共通例題②③:2準位系と自由粒子
AI 生成・木下が未勉強
量子力学の様々な構成方法 第11部 第1章 §11.1.5 ★★★ Rabi 振動と自由粒子の伝播関数・波束の広がりも全部の部で同じ形に出て、緩和の は正値性だけから出る
共通例題②の答えの一覧
共通例題②の正答は、 で から出発したときの ()と、 の Lindblad 方程式での 、、純粋な位相緩和を足したときの である。表 11.1.5 にまとめる。
| 部 | 解き方 | 章と式 |
| 第1部 | Schrödinger 描像と Heisenberg 描像の2通りで | 第1部第1章の式 (1.1.6)、第1部第2章の式 (1.2.12) |
| 第2部 | Pauli 行列の Heisenberg 方程式(歳差運動と Rodrigues の解) | 第2部第3章の式 (2.3.16) |
| Cooper 対の箱と駆動した transmon の2準位への射影 | 第2部第5章の式 (2.5.27) | |
| 第3部 | 反転の列の和(、離散の経路積分) | 第3部第2章の例題 3.2.1 |
| 第4部 | Bloch ベクトルの回転 | 第4部第1章の式 (4.1.13) |
| 緩和つき Bloch 方程式(・・)と定常解 | 第4部第5章の式 (4.5.11)・(4.5.12) | |
| 純粋な位相緩和を影響汎関数で厳密に | 第4部第6章の式 (4.6.21) | |
| 第5部 | 離散 Wigner 関数の縦線の和 | 第5部第5章の式 (5.5.12) |
| 第6部 | 2つの軌道の粒子(ボースでもフェルミでも同じ) | 第6部第3章の式 (6.3.27) |
| Holstein–Primakoff の | 第6部第4章の式 (6.4.9) | |
| スピンのコヒーレント状態の経路積分の停留点 | 第6部第6章の式 (6.6.22) | |
| 第8部 | 観測量の側の時間発展 | 第8部第1章の例題 8.1.5 |
| 第9部 | 動く命題 の確率 | 第9部第1章の式 (9.1.18) |
| 3つの確率から状態を組み直す(トモグラフィー) | 第9部第2章の式 (9.2.14) | |
| 量子ビットの非文脈的な隠れた変数の模型 | 第9部第3章の式 (9.3.14) | |
| 一般確率論の球の回転、緩和の写像が球を球へ写す条件 | 第9部第4章の式 (9.4.6)・命題 9.4.5 | |
| 操作的な公理(実数の量子論では書けないこと) | 第9部第5章の式 (9.5.2) | |
| 第10部 | 球面 の量子化()=古典の回転 | 第10部第5章の式 (10.5.16) |
第7部は共通例題②を扱わなかった。スピンを持つ粒子の Bohm の軌道と Nelson の過程は要旨だけを述べた(第7部第4章・第7部第6章)。
Rabi 振動はどの部でも厳密に同じ式になる。2準位系のヒルベルト空間は2次元で、どの構成でも状態は Bloch 球の点、時間発展は球の回転として書けるからである。違いが出るのは緩和の扱いで、第4部は完全正値性から、第9部は正値性(状態を状態に写すこと)だけから を出した。量子ビット1つでは、緩和の写像が正値であることと完全正値であることが同じ条件 (、)になる(第9部第4章の命題 9.4.5)。
例題 11.1.5 離調つきの Rabi 振動と緩和の時間 ★★
オリジナル
- (1) の2準位系を から まで発展させたときの と Bloch ベクトル を求めよ。
- (2) 量子ビットで 、 を測った。 を求めよ。また、 という測定値があり得ないことを、緩和の写像が状態を状態に写す条件から示せ。
近似の裏付け
型 B(極限) | 小さいもの (弱結合・浴の相関時間が短い) | 証明 条件付き(van Hove 極限、有限次元・浴の相関関数が可積分。Davies 1974) | 行き先 近似の数理 第14章
共通例題③の答えの一覧
共通例題③の正答は、伝播関数 と、位置と運動量の相関のない Gauss 波束の広がり である。
| 部 | 解き方 | 章と式 |
| 第1部 | Heisenberg 描像 、運動量の完全系で | 第1部第1章の式 (1.1.3)・(1.1.8) |
| 運動量表示( が対角) | 第1部第3章の式 (1.3.14)・(1.3.16) | |
| 第2部 | 線形の Heisenberg 方程式の厳密解 | 第2部第3章の式 (2.3.10) |
| 第3部 | 前因子を から決め、合成則で | 第3部第1章の式 (3.1.16)・(3.1.20) |
| 古典経路+揺らぎ、3重対角行列の行列式 | 第3部第3章の式 (3.3.11)・(3.3.16) | |
| 第4部 | 混合した Gauss 波束 を3通りで | 第4部第2章の式 (4.2.12) |
| 前向きと後ろ向きの2本の経路 | 第4部第6章の例題 4.6.1 | |
| 第5部 | Wigner 関数の剪断 | 第5部第2章の式 (5.2.20)・(5.2.21) |
| 第6部 | Schrödinger 場の2点関数 | 第6部第1章の式 (6.1.24)・(6.1.26) |
| 場の振幅が で運ばれる(コヒーレント状態の経路積分) | 第6部第6章の式 (6.6.14) | |
| 1粒子密度行列を虚時間 の の輪の和で | 第6部第5章の式 (6.5.21) | |
| 第7部 | 流体の膨張 と | 第7部第1章の式 (7.1.16) |
| Bohm の軌道 | 第7部第4章の式 (7.4.7) | |
| Nelson のドリフト | 第7部第5章の式 (7.5.21) | |
| 第10部 | 水平の偏極(運動量表示)で が掛け算 | 第10部第4章の式 (10.4.9)・(10.4.12) |
第8部は自由場の真空の質量を変えたときの重なりで共通例題③に触れ(第8部第3章の例題 8.3.6)、第9部は扱わなかった。
例題 11.1.6 電子の波束の広がりを4つの部の言葉で読む ★★
オリジナル電子()の Gauss 波束が、時刻 に位置の標準偏差 、平均の運動量 で置かれた。
- (1) が初めの2倍になる時刻 と、、 での を求めよ。
- (2) Bohm の軌道で、初めに にいた粒子の 後の位置と、長い時間の後の速さを求めよ。
- (3) Nelson の過程からドリフトを除いて拡散(拡散係数 )だけを残すと、 後の標準偏差はいくらになるか。(1) と比べて、ドリフトが何をしているかを述べよ。
解答
(1) 。 なので、 で 、 で である(第1部第1章・第5部第2章・第10部第4章の例題の値と一致する)。
(2) Bohm の軌道は で、 の粒子は の位置を動き、 後に にいる。長い時間の後の速さは で、初めの運動量の標準偏差 を で割ったものに等しい。粒子は初め静止していて、量子ポテンシャルの外向きの力で加速される(第7部第4章の式 (7.4.8))。
(3) 拡散だけなら分散は で、 後に である。(1) の より小さく、時間に対して でしか増えない。Nelson の前向きのドリフト ()は、 では内向きで拡散を打ち消して から始め、 では外向きになって の広がりを作る(第7部第5章)。同じ を、Bohm は決定論的な軌道の加速で、Nelson はドリフトと拡散の組で再現する。
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