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共通例題①:調和振動子の答えを全部の部の言葉で

2026年10月17日15分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第11部 第1章 同値性の地図をもう一度
目次
  1. 答えの一覧
  2. 零点の を出さない構成
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第11部 第1章 §11.1.4 ★★★ エネルギー準位・分配関数・平均の量子数は全部の部で同じ形に出て、零点の 12\frac12 は演算子の並べ方の約束から決まる

答えの一覧

共通例題①の正答は En=ℏω(n+12)E_n=\hbar\omega(n+\frac12)、Z=1/(2sinh⁡(βℏω/2))Z=1/(2\sinh(\beta\hbar\omega/2))、⟨n⟩=1/(eβℏω−1)\langle n \rangle =1/(\mathrm{e}^{\beta\hbar\omega}-1) である。表 11.1.4 に、各部がどの道具でこれを出したかを並べた。どの行の式も、本文の式番号の所で正答と同じ形になっていることを各章の検算で確かめた。

表 11.1.4 共通例題①(調和振動子)の答えを出した道具
部解き方出したもの章と式
第2部選択則と総和則と Born–Jordan の交換関係(Heisenberg 1925 の道)EnE_n、ZZ、⟨n⟩\langle n \rangle第2部第1章の式 (2.1.25)
[a^,a^†]=1[\hat a,\hat a^\dagger]=1 の梯子と正値性EnE_n、ZZ、⟨n⟩\langle n \rangle第2部第4章の式 (2.4.6)・(2.4.8)・(2.4.9)
LC 回路 [Φ^,Q^]=iℏ[\hat\Phi,\hat Q]=\mathrm{i}\hbarℏω(a^†a^+12)\hbar\omega(\hat a^\dagger\hat a+\frac12)第2部第5章の式 (2.5.9)
第3部古典経路+揺らぎの Gauss 積分Mehler 核第3部第3章の式 (3.3.28)
Mehler 核の跡 1/(2isin⁡(ωt/2))1/(2\mathrm{i}\sin(\omega t/2)) の展開EnE_n同じ章の式 (3.3.35)
虚時間の Matsubara 成分の無限積ZZ第3部第6章の式 (3.6.13)
第4部ρ^=e−βH^/Z\hat\rho=\mathrm{e}^{-\beta\hat H}/Z、等間隔のスペクトル ⇔ 等比の固有値ZZ、⟨n⟩\langle n \rangle、SS、熱平衡の WW第4部第4章の式 (4.4.13)・(4.4.14)・(4.4.26)
同じ ρ^\hat\rho をコヒーレント状態の混合(P 表示)でpnp_n、⟨n⟩\langle n \rangle第4部第3章の式 (4.3.19)
第5部H⋆W=EWH\star W=EW の実部が Laguerre の式EnE_n、WnW_n第5部第5章の式 (5.5.4)・(5.5.5)
WnW_n の重み和(Laguerre の母関数)熱平衡の WW同じ章の式 (5.5.8)
⋆\star積の Bloch 方程式ZZ、熱平衡の WW第5部第3章の例題 5.3.5
第6部場の各モードが振動子、Bose 分布⟨nk⟩\langle n_k \rangle、ZZ第6部第1章の式 (6.1.22)、第6部第5章の式 (6.5.11)
コヒーレント状態の経路積分(虚時間の巡回行列)ZZ、⟨n⟩\langle n \rangle第6部第6章の式 (6.6.12)
第7部定常な流体 v=0v=0、V+Q=EnV+Q=E_n基底で ℏω/2\hbar\omega/2第7部第1章の式 (7.1.15)
Nelson の基底状態= Ornstein–Uhlenbeck 過程b=−ωxb=-\omega x、分散 ℏ/(2mω)\hbar/(2m\omega)第7部第5章の式 (7.5.17)
第8部Weyl 演算子の特性関数と GNS の時間発展EnE_n、ZZ、⟨n⟩\langle n \rangle第8部第2章の式 (8.2.10)
不変な Gauss 状態の族から KMS 条件が c=coth⁡(βℏω/2)c=\coth(\beta\hbar\omega/2) を選ぶZZ、⟨n⟩\langle n \rangle、⟨H⟩\langle H \rangle第8部第4章の式 (8.4.13)・(8.4.14)
第10部正則偏極+半形式補正EnE_n、ZZ第10部第5章の命題 10.5.3
Moyal の ⋆\star指数関数の Fourier 展開EnE_n、⋆\star射影 =2πℏWn=2\pi\hbar W_n第10部第6章の式 (10.6.14)

第9部は共通例題①を扱わず、共通例題②(量子ビット)で状態空間を比べた(第9部第4章)。第1部では第1部第1章が ⟨x2⟩\langle x^2 \rangle を4通りに出し、第1部第3章が基底状態を位置・運動量・エネルギー・Bargmann の4つの表示で書いた。

零点の 12\tfrac12 を出さない構成

表 11.1.4 の外に、零点の 12\frac12 を出さない構成がいくつか現れた。どれも、何かを省いたときにどの量が変わるかを見せる例になっている。

古い量子論の Bohr–Sommerfeld の条件 J=nℏJ=n\hbar からは En=nℏωE_n=n\hbar\omega が出る(第1部第4章の例題 1.4.1)。作用角変数で正準量子化しても同じで(第2部第2章の式 (2.2.17))、これがデカルト座標で量子化する理由になった。前量子化ではスペクトルが ℏω0Z\hbar\omega_0\mathbb Z で各準位が無限に縮退し(第10部第3章の式 (10.3.18))、半形式補正のない正則偏極では準位が ℏω0n\hbar\omega_0n になる(第10部第4章の命題 10.4.4)。

