁡2\Gamma t=\ln2、t=11.0 μst=11.0\,\mu\mathrm s で、α\alpha の値によらない。η=0.9\eta=0.9 では ⟨Π^⟩=−0.4487\langle \hat\Pi \rangle =-0.4487(c=0.4493c=0.4493)、η=0.6\eta=0.6 では −0.0325-0.0325(c=0.0408c=0.0408)である。原点の WW は η>12\eta>\frac12 のあいだ負のまま残るが、その大きさはおよそ cc で、干渉の項と同じ速さで小さくなる。符号だけを見ると負の値は長く残って見えるが、観測できる大きさで見ると (3) の cc と同じ時間で消える。

(5) 奇の猫状態の光子数の分布は奇数の nn で P(n)=2e−∣α∣2∣α∣2n/[n!(1−e−2∣α∣2)]P(n)=2\mathrm{e}^{-\lvert \alpha\rvert ^2}\lvert \alpha\rvert ^{2n}/[n!(1-\mathrm{e}^{-2\lvert \alpha\rvert ^2})] で、裾が 10−610^{-6} を下回る最大の光子数は 1717 である(1515 までだと裾が 1.9×10−61.9\times10^{-6} 残る)。損失は光子数を増やさないので、00 から 1717 の 18 準位で足り、密度行列の実数は 182−1=32318^2-1=323 個になる。(3) の形を使えば、状態は β\beta と cc の2つの数で決まる。

構成の選び方を1節の物差しで読むと次のようになる。(1) は準位と熱平衡の数で、答えが調和振動子の代数の固有値にじかに入っているので行列力学を選んだ。(2) は環境とのやりとりで、Markov の近似が Lindblad 方程式の1つの項にまとまるので密度行列を選んだ(3節の札)。(3) は干渉の項という密度行列の非対角の成分そのものなので、密度行列(半透明の鏡の浄化)のまま解いた。(4) は非古典性の指標で、原点の WW がずらしたパリティの期待値であることから、位相空間を選ぶと1行で答えが出た。(5) は計算機で解くときの大きさで、非 Gauss の状態なので位相空間の共分散では閉じず、Fock 基底の打ち切りか、(3) の解析的な形を使うことになる。1つの系でも、問いごとに少ない手数で済む構成が替わる。

木下の勉強ステータス

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AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

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