最後の例は、演算子の並べ方の約束と結びついている。第10部では、補正なし・半形式・dz\mathrm{d} z 全体の3つが、正規順序・Weyl 順序・反正規順序に当たり、準位が nℏωn\hbar\omega・(n+12)ℏω(n+\frac12)\hbar\omega・(n+1)ℏω(n+1)\hbar\omega になることを示した(第10部第5章・第10部第6章の図 10.6.1)。第6部第6章では、連続の Matsubara 積をどう組むかが同じ選択に当たることを示した(第6部第6章の6.6.3節)。第5部第6章の P・W・Q 表示も、正規・対称・反正規順序の期待値を計算するための3つの分布だった(第5部第6章の定理 5.6.2)。図 11.1.3 に3つの準位を並べる。

図

図 11.1.3 調和振動子の準位を3つの並べ方の約束で量子化したもの(下から4本)。間隔はどれも ℏω\hbar\omega で、違うのは定数のずれだけ。Weyl 順序(第10部では半形式補正、第3部では Mehler 核の前の因子)で共通例題①の正答 ℏω(n+12)\hbar\omega(n+\frac12) になる。

準位の間隔が同じなので、熱平衡の確率 pn=(1−e−βℏω)e−nβℏωp_n=(1-\mathrm{e}^{-\beta\hbar\omega})\mathrm{e}^{-n\beta\hbar\omega} と平均の量子数 ⟨n⟩\langle n \rangle は3つの約束で同じになる。違うのは分配関数 ZZ と自由エネルギー F=−kBTln⁡ZF=- k_{\mathrm B} T\ln Z で、定数のずれ cℏωc\hbar\omega が ZZ に e−cβℏω\mathrm{e}^{-c\beta\hbar\omega} を掛ける。基準の H^=p^2/(2m)+mω2x^2/2\hat H=\hat p^2/(2m)+m\omega^2\hat x^2/2 は Weyl 順序の量子化なので、零点の 12\frac12 は「どの並べ方の約束を物理の H^\hat H とするか」の選択である。この選択は、振動子を内部状態として持つ2つの系の干渉のように、零点のエネルギーの差が位相として測られる場合にだけ観測にかかる(第2部第6章の系 2.6.8)。

例題 11.1.4 βℏω=1\beta\hbar\omega=1 の数値を並べ方ごとに比べる ★★

オリジナルβℏω=1\beta\hbar\omega=1 の調和振動子について次を求めよ。

  1. (1) Weyl 順序(正答)・正規順序・反正規順序の3つの準位での分配関数 ZZ と βF=−ln⁡Z\beta F=-\ln Z。
  2. (2) 3つに共通の ⟨n⟩\langle n \rangle と、⟨x2⟩\langle x^2 \rangle を ℏ/(2mω)\hbar/(2m\omega) の単位で。
  3. (3) 熱平衡の Wigner 関数の原点の値 πℏWβ(0,0)\pi\hbar W_\beta(0,0)。
解答

(1) q=e−1q=\mathrm{e}^{-1} とおく。Weyl 順序では Z=∑nqn+1/2=q1/2/(1−q)=1/(2sinh⁡12)=0.9595Z=\sum_nq^{n+1/2}=q^{1/2}/(1-q)=1/(2\sinh\frac12)=0.9595、βF=0.0413\beta F=0.0413。正規順序では Z=1/(1−q)=1.582Z=1/(1-q)=1.582、βF=−0.4587\beta F=-0.4587。反正規順序では Z=q/(1−q)=0.5820Z=q/(1-q)=0.5820、βF=0.5413\beta F=0.5413。3つの ZZ は e1/2\mathrm{e}^{1/2} ずつ違い、βF\beta F は 12\frac12 ずつ違う。第10部第5章の例題 10.5.2 の値と一致する。

(2) ⟨n⟩=1/(e−1)=0.5820\langle n \rangle =1/(\mathrm{e}-1)=0.5820 で、3つに共通である。⟨x2⟩=(ℏ/(2mω))(2⟨n⟩+1)=(ℏ/(2mω))coth⁡12=2.164 ℏ/(2mω)\langle x^2 \rangle =(\hbar/(2m\omega))(2\langle n \rangle +1)=(\hbar/(2m\omega))\coth\frac12=2.164\,\hbar/(2m\omega)。⟨x2⟩\langle x^2 \rangle は基準の x^2\hat x^2 の期待値で、並べ方の約束は H^\hat H の定数項にしか入らないので、これも3つに共通である。

(3) 熱平衡の Wigner 関数 Wβ=tanh⁡(βℏω/2)πℏexp⁡(−2tanh⁡(βℏω/2)H/(ℏω))W_\beta=\frac{\tanh(\beta\hbar\omega/2)}{\pi\hbar}\exp\bigl(-2\tanh(\beta\hbar\omega/2)H/(\hbar\omega)\bigr) の原点で πℏWβ(0,0)=tanh⁡12=0.4621\pi\hbar W_\beta(0,0)=\tanh\frac12=0.4621。これは WnW_n の原点の値 (−1)n/(πℏ)(-1)^n/(\pi\hbar) の重み和 ∑npn(−1)n=(1−q)/(1+q)\sum_n p_n(-1)^n=(1-q)/(1+q) に等しく(第5部第5章の例題 5.5.2)、原点の値がパリティの期待値であること(第5部第4章の式 (5.4.17))とも一致する。

木下の勉強ステータス

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